信者を一の中に保つ規範



――――――――――――――聖書の節（回復訳）――――――――――――

ピリピ3:12　わたしは、すでに獲得したとか、すでに完成されているとか言うの

ではありません。わたしは、それを捕らえようと追い求めているのですが、それ

はわたしが、キリスト・イエスによって捕らえられているからです。(13節)兄弟

たちよ、わたしはまだ自分自身、捕らえたとは思っていません。ただ一つの事、

すなわち、後ろにあるものを忘れて、前にあるものに向かって体を伸ばしつつ、

(14節)キリスト・イエスの中でわたしを上に召してくださった神の賞を得るため

に、目標に向かって追い求めています。(15節)こういうわけで、成人した者はみ

な、この思いを持とうではありませんか。また、もしあなたがたが別のことを思っ

ているなら、神はこれをも、あなたがたに啓示してくださるでしょう。(16節)し

かしながら、わたしたちが到達したところにしたがって、同じ規範によって歩こ

うではありませんか。



―――――――――――――――務めの言葉―――――――――――――――

すでに指摘したように、16節でパウロは同じ規範によって歩くことについて語り

ます。わたしたちはまた、この節での「歩く」というギリシャ語は、初歩的原則

にしたがって歩くことを意味するのを見てきました。わたしたちのクリスチャン

生活の支配的原則は、キリストの享受とキリストの経験を追い求めることである

べきです。この原則は、正当な一の中でわたしたちを保護するでしょう。わたし

たちは、わたしたちを支配し、わたしたちを一の中に守る内側のものを必要とし

ます。この内側の事柄は、パウロが「この思い」と記述しているものです。それ

は、わたしたちクリスチャンの歩みのための唯一の道でもあります。唯一の思い

と唯一の道は、両方ともキリストを追い求めることに関係があります。キリスト

を経験し享受するためにキリストを追い求めることは、わたしたちのクリスチャ

ン生活の基本的また初歩的原則であるべきです。



もしすべてのクリスチャンがこの思いを持ち、またこの道を歩んだとしたら、何

とすばらしいことでしょう！　今日のクリスチャンの間の混乱と分裂の理由は、

進んでこの基本的原則にしたがって歩もうとする者が非常に少ないからです。ク

リスチャンとしてわたしたちは、一つの特別な路線、すなわちキリストを追い求

める路線、道を歩む必要があります。わたしたちは「ただこの事」、この「一事」

を心がけるべきであって、そんなに多くの相違した教理や実行を顧みるべきでは

ありません。しかし今日、信者たちは預言とか、おおいとか、足を洗うこと、バ

プテスマの方法、それに使用する水の種類、主の食卓で使われるパンの種類、ぶ

どう酒またはぶどうジュースを入れる杯のサイズによってさえそらされています。

何というあわれな状態でしょう！



もしわたしたちがみなキリストを追い求めることに思いをつけるなら、何の問題

もなくなるでしょう。キリストだけが、相違する国民性や文化を持つ信者たちを

真に一つとならせることができます。どうか主がわたしたちをあわれみ、わたし

たちがクリスチャン生活の初歩的原則にしたがって歩き、キリストを極みまで追

い求める思いを持たせてくださいますように！　この原則は、わたしたちが後ろ

にあるものを忘れ、神によって設定された目標に向かって体を伸ばしつつ、キリ

ストを追い求めることです。それは、彼がわたしたちのために用意された賞をわ

たしたちが獲得するためです。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――

新約聖書の節は、回復訳新約聖書(1996年版)から引用されており、務めの言葉は、

ウイットネス・リー著「ライフスタディ・ピリピ人への手紙(三)」(1981年版)メ

ッセージ24から引用されています。いずれも日本福音書房から出版されています。

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