パデセアメールマガジンVol.21「異常気象の増加」
2008/09/02 (Tue) 12:30
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○○○ パデセアメールマガジンVol.21 ○○○
「異常気象が長期に増加傾向にある」
―集中豪雨、異常高温の増加―
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方、セミナー等に
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は巻末をご覧ください。今回のテーマは「異常気象が長期に増加傾向にある」
です。
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今年7月26日神戸市の都賀川が急に増水し、親水公園で遊んでいた方々が流さ
れ死亡、また8月5日東京都豊島区雑司ケ谷の下水道管内の水位が急に上昇し作業
員の方々が流され死亡するという事故が発生しました。新聞報道によると、神戸
市の事故では上流付近で1時間36~38ミリ、東京都の事故では1時間66ミリの集中
豪雨があり、いずれも急に降りだした局地的な大雨が関係していると見られてい
ます。
そのほか、7月27日福井県敦賀市では突風でイベント用のテントが飛ばされ一人
死亡、7月29日東京国立競技場が豪雨に見舞われ、サッカーの五輪壮行試合が打
ち切られました。また、8月28日には関東・東海地方に大雨が降り気象庁は
「記録的短時間大雨情報」を各地に発表しました。このように今年の夏は局地的
な集中豪雨などの異常気象に見舞われました。今回は異常気象について調べてみ
ました。
1.異常気象の定義
気象災害を引き起こし、社会経済に大きな影響を与える大雨や強風、干ばつや
冷夏などの現象で、人が一生の間にまれにしか経験しないような現象を異常気象
といい、気象庁では原則的に「ある場所(地域)で、30年に一回以下の頻度で発
生する現象」を異常気象と定義しています。
2.記録的短時間大雨情報
8月28日気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表しました。この情報は、数
年に一度程度しか発生しないような激しい短時間の大雨を、観測(雨量計による
観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)した時
に発表されるものです。その基準は、1時間雨量歴代1位又は2位の記録を参考に
都道府県別に定められています。その最小値は北海道根室支庁の60ミリ、最大値
は三重県、沖縄県宮古島・石垣島の120ミリ、関東・東海地区は80~120ミリの範
囲になっています。
気象庁が公表している2004年以降の発表日実績によると、2004年29日、2005年27日、
2006年27日、2007年30日、2008年(8月28日まで)24日となっています。2008年の
24日は8月28日までの実績日数なので、前年までより若干多いように思われます。
月別にみると、例外的に1月、3月、12月がありますが、殆どは6月~11月にわた
っていますが、その中でも発表日数の45%~75%は7月、8月の2ケ月に集中してい
ます。
3.日本における異常気象現象の長期変化傾向
気象庁は、世界気象機関(WMO)などと協力しつつ、気候変動に関する観測・監視
を推進していますが、その成果を「気候変動監視レポート」として公表しています。
同レポート2007年版では、異常降雨、異常高温に関して次のように報告しています。
(1)極端な大雨などの長期変化傾向
●1980年代以降、異常多雨・異常少雨の年間出現数は、ともに増加する傾向が見
られる。
●日降水量100ミリ以上の日数は、最近30年間(1978~2007年)は20世紀初頭
(1901~1930年)の30年間を比較すると約1.2倍、日降水量200ミリ以上の日数
は約1.5倍増加となっている。
●日降水量400ミリ以上の年間発生回数は最近の10年間(1998~2007年)は
11.3回となっているが、1997年以前の10年間は5.5回である。
(2)極端な気温の長期変化傾向
●異常高温の出現数の増加は、1980年代以降顕著となり、20世紀初頭の30年
間に比べて、最近の30年間は約6倍に増えた。一方、異常低温は約3割にまで
減少した。
●真夏日(日最高気温30℃以上)の日数は、1931年以降近年は最も多い時期と
なっている。一方猛暑日(日最高気温35℃以上)の日数は、最初の30年間
(1931~1960年の30年間)と比較すると、最近の30年間(1978~2007年)は
約1.6倍多い。猛暑日の日数は1980年代後半以降増加しており、特に1990年代
半ば以降は1地点当たり2日を超える都市が多くなっている。
●冬日(日最低気温0℃未満)の日数は、最近の30年間は最初の30年間と比べて
約13%少なくなっている。一方、熱帯夜は最近の30年間は最初の30年間と比べ
て約1.6倍の出現頻度となっている。
以上より、長期的には日本は異常降雨、異常高温の発生頻度が増加傾向にあり、
異常気象の発生確率が高い傾向にあるといえます。これらの長期変化には地球
温暖化の影響が現れている可能性が高いと考えられています。
3.異常気象と地球温暖化
個々の異常高温や異常多雨などの異常気象の発生には、エルニーニョ/ラニーニャ
現象など年々の自然変動が与える影響が非常に大きく、地球温暖化が異常気象を
直接引き起こすわけではありません。しかしながら、地球温暖化は異常現象の現
れ方に長期的な変化をもたらすと考えられています。昨年発表されたIPCC第4次報
告書では
(a)20世紀後半において世界のほとんどの地域で熱波や大雨が増えている可能性が
高く、地球温暖化が寄与している可能性が高い。
(b)今後、地球温暖化が進行した場合、
・極端な高温、熱波、大雨の頻度が増加する可能性が非常に高い
・熱帯サイクロンの強度の増大の可能性が高い
・高緯度地域では降水量が増加する可能性が非常に高い
・干ばつの影響を受ける地域の増加の可能性が高い
と報告されています。
地球温暖化防止に関して、京都議定書に続く2013年以降の温室効果ガス削減策を
話し合う国連気候変動枠組み条約締約国の作業部会がガーナで開催され8月27日に
閉会しました。引き続き本年12月にポーランドで締約国会議(COP14)が開かれる
ことになっています。昨年インドネシア・バリ島で開催された締約国会議(COP13)
で合意された“2009年までにポスト京都議定書の枠組みを作成する”に向けた動き
に注目していきたいと思います。
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★エコ検定対策セミナー公開コース開催予定
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10月から第5回の試験に向けて対策セミナー(1日)と演習問題を中心とした直前対策
セミナー(半日)を実施します。
申込受付は9月中旬以降を予定しています。詳細はまたHPでご案内しますので少々
お待ちください。
・対策セミナー(1日):10月25日(土)、11月21日(金)、12月7日(日)
・直前対策セミナー(半日):12月13日(土)
なおエコ検定対策通信教育は随時受付中です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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★NEW【ISO14001内部監査員レベルアップWeb講座】販売開始
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「ISO14001内部監査員レベルアップWeb講座」の受付を開始しました。
日建学院との共同開発です。詳細は下記ををご参照ください。
http://www.pdca.co.jp/info/14001_naibu_elearning/index.html
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都中央区新川1-22-12ニッテイビル4F
TEL 03-5541-6281 FAX 03-5541-1166
http://www.pdca.co.jp/
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市の事故では上流付近で1時間36~38ミリ、東京都の事故では1時間66ミリの集中
豪雨があり、いずれも急に降りだした局地的な大雨が関係していると見られてい
ます。
そのほか、7月27日福井県敦賀市では突風でイベント用のテントが飛ばされ一人
死亡、7月29日東京国立競技場が豪雨に見舞われ、サッカーの五輪壮行試合が打
ち切られました。また、8月28日には関東・東海地方に大雨が降り気象庁は
「記録的短時間大雨情報」を各地に発表しました。このように今年の夏は局地的
な集中豪雨などの異常気象に見舞われました。今回は異常気象について調べてみ
ました。
1.異常気象の定義
気象災害を引き起こし、社会経済に大きな影響を与える大雨や強風、干ばつや
冷夏などの現象で、人が一生の間にまれにしか経験しないような現象を異常気象
といい、気象庁では原則的に「ある場所(地域)で、30年に一回以下の頻度で発
生する現象」を異常気象と定義しています。
2.記録的短時間大雨情報
8月28日気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表しました。この情報は、数
年に一度程度しか発生しないような激しい短時間の大雨を、観測(雨量計による
観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)した時
に発表されるものです。その基準は、1時間雨量歴代1位又は2位の記録を参考に
都道府県別に定められています。その最小値は北海道根室支庁の60ミリ、最大値
は三重県、沖縄県宮古島・石垣島の120ミリ、関東・東海地区は80~120ミリの範
囲になっています。
気象庁が公表している2004年以降の発表日実績によると、2004年29日、2005年27日、
2006年27日、2007年30日、2008年(8月28日まで)24日となっています。2008年の
24日は8月28日までの実績日数なので、前年までより若干多いように思われます。
月別にみると、例外的に1月、3月、12月がありますが、殆どは6月~11月にわた
っていますが、その中でも発表日数の45%~75%は7月、8月の2ケ月に集中してい
ます。
3.日本における異常気象現象の長期変化傾向
気象庁は、世界気象機関(WMO)などと協力しつつ、気候変動に関する観測・監視
を推進していますが、その成果を「気候変動監視レポート」として公表しています。
同レポート2007年版では、異常降雨、異常高温に関して次のように報告しています。
(1)極端な大雨などの長期変化傾向
●1980年代以降、異常多雨・異常少雨の年間出現数は、ともに増加する傾向が見
られる。
●日降水量100ミリ以上の日数は、最近30年間(1978~2007年)は20世紀初頭
(1901~1930年)の30年間を比較すると約1.2倍、日降水量200ミリ以上の日数
は約1.5倍増加となっている。
●日降水量400ミリ以上の年間発生回数は最近の10年間(1998~2007年)は
11.3回となっているが、1997年以前の10年間は5.5回である。
(2)極端な気温の長期変化傾向
●異常高温の出現数の増加は、1980年代以降顕著となり、20世紀初頭の30年
間に比べて、最近の30年間は約6倍に増えた。一方、異常低温は約3割にまで
減少した。
●真夏日(日最高気温30℃以上)の日数は、1931年以降近年は最も多い時期と
なっている。一方猛暑日(日最高気温35℃以上)の日数は、最初の30年間
(1931~1960年の30年間)と比較すると、最近の30年間(1978~2007年)は
約1.6倍多い。猛暑日の日数は1980年代後半以降増加しており、特に1990年代
半ば以降は1地点当たり2日を超える都市が多くなっている。
●冬日(日最低気温0℃未満)の日数は、最近の30年間は最初の30年間と比べて
約13%少なくなっている。一方、熱帯夜は最近の30年間は最初の30年間と比べ
て約1.6倍の出現頻度となっている。
以上より、長期的には日本は異常降雨、異常高温の発生頻度が増加傾向にあり、
異常気象の発生確率が高い傾向にあるといえます。これらの長期変化には地球
温暖化の影響が現れている可能性が高いと考えられています。
3.異常気象と地球温暖化
個々の異常高温や異常多雨などの異常気象の発生には、エルニーニョ/ラニーニャ
現象など年々の自然変動が与える影響が非常に大きく、地球温暖化が異常気象を
直接引き起こすわけではありません。しかしながら、地球温暖化は異常現象の現
れ方に長期的な変化をもたらすと考えられています。昨年発表されたIPCC第4次報
告書では
(a)20世紀後半において世界のほとんどの地域で熱波や大雨が増えている可能性が
高く、地球温暖化が寄与している可能性が高い。
(b)今後、地球温暖化が進行した場合、
・極端な高温、熱波、大雨の頻度が増加する可能性が非常に高い
・熱帯サイクロンの強度の増大の可能性が高い
・高緯度地域では降水量が増加する可能性が非常に高い
・干ばつの影響を受ける地域の増加の可能性が高い
と報告されています。
地球温暖化防止に関して、京都議定書に続く2013年以降の温室効果ガス削減策を
話し合う国連気候変動枠組み条約締約国の作業部会がガーナで開催され8月27日に
閉会しました。引き続き本年12月にポーランドで締約国会議(COP14)が開かれる
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
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TEL 03-5541-6281 FAX 03-5541-1166
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