Vol.23 -国内排出量取引の試行スタート-
2008/11/06 (Thu) 16:30
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○○○ パデセアメールマガジンVol.23 ○○○
国内排出量取引の試行スタート
-参加企業の募集が開始されました-
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方、セミナー等に
参加されメルマガを希望された方に送付しています。メルマガの配信解除方法
は巻末をご覧ください。今回のテーマは「国内排出量取引の試行」です。
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排出量取引は、今年4月にも取り上げましたが、価格メカニズムを活用すること
により、経済社会全体としてより少ない費用で温室効果ガスの排出削減が行な
われる事を狙った仕組みで、地球温暖化対策のための手段として注目されてい
ます。
欧州連合(EU)では、既に2005年からEU域内での排出量取引制度が導入されて
います。この度、政府の「地球温暖化対策推進本部(本部長麻生太郎首相)」
は、温室効果ガスの国内排出量取引制度の試行内容を決定し、10月21日から
参加企業の募集を開始することを発表しました。先行している欧州連合(EU)
の方式は、企業に温室効果ガスの排出枠を割り当て、目標を達成できなかった
場合に課徴金(因みに課徴金は100ユーロ(約12,500円)/t-CO2)を課すことに
していますが、今回の日本の試行は削減目標を企業が自主的に設定、目標を
達成できなかった場合も罰金は課せず、参加も自由意思となっています。
新聞報道では、“日本版は自主性を前面に掲げ、消極的だった経済界の取組み
を最優先した”と報じています。以下に、日本版排出量取引制度の試行内容の
概要を紹介します。
1.目 的
■CO2の排出削減には、CO2に取引価格を付け市場メカニズムにより、技術
開発や削減努力を誘導する必要がある。このため「低炭素社会づくり
行動計画(平成20年7月29日閣議決定)において平成20年10月を目途に
開始することになっていた。
■国内排出量取引は、削減努力や技術開発に繋がる実効性あるルールとし、
マネーゲームが排除された健全な実需に基づいたマーケットの構築を目指す。
■試行実施の経験を活かして、排出量取引を本格導入する場合に必要と
なる条件、制度設計上の課題などを明らかにする。
■技術とモノ作りが中心の日本の産業に見合った制度のあり方を考える。
2.試行排出量取引スキーム
■参加者(企業等)が自主的に排出削減目標を設定し、その達成を目指して
排出削減を進める。
■参加者(企業等)は、自らの削減努力に加えて、目標達成のために他の
参加者の目標の超過達成分(排出枠)、国内クレジット(京都議定書目標達成
計画に基づき、所定の手続きを通じて認証されたクレジット)、京都クレジット
(京都議定書に基づいたクレジット)を活用可能とする。
3.排出削減目標の設定
(1)設定主体
事業所・個別企業・複数企業(企業グループ)とする。
(注)原則として「業界団体を構成する企業全体」での参加は認めない。
(2)対象ガス
エネルギー起源CO2とする。
(3)設定方法
■参加者が目標を自主的に設定する。
■排出総量目標又は原単位目標のいずれも選択可能とする
(4)目標設定年度
■参加者が定めた2010年度の目標を目安として、2008~2012年度のうち全部
又は一部の年度を目標年度として任意に選択し、その選択した設定年度の
各年度ごとに、排出削減目標を設定し、目標達成の確認を行なう。
4.排出枠の取引ルール
排出枠の取引を行なう目標設定参加者、取引参加者は、売り手・買い手ともに、
政府の運用するシステム上への口座の開設が必要。
5.排出量の算定・報告、検証、目標達成確認
■目標設定参加者は、目標年度終了後、排出量を算定し、政府に報告し、検証
を受ける。政府は、目標設定参加者の目標達成を確認する。
6.スケジュール
2008年10月21日:参加企業の募集開始
2009年 8月31日:前年度の排出量の報告締切
2009年11月末~12月中旬:排出枠・クレジットの償却期限、目標達成確認
以上が試行内容の概要ですが、削減義務を前提としていない、自主申告で本当に
取引を必要とするのか疑問だ、等不満や疑問の声もありますが、麻生首相は
「まずはやってみるところからスタートする。なるべく多くの企業に参加頂く
のが大事」と多くの企業の参加を強く促しています。
今回の試行を通じて日本の産業構造が脱温暖化型に変革するかどうか、政府、
産業界の今後の対応に注目しなければなりません。
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★エコ検定対策セミナー公開コース受付中
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第5回の試験に向けて【e-1】「eco検定対策セミナー」と演習問題を中心とした
試験直前の確認用に【e-2】「eco検定模擬テスト&解説セミナー」を実施します。
詳細は下記ををご参照ください。
【e-1】対策セミナー:12月7日(日)
【e-2】模擬テスト&解説セミナー:12月13日(土)
http://www.pdca.co.jp/ecoken/index.html
なお「エコ検定対策通信教育」は随時受付中です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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★<参考:エコ検定試験情報>
※次回試験日は12/21(日)です。
試験の申込期間は11/7までですので、ご注意ください。
詳細は東京商工会議所検定センターまで http://www.kentei.org/
株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町13番地 KGビル3階
TEL 03-5226-6721 FAX 03-5226-6723
e-mail : info@pdca.co.jp
http://pdca.co.jp/
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により、経済社会全体としてより少ない費用で温室効果ガスの排出削減が行な
われる事を狙った仕組みで、地球温暖化対策のための手段として注目されてい
ます。
欧州連合(EU)では、既に2005年からEU域内での排出量取引制度が導入されて
います。この度、政府の「地球温暖化対策推進本部(本部長麻生太郎首相)」
は、温室効果ガスの国内排出量取引制度の試行内容を決定し、10月21日から
参加企業の募集を開始することを発表しました。先行している欧州連合(EU)
の方式は、企業に温室効果ガスの排出枠を割り当て、目標を達成できなかった
場合に課徴金(因みに課徴金は100ユーロ(約12,500円)/t-CO2)を課すことに
していますが、今回の日本の試行は削減目標を企業が自主的に設定、目標を
達成できなかった場合も罰金は課せず、参加も自由意思となっています。
新聞報道では、“日本版は自主性を前面に掲げ、消極的だった経済界の取組み
を最優先した”と報じています。以下に、日本版排出量取引制度の試行内容の
概要を紹介します。
1.目 的
■CO2の排出削減には、CO2に取引価格を付け市場メカニズムにより、技術
開発や削減努力を誘導する必要がある。このため「低炭素社会づくり
行動計画(平成20年7月29日閣議決定)において平成20年10月を目途に
開始することになっていた。
■国内排出量取引は、削減努力や技術開発に繋がる実効性あるルールとし、
マネーゲームが排除された健全な実需に基づいたマーケットの構築を目指す。
■試行実施の経験を活かして、排出量取引を本格導入する場合に必要と
なる条件、制度設計上の課題などを明らかにする。
■技術とモノ作りが中心の日本の産業に見合った制度のあり方を考える。
2.試行排出量取引スキーム
■参加者(企業等)が自主的に排出削減目標を設定し、その達成を目指して
排出削減を進める。
■参加者(企業等)は、自らの削減努力に加えて、目標達成のために他の
参加者の目標の超過達成分(排出枠)、国内クレジット(京都議定書目標達成
計画に基づき、所定の手続きを通じて認証されたクレジット)、京都クレジット
(京都議定書に基づいたクレジット)を活用可能とする。
3.排出削減目標の設定
(1)設定主体
事業所・個別企業・複数企業(企業グループ)とする。
(注)原則として「業界団体を構成する企業全体」での参加は認めない。
(2)対象ガス
エネルギー起源CO2とする。
(3)設定方法
■参加者が目標を自主的に設定する。
■排出総量目標又は原単位目標のいずれも選択可能とする
(4)目標設定年度
■参加者が定めた2010年度の目標を目安として、2008~2012年度のうち全部
又は一部の年度を目標年度として任意に選択し、その選択した設定年度の
各年度ごとに、排出削減目標を設定し、目標達成の確認を行なう。
4.排出枠の取引ルール
排出枠の取引を行なう目標設定参加者、取引参加者は、売り手・買い手ともに、
政府の運用するシステム上への口座の開設が必要。
5.排出量の算定・報告、検証、目標達成確認
■目標設定参加者は、目標年度終了後、排出量を算定し、政府に報告し、検証
を受ける。政府は、目標設定参加者の目標達成を確認する。
6.スケジュール
2008年10月21日:参加企業の募集開始
2009年 8月31日:前年度の排出量の報告締切
2009年11月末~12月中旬:排出枠・クレジットの償却期限、目標達成確認
以上が試行内容の概要ですが、削減義務を前提としていない、自主申告で本当に
取引を必要とするのか疑問だ、等不満や疑問の声もありますが、麻生首相は
「まずはやってみるところからスタートする。なるべく多くの企業に参加頂く
のが大事」と多くの企業の参加を強く促しています。
今回の試行を通じて日本の産業構造が脱温暖化型に変革するかどうか、政府、
産業界の今後の対応に注目しなければなりません。
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第5回の試験に向けて【e-1】「eco検定対策セミナー」と演習問題を中心とした
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【e-1】対策セミナー:12月7日(日)
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※次回試験日は12/21(日)です。
試験の申込期間は11/7までですので、ご注意ください。
詳細は東京商工会議所検定センターまで http://www.kentei.org/
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