パデセアメールマガジンVol.60-小笠原諸島と平泉、世界遺産に登録
2011/07/01 (Fri) 17:00
○○○ パデセアメールマガジンVol.60 ○○○
小笠原諸島と平泉、世界遺産に登録
―小笠原諸島は自然遺産、平泉は文化遺産―
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★今回のテーマは「小笠原諸島と平泉、世界遺産に登録」です。
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6月にパリで開かれたユネスコ世界遺産委員会は、日本政府が推薦した
「小笠原諸島」と「平泉」を世界遺産に登録することを決定しました。
「小笠原諸島」は国内4件目の自然遺産、「平泉」は12件目の文化遺産となりま
した。
1.世界遺産とは
世界遺産は、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継
がれた人類共通の“たからもの”をまもることを目的に1972年のユネスコ総会で
世界遺産条約が採択され、始まりました。日本は1992年に条約を批准しました。
世界遺産には3種類があり、有形の不動産が対象となっています。
・文化遺産(顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観
など)
・自然遺産(顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、景観、絶滅の
おそれのある動植物の生息・生育地などを含む地域)
・複合遺産(文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えている遺産)
2010年8月現在、世界で登録されている世界遺産は、文化遺産704件、自然遺産
180件、複合遺産27件、合計で911件となっています。うち日本では「姫路城」、
「法隆寺地域の仏教建造物」などの文化遺産11件、「屋久島」「知床」
「白神山地」の自然遺産3件、合計14件が登録されていました。
今回の「小笠原諸島」と「平泉」の登録で、日本の世界遺産は、2007年の
「石見銀山遺跡とその文化的景観」(文化遺産)に続き4年ぶり16件目となりました。
2.世界遺産登録へのプロセス
世界遺産に登録されるためには、顕著で普遍的な価値があると認められることが
第一条件で、適切な保護管理体制がとられていることが必要です。世界遺産条約
を締結した国は、世界遺産への登録推薦の候補を記載した「暫定リスト」を
ユネスコに提出します。各締約国は、「暫定リスト」の記載物件のうち、
世界遺産一覧表に登録する準備が整ったものをユネスコ世界委員会へ推薦します。
これを受けて年1回ユネスコの世界遺産委員会が登録の可否を判断することに
なっています。
3.小笠原諸島と平泉
(1)小笠原諸島
小笠原諸島は東京湾から約1,000km前後の太平洋上に浮かぶ大小30余りの亜熱帯
気候の島々です。小笠原村はエコツーリズム推進モデル地域として知られています。
一度も大陸と陸続きになったことはなく、隔離された環境で生物が独自の進化を
遂げ希少な固有種が数多く生息していることから「東洋のガラパゴス」といわれ
ています。小笠原でしか見られない生き物が多く、カタツムリ類の9割以上、
樹木やシダ植物などの3割以上を固有種が占める点などが評価されました。
小笠原諸島は、食料用に持ち込まれて野生化したブタやヤギなどで生態系が
崩れかかりましたが、国や東京都は外来種対策に力を注ぎました。
今後も、島外から持ち込まれた外来種による生態系への影響や、今後予想される
観光客の増加に対して、管理強化を含めた継続的な対策が要請されています。
(2)平泉―仏国土(浄土)を表す建築、庭園及び考古学的遺跡群―
平泉は12世紀に東北地方で栄えた奥州藤原氏ゆかりの土地です。登録されるのは、
平安時代以降に奥州藤原氏が建立した中尊寺や浄土庭園がある毛越寺、観自在王院、
無量光院跡、金鶏山の5資産です。浄土の世界を現世に表現したもので、浄土思想と
日本固有の自然崇拝が融合している点などが評価されました。
登録決定に当り、金鶏山と他の建築・庭園との間の眺望について、障害のない状態で
維持することや、地下に埋蔵されている考古学的な情報資源の積極的な保護などが
要請されています。
4.関連情報
(1)ユネスコ無形文化遺産
世界遺産の登録対象は有形の不動産のみです。音楽や踊り、演劇など形のない
無形文化遺産を守ることを目的に、2006年から始まった無形文化遺産条約が
あります。世界では229件、日本からは「能楽」「歌舞伎」「人形浄瑠璃文楽」
など18件が登録されています。
(2)ユネスコ世界記憶遺産
後世に伝える価値のあるとされる歴史的人物の直筆文書や絵画、音楽、映画などの
記録物の保護を目的に1992年、ユネスコが世界記憶遺産を創設しました。
フランス人権宣言、ベートーベン第9交響曲の直筆楽譜、アンネの日記などが
登録されています。
今年5月、炭鉱労働者だった山本作兵衛の九州・筑豊地方の炭鉱画が、日本初の
記憶遺産に登録されました。
(3)世界農業遺産
国連食糧農業機関(FAO)は次世代へ継承すべき重要な農法や生物多様性等を
有する地域の保全を目的に世界農業遺産を創設しています。今年6月、佐渡地域と
能登地域が世界農業遺産に認定されました。佐渡地域は国の天然記念物トキとの
共生をめざす減農薬農法などの取組み、能登地域は棚田のコメ栽培、海女魚や
揚げ浜式製塩など「里山・里海」文化の継承が評価されました。
2002年から始まった制度で、先進国から認定されるのは初めてです。
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毎年好評を頂いてますが、前期は以下の2回のセミナーを実施します。
今からでもお申込は可能ですので、詳細は下記をご参照ください。
・7月 9日(土) (エコ検定対策セミナー)
⇒ http://www.pdca.co.jp/ecoken/seminar/seminar_e3.html
・7月16日(土) (模擬テスト&解説セミナー)いずれも東京開催です。
⇒ http://www.pdca.co.jp/ecoken/seminar/seminar_e4.html
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東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
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「小笠原諸島」と「平泉」を世界遺産に登録することを決定しました。
「小笠原諸島」は国内4件目の自然遺産、「平泉」は12件目の文化遺産となりま
した。
1.世界遺産とは
世界遺産は、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継
がれた人類共通の“たからもの”をまもることを目的に1972年のユネスコ総会で
世界遺産条約が採択され、始まりました。日本は1992年に条約を批准しました。
世界遺産には3種類があり、有形の不動産が対象となっています。
・文化遺産(顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観
など)
・自然遺産(顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、景観、絶滅の
おそれのある動植物の生息・生育地などを含む地域)
・複合遺産(文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えている遺産)
2010年8月現在、世界で登録されている世界遺産は、文化遺産704件、自然遺産
180件、複合遺産27件、合計で911件となっています。うち日本では「姫路城」、
「法隆寺地域の仏教建造物」などの文化遺産11件、「屋久島」「知床」
「白神山地」の自然遺産3件、合計14件が登録されていました。
今回の「小笠原諸島」と「平泉」の登録で、日本の世界遺産は、2007年の
「石見銀山遺跡とその文化的景観」(文化遺産)に続き4年ぶり16件目となりました。
2.世界遺産登録へのプロセス
世界遺産に登録されるためには、顕著で普遍的な価値があると認められることが
第一条件で、適切な保護管理体制がとられていることが必要です。世界遺産条約
を締結した国は、世界遺産への登録推薦の候補を記載した「暫定リスト」を
ユネスコに提出します。各締約国は、「暫定リスト」の記載物件のうち、
世界遺産一覧表に登録する準備が整ったものをユネスコ世界委員会へ推薦します。
これを受けて年1回ユネスコの世界遺産委員会が登録の可否を判断することに
なっています。
3.小笠原諸島と平泉
(1)小笠原諸島
小笠原諸島は東京湾から約1,000km前後の太平洋上に浮かぶ大小30余りの亜熱帯
気候の島々です。小笠原村はエコツーリズム推進モデル地域として知られています。
一度も大陸と陸続きになったことはなく、隔離された環境で生物が独自の進化を
遂げ希少な固有種が数多く生息していることから「東洋のガラパゴス」といわれ
ています。小笠原でしか見られない生き物が多く、カタツムリ類の9割以上、
樹木やシダ植物などの3割以上を固有種が占める点などが評価されました。
小笠原諸島は、食料用に持ち込まれて野生化したブタやヤギなどで生態系が
崩れかかりましたが、国や東京都は外来種対策に力を注ぎました。
今後も、島外から持ち込まれた外来種による生態系への影響や、今後予想される
観光客の増加に対して、管理強化を含めた継続的な対策が要請されています。
(2)平泉―仏国土(浄土)を表す建築、庭園及び考古学的遺跡群―
平泉は12世紀に東北地方で栄えた奥州藤原氏ゆかりの土地です。登録されるのは、
平安時代以降に奥州藤原氏が建立した中尊寺や浄土庭園がある毛越寺、観自在王院、
無量光院跡、金鶏山の5資産です。浄土の世界を現世に表現したもので、浄土思想と
日本固有の自然崇拝が融合している点などが評価されました。
登録決定に当り、金鶏山と他の建築・庭園との間の眺望について、障害のない状態で
維持することや、地下に埋蔵されている考古学的な情報資源の積極的な保護などが
要請されています。
4.関連情報
(1)ユネスコ無形文化遺産
世界遺産の登録対象は有形の不動産のみです。音楽や踊り、演劇など形のない
無形文化遺産を守ることを目的に、2006年から始まった無形文化遺産条約が
あります。世界では229件、日本からは「能楽」「歌舞伎」「人形浄瑠璃文楽」
など18件が登録されています。
(2)ユネスコ世界記憶遺産
後世に伝える価値のあるとされる歴史的人物の直筆文書や絵画、音楽、映画などの
記録物の保護を目的に1992年、ユネスコが世界記憶遺産を創設しました。
フランス人権宣言、ベートーベン第9交響曲の直筆楽譜、アンネの日記などが
登録されています。
今年5月、炭鉱労働者だった山本作兵衛の九州・筑豊地方の炭鉱画が、日本初の
記憶遺産に登録されました。
(3)世界農業遺産
国連食糧農業機関(FAO)は次世代へ継承すべき重要な農法や生物多様性等を
有する地域の保全を目的に世界農業遺産を創設しています。今年6月、佐渡地域と
能登地域が世界農業遺産に認定されました。佐渡地域は国の天然記念物トキとの
共生をめざす減農薬農法などの取組み、能登地域は棚田のコメ栽培、海女魚や
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2002年から始まった制度で、先進国から認定されるのは初めてです。
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