パデセアメールマガジンVol.64-オゾン層保護について-
2011/10/06 (Thu) 12:30
○○○ パデセアメールマガジンVol.64 ○○○
成層圏のオゾン量は現在も減少した状態が続いている
-9月は「オゾン層保護対策推進月間」でした-
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成層圏のオゾン全量は現在も減少した状態が続いています。9月はオゾン層保護
対策推進月間でした。今回はオゾン層保護に関する話題を紹介します。
折りしも、オゾン層の観測が目的だった米国NASAの大気観測衛星「UARS」が
運用を終えて9月24日に大気圏に突入し消滅したというニュースが流れました。
1.「オゾン層保護対策推進月間」
1987年9月に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が
採択されたことにちなんで、日本では、毎年9月1日~30日の1ヶ月間を「オゾン
層保護対策推進月間」として、国や地方公共団体等において、オゾン層保護・
フロン等対策に関する啓発活動を行っています。本年も環境省や地方公共団体
によるポスター「オゾン層保護対策推進月間」やパンフレット「オゾン層を守ろ
う2011」の配布、ホームページを通じた広報などが行われました。
なお、国連環境計画(UNEP)では、1995年からモントリオール議定書が採択され
た9月16日を「国際オゾン層保護デー」と定めています。
2.オゾン層の状況
オゾン(O3)は、酸素原子3個からなる気体です。地表から約10~50kmまでの
上空(成層圏)には、大気中のオゾンの90%が集まっているオゾン層があります。
このオゾン層は、地上に届いた場合に人間や動植物に悪影響を及ぼす紫外線の
大部分を吸収し、地球上の生物を守るバリアとなっています。オゾン層では、
オゾンは常に分解や生成を繰り返し、一定のバランスを保っています。しかし、
フロンなどの化学物質の影響でこのバランスが崩れ始めました。紫外線により
フロンが分解し、発生した塩素原子が触媒になってオゾンを分解してしまうのです。
成層圏のオゾン全量は、1980年代から1990年代前半にかけて地球規模で大きく
減少しました。1990年代後半以降はほとんど変化が無いか、わずかな増加が
見られますが、オゾンの量は現在も減少した状態が続いています。2010年の
地球全体のオゾンの量は、1979年に比べると平均2.1%減少しています。
3.南極域上空のオゾンホール
南極域上空ではオゾンの減少が激しく、特に毎年8~12月頃には、オゾンの濃度
が極端に減ってしまいます。人工衛星で撮ったオゾン濃度の解析図では、南極上空の
オゾン層に穴があいたように見えるので、「オゾンホール」と呼ばれています。
南極オゾンホールは、毎年大規模に形成されています。年々変動が大きいため、
現時点では縮小の兆しがあるとは判断できない状態です。2010年のオゾンホールは、
9月26日に最大面積2,190万km2に達しました。これは南極大陸の面積(約1,400万km2)
より大きいもので、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にあります。
また、気象条件の違いから、南極のような大規模なオゾンホールはできないと
考えられていた北極にも、今春、南極のオゾンホールに匹敵する深刻なオゾン層の
破壊が起きたことが、日米など9カ国の国際研究チームの調査でわかったことが
10月3日の新聞に報道されました。観測史上で初めてということです。
4.フロンは強力な温室効果ガス
フロンは、エアコン、カーエアコン、冷蔵庫、自動販売機、飲食品冷蔵・冷凍
ショーケースなどの冷媒(熱を運ぶ物質)、断熱材などの発泡剤、半導体や精密
部品の洗浄剤など、幅広い用途に活用されてきました。
フロンの一種である特定フロン(CFC)がオゾン層を破壊することがわかり、
国際的に生産が規制されるようになり、代替フロンとよばれる物質(HCFC、HFC)
が開発されました。CFCの代替物質であるHCFCもCFCほどではないもののオゾン層を
破壊することから、生産規制が進められています。
一方、CFC、HCFC、HFCといったフロンは、二酸化炭素の数百倍~一万倍超にも及ぶ
温室効果を持っています。なかでも代替フロンのHFCは、温室効果が大きく地球温
暖化への影響が大きいことから、「京都議定書」において排出削減の対象となって
います。
最近では、フロンに代わり、オゾン層も破壊せず地球温暖化にも影響が小さい
物質として、用途に応じてアンモニア、二酸化炭素、炭化水素などのノンフロンと
呼ばれる物質が冷媒等として、また半導体などの洗浄用には純水が使用されるように
なりました。
5.オゾン層保護の取組み
オゾン層破壊の問題が顕在化してから、国際的な取組として初めて合意されたのが、
1985年の「オゾン層の保護のためのウィーン条約」です。1987年には、この条約に
基づきオゾン層破壊物質の具体的な生産規制を定めた「オゾン層を破壊する物質に
関するモントリオール議定書」が採択されました。現在この議定書によりオゾン層
破壊物質の生産規制が進められています。
日本では、上記の国際規制を受けて「オゾン層保護法」を制定し、オゾン層破壊
物質の生産・や輸出入の規制を行っています。さらには、「フロン回収破壊法」
「家電リサイクル法」「自動車リサイクル法」によって、家庭や業務用の冷凍・冷蔵庫、
エアコン、カーエアコンなどに使用しているフロン類(CFC,HCFC,HFC)の回収・破壊を
進めています。
6.参考:フロンの種類。
(1)CFC(クロロフルオロカーボン):特定フロン。炭素にフッ素・塩素が結合した物質。
モントリオール議定書の規制対象物質。先進国では1995年末、開発途上国では2009年末
に生産・消費は全廃
(2)HCHC(ハイドロクロロフルオロカーボン):代替フロンの一種。炭素にフッ素・塩素・水素が
結合した物質。モントリオール議定書の規制対象物質。先進国では2020年までに、開発途上国
では2030年までに生産・消費は全廃の予定
(3)HFC(ハイドロフルオロカーボン):代替フロンの一種。CFCやHCFCの代替物質として使用が
増えている。炭素にフッ素・水素が結合した物質(塩素を含まない)。
オゾン層破壊効果はないが強力な温室効果ガスであり、京都議定書では排出削減の対象。
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★第11回環境社会検定試験の申込受付が始まりました
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・第11回試験日: 12月18日(日) 申込期間: 10/4~11/4(個人申込)
詳細は東京商工会議所HPをご覧ください。http://www.kentei.org/eco/index.html
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★eco検定対策セミナー公開コース開催予定
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毎年好評を頂いてますが、後期は以下の2回のセミナーを実施します。
詳細はまたHPでご案内しますので少々お待ちください。
・12月 3日(土) (eco検定対策セミナー)
・12月10日(土) (eco検定模擬テスト&解説セミナー)いずれも東京開催です。
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次回eco検定試験に対応する「eco検定通信教育」の受付中です。対策セミナーには、
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⇒ http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
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対策推進月間でした。今回はオゾン層保護に関する話題を紹介します。
折りしも、オゾン層の観測が目的だった米国NASAの大気観測衛星「UARS」が
運用を終えて9月24日に大気圏に突入し消滅したというニュースが流れました。
1.「オゾン層保護対策推進月間」
1987年9月に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が
採択されたことにちなんで、日本では、毎年9月1日~30日の1ヶ月間を「オゾン
層保護対策推進月間」として、国や地方公共団体等において、オゾン層保護・
フロン等対策に関する啓発活動を行っています。本年も環境省や地方公共団体
によるポスター「オゾン層保護対策推進月間」やパンフレット「オゾン層を守ろ
う2011」の配布、ホームページを通じた広報などが行われました。
なお、国連環境計画(UNEP)では、1995年からモントリオール議定書が採択され
た9月16日を「国際オゾン層保護デー」と定めています。
2.オゾン層の状況
オゾン(O3)は、酸素原子3個からなる気体です。地表から約10~50kmまでの
上空(成層圏)には、大気中のオゾンの90%が集まっているオゾン層があります。
このオゾン層は、地上に届いた場合に人間や動植物に悪影響を及ぼす紫外線の
大部分を吸収し、地球上の生物を守るバリアとなっています。オゾン層では、
オゾンは常に分解や生成を繰り返し、一定のバランスを保っています。しかし、
フロンなどの化学物質の影響でこのバランスが崩れ始めました。紫外線により
フロンが分解し、発生した塩素原子が触媒になってオゾンを分解してしまうのです。
成層圏のオゾン全量は、1980年代から1990年代前半にかけて地球規模で大きく
減少しました。1990年代後半以降はほとんど変化が無いか、わずかな増加が
見られますが、オゾンの量は現在も減少した状態が続いています。2010年の
地球全体のオゾンの量は、1979年に比べると平均2.1%減少しています。
3.南極域上空のオゾンホール
南極域上空ではオゾンの減少が激しく、特に毎年8~12月頃には、オゾンの濃度
が極端に減ってしまいます。人工衛星で撮ったオゾン濃度の解析図では、南極上空の
オゾン層に穴があいたように見えるので、「オゾンホール」と呼ばれています。
南極オゾンホールは、毎年大規模に形成されています。年々変動が大きいため、
現時点では縮小の兆しがあるとは判断できない状態です。2010年のオゾンホールは、
9月26日に最大面積2,190万km2に達しました。これは南極大陸の面積(約1,400万km2)
より大きいもので、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にあります。
また、気象条件の違いから、南極のような大規模なオゾンホールはできないと
考えられていた北極にも、今春、南極のオゾンホールに匹敵する深刻なオゾン層の
破壊が起きたことが、日米など9カ国の国際研究チームの調査でわかったことが
10月3日の新聞に報道されました。観測史上で初めてということです。
4.フロンは強力な温室効果ガス
フロンは、エアコン、カーエアコン、冷蔵庫、自動販売機、飲食品冷蔵・冷凍
ショーケースなどの冷媒(熱を運ぶ物質)、断熱材などの発泡剤、半導体や精密
部品の洗浄剤など、幅広い用途に活用されてきました。
フロンの一種である特定フロン(CFC)がオゾン層を破壊することがわかり、
国際的に生産が規制されるようになり、代替フロンとよばれる物質(HCFC、HFC)
が開発されました。CFCの代替物質であるHCFCもCFCほどではないもののオゾン層を
破壊することから、生産規制が進められています。
一方、CFC、HCFC、HFCといったフロンは、二酸化炭素の数百倍~一万倍超にも及ぶ
温室効果を持っています。なかでも代替フロンのHFCは、温室効果が大きく地球温
暖化への影響が大きいことから、「京都議定書」において排出削減の対象となって
います。
最近では、フロンに代わり、オゾン層も破壊せず地球温暖化にも影響が小さい
物質として、用途に応じてアンモニア、二酸化炭素、炭化水素などのノンフロンと
呼ばれる物質が冷媒等として、また半導体などの洗浄用には純水が使用されるように
なりました。
5.オゾン層保護の取組み
オゾン層破壊の問題が顕在化してから、国際的な取組として初めて合意されたのが、
1985年の「オゾン層の保護のためのウィーン条約」です。1987年には、この条約に
基づきオゾン層破壊物質の具体的な生産規制を定めた「オゾン層を破壊する物質に
関するモントリオール議定書」が採択されました。現在この議定書によりオゾン層
破壊物質の生産規制が進められています。
日本では、上記の国際規制を受けて「オゾン層保護法」を制定し、オゾン層破壊
物質の生産・や輸出入の規制を行っています。さらには、「フロン回収破壊法」
「家電リサイクル法」「自動車リサイクル法」によって、家庭や業務用の冷凍・冷蔵庫、
エアコン、カーエアコンなどに使用しているフロン類(CFC,HCFC,HFC)の回収・破壊を
進めています。
6.参考:フロンの種類。
(1)CFC(クロロフルオロカーボン):特定フロン。炭素にフッ素・塩素が結合した物質。
モントリオール議定書の規制対象物質。先進国では1995年末、開発途上国では2009年末
に生産・消費は全廃
(2)HCHC(ハイドロクロロフルオロカーボン):代替フロンの一種。炭素にフッ素・塩素・水素が
結合した物質。モントリオール議定書の規制対象物質。先進国では2020年までに、開発途上国
では2030年までに生産・消費は全廃の予定
(3)HFC(ハイドロフルオロカーボン):代替フロンの一種。CFCやHCFCの代替物質として使用が
増えている。炭素にフッ素・水素が結合した物質(塩素を含まない)。
オゾン層破壊効果はないが強力な温室効果ガスであり、京都議定書では排出削減の対象。
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・第11回試験日: 12月18日(日) 申込期間: 10/4~11/4(個人申込)
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