パデセアメールマガジンVol.68-「気候変動枠組み条約締約国第17回会議(COP17)-
2012/01/11 (Wed) 10:00
○○○ パデセアメールマガジンVol.68 ○○○
京都議定書延長、日本は不参加
すべての主要排出国が参加する新枠組みを2020年に発効
―気候変動枠組み条約締約国第17回会議(COP17)―
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★今回のテーマは「気候変動枠組み条約締約国第17回会議(COP17)」です。
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2013年以降の温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議
(COP17)及び関連会合が2011年11月~12月に南アフリカ共和国・ダーバンで開催
されました。
COP17は、2012年末で期限切れとなる京都議定書を延長したほか、アメリカや
中国など温室効果ガスの主要排出国すべてが参加する新しい枠組みを2020年に
発効させるとした合意文書(ダーバン合意)を採択しました。
温室効果ガスを世界全体で削減する体制の道筋がようやく付いた形ですが、
新聞報道によると交渉は二転三転し最後まで予断を許さなかったようです。
また、日本は議定書の延長には参加せず、新枠組みまで自主的な対策を実施する
ことになります。
1.これまでの経緯
2007年に開催された気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13 )において
「バリ・ロードマップ」が採択され、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みは、
2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開催されるCOP15を交渉期限とすること
を定めました。しかし、2009年12月のCOP15ではポスト京都議定書の新しい枠組み
の合意は実現できず、2010年以降に先送りされました。翌年2010年12月のメキシコ・
カンクンで開催されたCOP16では、“すべての国を対象とした削減枠組みに関して
協議を継続する、京都議定書の第1約束期間(08年~12年)と13年以降の第二約束
期間に空白期間を作らないよう、出来る限り早く結論を出すこと”等とした
「カンクン合意」が採択され、2011年のCOP17を迎えました。
2.気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の概要
●全体の概要
2011年11月28日から12月11日まで南アフリカ共和国ダーバンにおいて、COP17
及び関連の会合が行われました。9日に閉幕する予定でしたが、各国の主張が
対立し会期は1日半延長され、最終的には一連の決定が採択されました。
今回会合の焦点は、先進国のみに排出削減を義務付けた京都議定書の延長と、
議定書に続く新枠組みづくりの2点でした。交渉では、“欧州連合(EU)や温暖化
被害に直面する途上国と、温暖化対策による経済影響を懸念する中国やアメリカ
などが対立。日本は議定書の実効性が疑問として延長に反対し、2020年以前に
新枠組みをつくるよう訴えた”と報道されています。
●日本政府の対応
日本政府は、京都議定書に基づいて削減義務の国の排出量は世界の4分の一
しか占めない、すべての主要排出国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みを
構築することが必要であり、その実現のための作業着手を目指し交渉に臨みました。
一方、途上国が求めていた京都議定書の第二約束期間には参加しないとの立場を
取りました。
●COP17の成果
世界1,2位の温室効果ガス排出国の中国やアメリカを含めたすべての国が参加し、
2020年に新たな法的枠組みを発効させることに合意できたことは、COP17の最大の
成果です。
○将来の枠組みへの道筋
・アメリカや中国を含む新たな枠組みを構築するため、「ダーバン・プラット特別
作業部会」を立ち上げ、遅くとも2015年中に作業を終える。
・法的効力を有する合意成果を2020年から発効させ、実施に移す。
・特別作業部会は、2012前半に作業計画を作成する。
○京都議定書第二約束期間に向けた合意
・第二約束期間の設定に向けた合意が採択され、2013年以降も京都議定書を継続する。
・延長期間は2017年末又は2020年末とする。
・延長期間や第二約束期間に参加する先進国の削減目標の設定は、2012年に開催する
COP18で行う。
・日本、カナダ、ロシアは第二約束期間に参加しないことを明らかにした文書を採択。
(参考:この結果、京都議定書参加国の排出量は、世界全体の約15%程度にとどまる。)
○緑の気候基金の設立
途上国の温暖化防止対策支援のための「緑の気候基金」を設立し運用する。
3.今後の日本の立場
日本は京都議定書の第二約束期間に参加しませんが、京都議定書から離脱するわけ
ではなく、批准国であり続けます。日本は2013年以降、ダーバン枠組みが発効する
までの間温室効果ガスの削減義務はなくなりますが、日本は、すべての主要排出国が
参加する枠組みの構築を前提に、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%
削減すると国際的に公約しています。この排出削減目標は、福島第一原子力発電所事故を
受けて今後白紙から見直しの予定である日本のエネルギー政策に左右される側面は
否めませんが、当面は25%削減目標に基づき、自主的削減努力を続けることになります。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
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京都議定書延長、日本は不参加
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(COP17)及び関連会合が2011年11月~12月に南アフリカ共和国・ダーバンで開催
されました。
COP17は、2012年末で期限切れとなる京都議定書を延長したほか、アメリカや
中国など温室効果ガスの主要排出国すべてが参加する新しい枠組みを2020年に
発効させるとした合意文書(ダーバン合意)を採択しました。
温室効果ガスを世界全体で削減する体制の道筋がようやく付いた形ですが、
新聞報道によると交渉は二転三転し最後まで予断を許さなかったようです。
また、日本は議定書の延長には参加せず、新枠組みまで自主的な対策を実施する
ことになります。
1.これまでの経緯
2007年に開催された気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13 )において
「バリ・ロードマップ」が採択され、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みは、
2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開催されるCOP15を交渉期限とすること
を定めました。しかし、2009年12月のCOP15ではポスト京都議定書の新しい枠組み
の合意は実現できず、2010年以降に先送りされました。翌年2010年12月のメキシコ・
カンクンで開催されたCOP16では、“すべての国を対象とした削減枠組みに関して
協議を継続する、京都議定書の第1約束期間(08年~12年)と13年以降の第二約束
期間に空白期間を作らないよう、出来る限り早く結論を出すこと”等とした
「カンクン合意」が採択され、2011年のCOP17を迎えました。
2.気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の概要
●全体の概要
2011年11月28日から12月11日まで南アフリカ共和国ダーバンにおいて、COP17
及び関連の会合が行われました。9日に閉幕する予定でしたが、各国の主張が
対立し会期は1日半延長され、最終的には一連の決定が採択されました。
今回会合の焦点は、先進国のみに排出削減を義務付けた京都議定書の延長と、
議定書に続く新枠組みづくりの2点でした。交渉では、“欧州連合(EU)や温暖化
被害に直面する途上国と、温暖化対策による経済影響を懸念する中国やアメリカ
などが対立。日本は議定書の実効性が疑問として延長に反対し、2020年以前に
新枠組みをつくるよう訴えた”と報道されています。
●日本政府の対応
日本政府は、京都議定書に基づいて削減義務の国の排出量は世界の4分の一
しか占めない、すべての主要排出国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みを
構築することが必要であり、その実現のための作業着手を目指し交渉に臨みました。
一方、途上国が求めていた京都議定書の第二約束期間には参加しないとの立場を
取りました。
●COP17の成果
世界1,2位の温室効果ガス排出国の中国やアメリカを含めたすべての国が参加し、
2020年に新たな法的枠組みを発効させることに合意できたことは、COP17の最大の
成果です。
○将来の枠組みへの道筋
・アメリカや中国を含む新たな枠組みを構築するため、「ダーバン・プラット特別
作業部会」を立ち上げ、遅くとも2015年中に作業を終える。
・法的効力を有する合意成果を2020年から発効させ、実施に移す。
・特別作業部会は、2012前半に作業計画を作成する。
○京都議定書第二約束期間に向けた合意
・第二約束期間の設定に向けた合意が採択され、2013年以降も京都議定書を継続する。
・延長期間は2017年末又は2020年末とする。
・延長期間や第二約束期間に参加する先進国の削減目標の設定は、2012年に開催する
COP18で行う。
・日本、カナダ、ロシアは第二約束期間に参加しないことを明らかにした文書を採択。
(参考:この結果、京都議定書参加国の排出量は、世界全体の約15%程度にとどまる。)
○緑の気候基金の設立
途上国の温暖化防止対策支援のための「緑の気候基金」を設立し運用する。
3.今後の日本の立場
日本は京都議定書の第二約束期間に参加しませんが、京都議定書から離脱するわけ
ではなく、批准国であり続けます。日本は2013年以降、ダーバン枠組みが発効する
までの間温室効果ガスの削減義務はなくなりますが、日本は、すべての主要排出国が
参加する枠組みの構築を前提に、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%
削減すると国際的に公約しています。この排出削減目標は、福島第一原子力発電所事故を
受けて今後白紙から見直しの予定である日本のエネルギー政策に左右される側面は
否めませんが、当面は25%削減目標に基づき、自主的削減努力を続けることになります。
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