パデセアメールマガジンVol.73-ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)
2012/06/05 (Tue) 16:30
○○○ パデセアメールマガジンVol.73 ○○○
ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)
―放射線を表す単位―
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方、
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メルマガの配信解除方法は巻末をご覧ください。
★今回のテーマは「ベクレルとシーベルト」です。
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福島第一原子力発電所の事故後「ベクレル(Bq)」「シーベルト(Sv)」
など放射線の単位を表す用語が頻繁に新聞、テレビなどで目にする
ようになりました。
1.「ベクレル(Bq)」と「シーベルト(Sv)」
放射線の単位には、放射線を出す方に注目した単位と、放射線を
受けた方に注目した単位の2つに大きく分けられます。代表的な
単位である「ベクレル(Bq)」は出す方に、「シーベルト(Sv)」は
受ける方に注目した単位です。
「ベクレル(Bq)」は、放射線を出す能力(放射能)を表す単位です。
放射線は放射性物質が壊れることによって放出されますが、
「ベクレル(Bq)」は、1秒間に放射性物質が壊れる(崩壊)数を表し
ます。例えば、1秒間に1回、原子核が壊れる放射性物質ならば、
「1ベクレルの放射能がある」ということになります。ベクレルは、
放射線を発見した仏の物理学者アンリ・ベクレル(1852~1908年)から
とった名前です。
「シーベルト(Sv)」は、人体への影響の度合いを表す単位で、
放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を受ける身体の部位など
を考慮した数値です。放射線防護の研究で功績のあったスウェーデン
の物理学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルト(1896~1966年)に
ちなんだ名前です。
放射性物質にはさまざまな種類があり、放射性物質によって、放出
される放射線の種類やエネルギーの大きさが異なるため、単に放射
性物質の放射能量(ベクレル(Bq))が多いからといって、それだけ
で人体に与える影響が大きくなるとは限りません。放射性物質によ
る人体への影響は、放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を
受ける身体の部位なども考慮した数値(シーベルト(Sv))で表され
ます。放射線を受けることを「被ばく」といい、受けた放射線の量を
「線量」或いは「被ばく線量」といいます。「シーベルト(Sv)」は、
この「被ばく線量」の単位ということになります。
2.放射性物質、放射能と放射線
放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を出す能力を「放射能」
といいます。放射線、放射能を光にたとえると、放射線は光で、放射
能は光を出す能力といえます。
放射性物質には放射性ヨウ素や放射性セシウムなどさまざまな種類
があります。放射性物質がもつ放射能は時間が経つにつれて弱まり、
一定の期間が経つと半減する性質があります。
3.日常生活で受ける放射線
私たちは、日常生活の中で自然界からの「自然放射線」を絶えず
受けながら暮らしています。自然放射線には、宇宙、大地などの外部
から受ける放射線と食物摂取や空気中のラドンなどの吸入によって
体内(内部)から受ける放射線があります。その影響は、世界で平均する
と年間約2.4ミリシーベルトと推定されています。また、自然放射線の
影響は地域によって異なり、日本全体の平均は0.99ミリシーベルトです
が、一番高いのは岐阜県の1.19ミリシーベルト、一番低いのは神奈川県
の0.81シーベルトです。更に、医療診断に使われるレントゲン撮影や
CTスキャンによるX線などの「人工放射線」も受けており、例えば胸の
レントゲン撮影では、1回あたり0.05ミリシーベルトです。
国際放射線防護委員会(ICRP)(*)は、放射線による身体的障害を起こす
可能性のある被ばくを防ぐには、自然放射線量を除いた平常時の被ばく
限度は、年間1ミリシーベルト(mSv)以下と勧告しています。
(*)放射線から人や環境を守る仕組みを、専門家の立場で勧告する
民間の国際学術組織
4.食品中の放射性物質
食品による内部被ばくを防ぐため、厚生労働省は、福島第一原子力
発電所の事故後の平成23年3月から食品中の放射性物質の暫定規制値
を設定し、暫定基準値を超える食品が市場に流通しないよう出荷制限
の措置をとってきましたが、事故後の緊急的な対応としてではなく、
長期的な観点から新たな基準値を設定し4月1日から施行されました。
新たな基準値は、放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限を、
年間5ミリシーベルトから国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する1ミリ
シーベルトに引き下げ、これをもとに食品の放射能量として放射性
セシウムの新基準値が設定されました。新基準値(単位:ベクレル/kg)
は、一般食品:100、乳児用食品:50、牛乳50、飲料水:10となって
います。放射線への感受性が高い可能性があるとされている子どもへの
配慮から、乳児用食品と牛乳は一般食品の半分の50としています。
なお、食品中の放射性物質は都道府県等が調査し、検査結果をとり
まとめ厚生労働省HPや農林水産省HPで公表しています。風評被害を防ぐ
ため、よりきびしい自主基準を設定している地域、流通、メーカーが
あります。消費者の科学的根拠に基づいた冷静な判断が求められます。
<参考>厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/leaflet_120329_d.pdf
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★書籍「eco検定ポイント集中レッスン」「ポケット問題集」発売されました
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2012年以降の試験に対応するeco検定公式テキスト(改訂3版)に対応した
弊社執筆の参考書「eco検定ポイント集中レッスン」、問題集「ポケット問題集」
が4月27日に発売されました。
・「eco検定ポイント集中レッスン」
http://www.pdca.co.jp/ecoken/mondai.html
・ポケット問題集
http://www.pdca.co.jp/ecoken/pocket.html
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☆通信教育「eco検定通信教育」受付中です
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2012年度のeco検定試験に対応する「eco検定通信教育」です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
──────────────────────────────────
☆eラーニング「eco検定bb講座」受付中です
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2012年度のeco検定試験に対応する「eco検定bb講座」(日建学院共同開催)
のものです。
http://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/eco/
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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放射線の単位には、放射線を出す方に注目した単位と、放射線を
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受ける方に注目した単位です。
「ベクレル(Bq)」は、放射線を出す能力(放射能)を表す単位です。
放射線は放射性物質が壊れることによって放出されますが、
「ベクレル(Bq)」は、1秒間に放射性物質が壊れる(崩壊)数を表し
ます。例えば、1秒間に1回、原子核が壊れる放射性物質ならば、
「1ベクレルの放射能がある」ということになります。ベクレルは、
放射線を発見した仏の物理学者アンリ・ベクレル(1852~1908年)から
とった名前です。
「シーベルト(Sv)」は、人体への影響の度合いを表す単位で、
放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を受ける身体の部位など
を考慮した数値です。放射線防護の研究で功績のあったスウェーデン
の物理学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルト(1896~1966年)に
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放射性物質にはさまざまな種類があり、放射性物質によって、放出
される放射線の種類やエネルギーの大きさが異なるため、単に放射
性物質の放射能量(ベクレル(Bq))が多いからといって、それだけ
で人体に与える影響が大きくなるとは限りません。放射性物質によ
る人体への影響は、放射線の種類やエネルギーの大きさ、放射線を
受ける身体の部位なども考慮した数値(シーベルト(Sv))で表され
ます。放射線を受けることを「被ばく」といい、受けた放射線の量を
「線量」或いは「被ばく線量」といいます。「シーベルト(Sv)」は、
この「被ばく線量」の単位ということになります。
2.放射性物質、放射能と放射線
放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を出す能力を「放射能」
といいます。放射線、放射能を光にたとえると、放射線は光で、放射
能は光を出す能力といえます。
放射性物質には放射性ヨウ素や放射性セシウムなどさまざまな種類
があります。放射性物質がもつ放射能は時間が経つにつれて弱まり、
一定の期間が経つと半減する性質があります。
3.日常生活で受ける放射線
私たちは、日常生活の中で自然界からの「自然放射線」を絶えず
受けながら暮らしています。自然放射線には、宇宙、大地などの外部
から受ける放射線と食物摂取や空気中のラドンなどの吸入によって
体内(内部)から受ける放射線があります。その影響は、世界で平均する
と年間約2.4ミリシーベルトと推定されています。また、自然放射線の
影響は地域によって異なり、日本全体の平均は0.99ミリシーベルトです
が、一番高いのは岐阜県の1.19ミリシーベルト、一番低いのは神奈川県
の0.81シーベルトです。更に、医療診断に使われるレントゲン撮影や
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限度は、年間1ミリシーベルト(mSv)以下と勧告しています。
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4.食品中の放射性物質
食品による内部被ばくを防ぐため、厚生労働省は、福島第一原子力
発電所の事故後の平成23年3月から食品中の放射性物質の暫定規制値
を設定し、暫定基準値を超える食品が市場に流通しないよう出荷制限
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長期的な観点から新たな基準値を設定し4月1日から施行されました。
新たな基準値は、放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限を、
年間5ミリシーベルトから国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する1ミリ
シーベルトに引き下げ、これをもとに食品の放射能量として放射性
セシウムの新基準値が設定されました。新基準値(単位:ベクレル/kg)
は、一般食品:100、乳児用食品:50、牛乳50、飲料水:10となって
います。放射線への感受性が高い可能性があるとされている子どもへの
配慮から、乳児用食品と牛乳は一般食品の半分の50としています。
なお、食品中の放射性物質は都道府県等が調査し、検査結果をとり
まとめ厚生労働省HPや農林水産省HPで公表しています。風評被害を防ぐ
ため、よりきびしい自主基準を設定している地域、流通、メーカーが
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<参考>厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/leaflet_120329_d.pdf
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弊社執筆の参考書「eco検定ポイント集中レッスン」、問題集「ポケット問題集」
が4月27日に発売されました。
・「eco検定ポイント集中レッスン」
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2012年度のeco検定試験に対応する「eco検定bb講座」(日建学院共同開催)
のものです。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
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