パデセアメールマガジンVol.80-「エネルギー白書2012」の公表-
2012/12/04 (Tue) 13:30
○○○ パデセアメールマガジンVol.80 ○○○
「エネルギー白書2012」の公表
―エネルギー政策の見直し、エネルギー動向―
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★今回のテーマは「エネルギー白書2012」です。
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「エネルギー白書2012」が、11月16日国会に報告されました。
白書は、第1部東日本大震災によるエネルギーを巡る課題と対応、
第2部エネルギー動向、第3部平成23年度における施策概要の3部
構成となっており、特に第1部に全体の約30%を当てています。
今月はこの白書からトピックスを抜粋して紹介します。
1.エネルギー政策の見直し
2011年3月に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子
力発電所の事故により、原子力の安全性について国民の信頼が大きく
損なわれました。原子力発電を増設し積極的に推進するとしている
これまでのエネルギー政策を見直すため、政府内に「エネルギー・
環境会議」が設置されました。この会議では、新しいエネルギー
基本計画の策定に先立って、2030年に向け、発電量に占める原発の
割合について「0%」「15%」「20~25%」の三つのシナリオを提示し
国民的な議論(論型世論調査)を進め、「革新的エネルギー・環境
戦略」(注)の決定を行うことにしています。
(注)政府は2012年9月、「2030年代に原発稼動ゼロ」を目指す方針を
盛り込んだ新たなエネルギー政策「革新的エネルギー・環境戦略」を
まとめました。原発事故を受けて高まった「脱原発」の世論を踏まえ
原発政策を大きく転換した内容ですが、原発が立地している自治体、
経済界からの反発などにより戦略そのものの閣議決定は見送られました。
2.再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入
固定価格買取制度が2012年7月1日にスタートしました。再生可能
エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)によって
発電された電気を、国が定める一定の期間・一定の価格で購入する
ことを電気事業者に義務付ける制度です。政府の試算では、2012年
度中に設備容量ベースで合計250万kW程度(原発2基相当分)の導入拡大
が進むと見込んでいます。
この制度では、電気事業者が買い取りに要した費用は、賦課金として
電気料金に上乗せされ電気の全需要者が負担することになっています。
2012年度の賦課金の単価は1kWh当たり0.22円となっています。これに、
2009年11月から実施されている太陽光の余剰電力買取制度の負担
(全国平均で1kWh当たり0.07円)と併せて、2012年度では1kWh当たり
0.29円(全国平均)の負担となります。
3.エネルギー供給の動向
日本はエネルギー資源に乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に
頼っています。1973年度には一次エネルギー国内供給の75.5%を石油に
依存していましたが、1973年に発生した第一次石油危機を契機に石油
依存度を低減させ、代替として原子力、天然ガス、石炭等の導入を
推進しました。その結果、一次エネルギー供給に占めるエネルギー源は、
2010年度には、石油40.1%、石炭22.5%、天然ガス19.2%、原子力
11.3%と多様化しています。
4.エネルギー自給率の動向
1960年には58%であったエネルギー自給率(主に石炭や水力等国内
の天然資源による)は、石炭から石油への燃料転換が進み、石油が
大量に輸入されるにつれて大幅に低下し、2010年度のエネルギー自給率は
4.8%に過ぎません。自給率4.8%の内訳は、水力32%、バイオマス等31.2%、
地熱・太陽光等16.3%、天然ガス16.1%、石油3.5%等となっています。
5.部門別エネルギー消費の動向
2010年度のエネルギー消費全体の部門別の比率は、産業部門が44%と
最も高く、次いで民生部門(家庭部門と業務部門)の33%、運輸部門
(旅客部門と貨物部門)の23%の順となっています。第1次石油危機以降
2010年度までの伸びは、産業部門が0.9倍のところ、民生部門が2.5倍、
運輸部門が約1.9倍と大幅に増加しています。産業部門の更なる省エネルギー
対策に加え、エネルギー消費量の増加が著しい民生部門と運輸部門において
一層の省エネルギーを進める必要があります。家庭部門では、日常生活の中
で我慢ではなく、エネルギーをいかに少なくしつつ快適な生活を送るか、
持続可能な省エネルギーを進めていく必要があります。
12月16日に総選挙があり、総選挙の結果、新しい政権が誕生することが
予想されます。新しい政権が原発を含めてどのようなエネルギー政策を
取るのか、私たち国民は日本の今後を左右する大きな選択を迫られています。
<参考>資源エネルギー庁(エネルギー白書)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm
──────────────────────────────────
株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
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白書は、第1部東日本大震災によるエネルギーを巡る課題と対応、
第2部エネルギー動向、第3部平成23年度における施策概要の3部
構成となっており、特に第1部に全体の約30%を当てています。
今月はこの白書からトピックスを抜粋して紹介します。
1.エネルギー政策の見直し
2011年3月に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子
力発電所の事故により、原子力の安全性について国民の信頼が大きく
損なわれました。原子力発電を増設し積極的に推進するとしている
これまでのエネルギー政策を見直すため、政府内に「エネルギー・
環境会議」が設置されました。この会議では、新しいエネルギー
基本計画の策定に先立って、2030年に向け、発電量に占める原発の
割合について「0%」「15%」「20~25%」の三つのシナリオを提示し
国民的な議論(論型世論調査)を進め、「革新的エネルギー・環境
戦略」(注)の決定を行うことにしています。
(注)政府は2012年9月、「2030年代に原発稼動ゼロ」を目指す方針を
盛り込んだ新たなエネルギー政策「革新的エネルギー・環境戦略」を
まとめました。原発事故を受けて高まった「脱原発」の世論を踏まえ
原発政策を大きく転換した内容ですが、原発が立地している自治体、
経済界からの反発などにより戦略そのものの閣議決定は見送られました。
2.再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入
固定価格買取制度が2012年7月1日にスタートしました。再生可能
エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)によって
発電された電気を、国が定める一定の期間・一定の価格で購入する
ことを電気事業者に義務付ける制度です。政府の試算では、2012年
度中に設備容量ベースで合計250万kW程度(原発2基相当分)の導入拡大
が進むと見込んでいます。
この制度では、電気事業者が買い取りに要した費用は、賦課金として
電気料金に上乗せされ電気の全需要者が負担することになっています。
2012年度の賦課金の単価は1kWh当たり0.22円となっています。これに、
2009年11月から実施されている太陽光の余剰電力買取制度の負担
(全国平均で1kWh当たり0.07円)と併せて、2012年度では1kWh当たり
0.29円(全国平均)の負担となります。
3.エネルギー供給の動向
日本はエネルギー資源に乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に
頼っています。1973年度には一次エネルギー国内供給の75.5%を石油に
依存していましたが、1973年に発生した第一次石油危機を契機に石油
依存度を低減させ、代替として原子力、天然ガス、石炭等の導入を
推進しました。その結果、一次エネルギー供給に占めるエネルギー源は、
2010年度には、石油40.1%、石炭22.5%、天然ガス19.2%、原子力
11.3%と多様化しています。
4.エネルギー自給率の動向
1960年には58%であったエネルギー自給率(主に石炭や水力等国内
の天然資源による)は、石炭から石油への燃料転換が進み、石油が
大量に輸入されるにつれて大幅に低下し、2010年度のエネルギー自給率は
4.8%に過ぎません。自給率4.8%の内訳は、水力32%、バイオマス等31.2%、
地熱・太陽光等16.3%、天然ガス16.1%、石油3.5%等となっています。
5.部門別エネルギー消費の動向
2010年度のエネルギー消費全体の部門別の比率は、産業部門が44%と
最も高く、次いで民生部門(家庭部門と業務部門)の33%、運輸部門
(旅客部門と貨物部門)の23%の順となっています。第1次石油危機以降
2010年度までの伸びは、産業部門が0.9倍のところ、民生部門が2.5倍、
運輸部門が約1.9倍と大幅に増加しています。産業部門の更なる省エネルギー
対策に加え、エネルギー消費量の増加が著しい民生部門と運輸部門において
一層の省エネルギーを進める必要があります。家庭部門では、日常生活の中
で我慢ではなく、エネルギーをいかに少なくしつつ快適な生活を送るか、
持続可能な省エネルギーを進めていく必要があります。
12月16日に総選挙があり、総選挙の結果、新しい政権が誕生することが
予想されます。新しい政権が原発を含めてどのようなエネルギー政策を
取るのか、私たち国民は日本の今後を左右する大きな選択を迫られています。
<参考>資源エネルギー庁(エネルギー白書)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm
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