パデセアメールマガジンVol.83 ― 2013年のエネルギー・環境面における主な動き ―
2013/02/06 (Wed) 12:00
○○○ パデセアメールマガジンVol.83 ○○○
2013年のエネルギー・環境面における主な動き
―エネルギー基本計画改定、温室効果ガス削減目標見直し等―
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方、
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★今回のテーマは「 2013年のエネルギー・環境面における主な動き」
です。
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昨年末の政権交代により、日本のエネルギー政策の見直しが計画されて
います。2013年中に予想されるエネルギー政策見直し、温室効果ガス削減
目標見直しやその他環境施策について主な動きを見てみましょう。
1.エネルギー基本計画の改訂
エネルギー基本計画は、日本のエネルギー戦略の方向性を示すものです。
3年ごとに見直し・改定されることになっています。現行計画は平成22年
6月に第二次改定されたもので、今年は改定年に当たっています。現行計画
は、原発を積極的に推進し2020年までに9基の原子力発電所の新増設を前提
としています。しかし福島第一原子力発電所の事故を受け、前政権は
エネルギー基本計画の見直しを進め、昨年9月に「2030年代に原発稼動ゼロ
を目指す」とする戦略をまとめました。本来ならこの内容が新しいエネルギー
基本計画の基になるはずでしたが、政権が交代したことで見直しが計画され
ています。新政権を担う自民党は、原発再稼動は順次判断し、全ての原発に
ついて3年以内に結論を出し、「10年以内に電源構成のベストミックスを
確立する」ことを公約とし、事実上原発を維持する方針を掲げています。
一方、エネルギー基本計画に影響をもたらすのは、原発再稼動の問題です。
原子力規制委員会では、地震や津波、火災、テロなどに対する原発の新安全
基準の策定を進め、今年の7月施行を予定しています。現在停止中の原発を
再稼動するには、各原発ごとに新安全基準に照らした規制委員会の審査を
受ける必要があります。また、敦賀、大飯などの原発では活断層調査が進めら
れており、調査の結果次第では廃炉の可能性も予断できません。
新しいエネルギー基本計画はこれらのことを総合して改定されるものと思われ
ます。
2.温室効果ガス削減目標の見直し
エネルギー基本計画は、日本の温室効果ガス削減目標値にも大きな影響を
与えます。日本は2013年以降、延長した京都議定書には参加せず、自主的な
目標を掲げて温室効果ガス排出削減を継続することになります。現行の国際
公約「2020年までに1990年比25%削減」の達成は原発9基の新増設を前提として
いますが、原発事故を受けてCO2の排出量の多い火力発電所の依存度が高まっ
ています。エネルギー基本計画の見直しと並行して、現政権は25%削減目標
を見直し、新しい目標設定を進める方針です。
昨年11~12月に気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)が開催され、
京都議定書の2020年までの延長、アメリカや中国を含む新しい国際的枠組を
2020年に発効することについて合意されました。今年から2020年以降の枠組み
をつくること、2020年までの温室効果ガス削減目標の検討が始まります。
今年11月にポーランド・ワルシャワでCOP19開催が予定されています。日本の
国際交渉で発言力を高めるには、国際社会を納得させる削減目標を示すことが
必要です。このような状況のなかで、日本の削減目標値をどのように設定する
のか注目したいと思います。
また、今年9月には、IPCC第1作業部会が第5次評価報告書を発表する予定と
なっています。気候変動に対して自然科学的知見の報告が期待されます。
3.小型家電リサイクル法の施行
昨年8月10日に公布された小型家電リサイクル法が4月1日から施行されます。
家電リサイクル法の対象となっていない使用済みのデジカメ、携帯電話、
ゲーム機、パソコン、プリンター、電子レンジなど96品目が対象となります。
「都市鉱山」とも呼ばれるこれらの小型家電に含まれる鉄やアルミニウムのほか、
貴金属やレアメタル(希少金属)、レアアース(希土類)などの金属資源を回収し、
適正なリサイクルを行っていくことを目的としています。市町村が使用済み小型
家電を回収し、国が認定した認定事業者が回収・リサイクルする仕組みです。
また、今年は2015年の施行を目指し、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、
食品リサイクル法の見直し審議が始まります。
4.水俣条約の採択
水銀による環境汚染や健康被害を防ぐ条約制定に向けた国連の政府間交渉で、
水銀の輸出入規制等を柱とする「水銀に関する水俣条約」案が2013年1月に合意
されました。10月に熊本県で開かれる国際会議で採択の予定です。条約の発効は
2018年頃の見通しです。
今年は、政権交代により原発稼動を含めたエネルギー政策の見直しや関連して
温室効果ガス削減目標の見直しが行われます。今後の日本の方向性を決める重要な
年になりそうです。
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次回eco検定試験に対応する「eco検定通信教育」の受付中です。是非とも
ご検討ください。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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★2013年度環境社会検定試験催日程が決定しました
──────────────────────────────────
・第14回試験日: 7月21日(日)
・第15回試験日:12月15日(日)
詳細は東京商工会議所HPをご覧ください。
http://www.kentei.org/eco/index.html
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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います。2013年中に予想されるエネルギー政策見直し、温室効果ガス削減
目標見直しやその他環境施策について主な動きを見てみましょう。
1.エネルギー基本計画の改訂
エネルギー基本計画は、日本のエネルギー戦略の方向性を示すものです。
3年ごとに見直し・改定されることになっています。現行計画は平成22年
6月に第二次改定されたもので、今年は改定年に当たっています。現行計画
は、原発を積極的に推進し2020年までに9基の原子力発電所の新増設を前提
としています。しかし福島第一原子力発電所の事故を受け、前政権は
エネルギー基本計画の見直しを進め、昨年9月に「2030年代に原発稼動ゼロ
を目指す」とする戦略をまとめました。本来ならこの内容が新しいエネルギー
基本計画の基になるはずでしたが、政権が交代したことで見直しが計画され
ています。新政権を担う自民党は、原発再稼動は順次判断し、全ての原発に
ついて3年以内に結論を出し、「10年以内に電源構成のベストミックスを
確立する」ことを公約とし、事実上原発を維持する方針を掲げています。
一方、エネルギー基本計画に影響をもたらすのは、原発再稼動の問題です。
原子力規制委員会では、地震や津波、火災、テロなどに対する原発の新安全
基準の策定を進め、今年の7月施行を予定しています。現在停止中の原発を
再稼動するには、各原発ごとに新安全基準に照らした規制委員会の審査を
受ける必要があります。また、敦賀、大飯などの原発では活断層調査が進めら
れており、調査の結果次第では廃炉の可能性も予断できません。
新しいエネルギー基本計画はこれらのことを総合して改定されるものと思われ
ます。
2.温室効果ガス削減目標の見直し
エネルギー基本計画は、日本の温室効果ガス削減目標値にも大きな影響を
与えます。日本は2013年以降、延長した京都議定書には参加せず、自主的な
目標を掲げて温室効果ガス排出削減を継続することになります。現行の国際
公約「2020年までに1990年比25%削減」の達成は原発9基の新増設を前提として
いますが、原発事故を受けてCO2の排出量の多い火力発電所の依存度が高まっ
ています。エネルギー基本計画の見直しと並行して、現政権は25%削減目標
を見直し、新しい目標設定を進める方針です。
昨年11~12月に気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)が開催され、
京都議定書の2020年までの延長、アメリカや中国を含む新しい国際的枠組を
2020年に発効することについて合意されました。今年から2020年以降の枠組み
をつくること、2020年までの温室効果ガス削減目標の検討が始まります。
今年11月にポーランド・ワルシャワでCOP19開催が予定されています。日本の
国際交渉で発言力を高めるには、国際社会を納得させる削減目標を示すことが
必要です。このような状況のなかで、日本の削減目標値をどのように設定する
のか注目したいと思います。
また、今年9月には、IPCC第1作業部会が第5次評価報告書を発表する予定と
なっています。気候変動に対して自然科学的知見の報告が期待されます。
3.小型家電リサイクル法の施行
昨年8月10日に公布された小型家電リサイクル法が4月1日から施行されます。
家電リサイクル法の対象となっていない使用済みのデジカメ、携帯電話、
ゲーム機、パソコン、プリンター、電子レンジなど96品目が対象となります。
「都市鉱山」とも呼ばれるこれらの小型家電に含まれる鉄やアルミニウムのほか、
貴金属やレアメタル(希少金属)、レアアース(希土類)などの金属資源を回収し、
適正なリサイクルを行っていくことを目的としています。市町村が使用済み小型
家電を回収し、国が認定した認定事業者が回収・リサイクルする仕組みです。
また、今年は2015年の施行を目指し、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、
食品リサイクル法の見直し審議が始まります。
4.水俣条約の採択
水銀による環境汚染や健康被害を防ぐ条約制定に向けた国連の政府間交渉で、
水銀の輸出入規制等を柱とする「水銀に関する水俣条約」案が2013年1月に合意
されました。10月に熊本県で開かれる国際会議で採択の予定です。条約の発効は
2018年頃の見通しです。
今年は、政権交代により原発稼動を含めたエネルギー政策の見直しや関連して
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