パデセアメールマガジンVol.91 ―富士山世界文化遺産に登録他―
2013/09/04 (Wed) 14:00
○○○ パデセアメールマガジンVol.91 ○○○
富士山、世界文化遺産に登録
国内の3地域、世界農業遺産に登録
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今年の夏の富士山は、世界文化遺産登録に伴い国内外から
注目され、登山者数が大幅に増えました。環境省によると、
7月1日から21日までの富士山8合目における登山者数は、
約8万人、平成17年から調査をはじめて最大の登山者数となり
ました。
今月は“富士山の世界文化遺産登録”と併せて“国内3地域の
世界農業遺産登録”の話題を紹介します。
1.富士山、世界文化遺産に登録
今年6月、カンボジアのプノンペンでユネスコ(国連教育科学
文化機構)の世界遺産委員会が開催され、富士山の「世界文化
遺産」登録が決定されました。
(1)世界遺産
世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産
条約に基づいて、遺跡、景観、自然など過去から引継ぎ未来
へと伝えていかなければならない人類共通の遺産です。
世界遺産には「文化遺産」、「自然遺産」、「複合遺産」の3種類
があり、有形の不動産が対象です。
日本の登録件数は、文化遺産は今回の「富士山」を含めて13件、
自然遺産に「小笠原諸島」など4件、計17件となりました。
(2)富士山の世界文化遺産
「富士山」はかって、地形や生態系で評価される自然遺産での
登録を目指していましたが、ゴミ問題などの影響もあって見送ら
れた経緯があります。
富士山は古くから信仰の対象として富士山信仰を育み、また、
海外の芸術家にも影響を与えた浮世絵など、多くの芸術作品
に取り上げられてきました。この信仰の対象と芸術の源泉である
富士山が世界で評価され、世界文化遺産に登録されました。
登録名称は「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」です。
古より数多くの信仰と芸術を生み出した富士山に関わる文化財
は、その山体だけではなく、周囲にある神社、登山道、風穴、
溶岩樹型、湖沼等があります。これらの文化財は、富士山域、
浅間神社、富士五湖(※1)、忍野八海、三保の松原(※2)などで
構成されています。
(※1)現在発行されている千円札に採用されている本栖湖からの
景観も含まれています。
(※2)一時除外が勧告されていたが、一体的なものとして登録
されました。
2.国内3地域が世界農業遺産に登録
国連食糧農業機関(FAO)の国際会議が、今年5月に石川県七尾市
で開催され、国内の3地域が世界農業遺産の新たな地域として認定
されました。日本では2011年に新潟県の佐渡と石川県の能登が
選ばれています。2013年6月までに、世界11カ国25地域が認定されて
いますが、先進国で認定を受けているのは日本のみです。
(1)世界農業遺産(GIAHS:ジアス)
世界農業遺産は、正式名称を「世界重要農業遺産システム(GIAHS)」
といい、食糧の安定確保をめざす国連食糧農業機関(FAO)が認定し、
農業のシステムを評価するものです。次世代へ継承すべき重要な農法や
生物多様性等を有する地域の保全を目的にしています。ユネスコの
世界遺産は遺跡や歴史的建造物などの「不動産」を保護するのに対し、
世界農業遺産は、次世代に継承すべき伝統的な農業の「システム」を
認定し、その保全と持続的な利用を図るものです。
(2)世界農業遺産に登録された国内3地域
・静岡県掛川地域
茶生産の過程で、ササやススキなどの“茶草”を用いる「茶草場
(ちゃぐさば)農法」を実施。秋に刈り取った茶草を乾燥させて砕き、
土作りのために茶園に敷き込む伝統的な農法は、茶草場において
多様な生物を育んできたことが評価されました。
・熊本県阿蘇地域
世界最大級の阿蘇のカルデラ周辺に広がる草原を利用した放牧、
採草、野焼きによって二次的自然を維持し、生物多様性、農村風景
を保全する取り組みが評価されました。
・大分県国東半島宇佐地域
降雨が少ない環境下で、豊かな農林産物と生態系をもたらす日本
最大のクヌギ林(しいたけ栽培)と小規模なため池群。300年以上
にわたり人手をかけることで育んできた循環型農林業と美しい里山
の姿が認められました。
世界遺産や世界農業遺産は、過去から引継ぎ将来に伝えて
いかなければなりません。しかし、世界遺産の中には、地震や風雨など
による自然災害や、紛争による遺産の破壊や略奪や盗掘、過度の
開発による環境破壊などさまざまな理由によって危機的な状況にある
世界遺産が38件(危機遺産リスト)もあるといわれています。
少なくとも紛争や過度の開発などの人間要因による危機は、国際
社会の協力により可能な限り回避する努力が望まれます。
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☆通信教育「eco検定通信教育」受付中
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次回12月開催eco検定試験に対応する「eco検定通信教育」を受付中です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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☆eラーニング「eco検定試験対策web講座」受付中
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次回12月開催eco検定試験に対応する「eco検定試験対策web講座」(日建学院共同開催)
の受付が始まりました。( 日建学院HP)
http://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/eco/
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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国内の3地域、世界農業遺産に登録
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注目され、登山者数が大幅に増えました。環境省によると、
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約8万人、平成17年から調査をはじめて最大の登山者数となり
ました。
今月は“富士山の世界文化遺産登録”と併せて“国内3地域の
世界農業遺産登録”の話題を紹介します。
1.富士山、世界文化遺産に登録
今年6月、カンボジアのプノンペンでユネスコ(国連教育科学
文化機構)の世界遺産委員会が開催され、富士山の「世界文化
遺産」登録が決定されました。
(1)世界遺産
世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産
条約に基づいて、遺跡、景観、自然など過去から引継ぎ未来
へと伝えていかなければならない人類共通の遺産です。
世界遺産には「文化遺産」、「自然遺産」、「複合遺産」の3種類
があり、有形の不動産が対象です。
日本の登録件数は、文化遺産は今回の「富士山」を含めて13件、
自然遺産に「小笠原諸島」など4件、計17件となりました。
(2)富士山の世界文化遺産
「富士山」はかって、地形や生態系で評価される自然遺産での
登録を目指していましたが、ゴミ問題などの影響もあって見送ら
れた経緯があります。
富士山は古くから信仰の対象として富士山信仰を育み、また、
海外の芸術家にも影響を与えた浮世絵など、多くの芸術作品
に取り上げられてきました。この信仰の対象と芸術の源泉である
富士山が世界で評価され、世界文化遺産に登録されました。
登録名称は「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」です。
古より数多くの信仰と芸術を生み出した富士山に関わる文化財
は、その山体だけではなく、周囲にある神社、登山道、風穴、
溶岩樹型、湖沼等があります。これらの文化財は、富士山域、
浅間神社、富士五湖(※1)、忍野八海、三保の松原(※2)などで
構成されています。
(※1)現在発行されている千円札に採用されている本栖湖からの
景観も含まれています。
(※2)一時除外が勧告されていたが、一体的なものとして登録
されました。
2.国内3地域が世界農業遺産に登録
国連食糧農業機関(FAO)の国際会議が、今年5月に石川県七尾市
で開催され、国内の3地域が世界農業遺産の新たな地域として認定
されました。日本では2011年に新潟県の佐渡と石川県の能登が
選ばれています。2013年6月までに、世界11カ国25地域が認定されて
いますが、先進国で認定を受けているのは日本のみです。
(1)世界農業遺産(GIAHS:ジアス)
世界農業遺産は、正式名称を「世界重要農業遺産システム(GIAHS)」
といい、食糧の安定確保をめざす国連食糧農業機関(FAO)が認定し、
農業のシステムを評価するものです。次世代へ継承すべき重要な農法や
生物多様性等を有する地域の保全を目的にしています。ユネスコの
世界遺産は遺跡や歴史的建造物などの「不動産」を保護するのに対し、
世界農業遺産は、次世代に継承すべき伝統的な農業の「システム」を
認定し、その保全と持続的な利用を図るものです。
(2)世界農業遺産に登録された国内3地域
・静岡県掛川地域
茶生産の過程で、ササやススキなどの“茶草”を用いる「茶草場
(ちゃぐさば)農法」を実施。秋に刈り取った茶草を乾燥させて砕き、
土作りのために茶園に敷き込む伝統的な農法は、茶草場において
多様な生物を育んできたことが評価されました。
・熊本県阿蘇地域
世界最大級の阿蘇のカルデラ周辺に広がる草原を利用した放牧、
採草、野焼きによって二次的自然を維持し、生物多様性、農村風景
を保全する取り組みが評価されました。
・大分県国東半島宇佐地域
降雨が少ない環境下で、豊かな農林産物と生態系をもたらす日本
最大のクヌギ林(しいたけ栽培)と小規模なため池群。300年以上
にわたり人手をかけることで育んできた循環型農林業と美しい里山
の姿が認められました。
世界遺産や世界農業遺産は、過去から引継ぎ将来に伝えて
いかなければなりません。しかし、世界遺産の中には、地震や風雨など
による自然災害や、紛争による遺産の破壊や略奪や盗掘、過度の
開発による環境破壊などさまざまな理由によって危機的な状況にある
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社会の協力により可能な限り回避する努力が望まれます。
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