パデセアメールマガジンVol99 ― IPCC第5次評価報告書(第2作業部会)―
2014/04/09 (Wed) 12:30
○○○ パデセアメールマガジンVol.99 ○○○
地球温暖化は、全大陸と海洋において影響を与えている
― IPCC第5次評価報告書(第2作業部会)―
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横浜で総会を開催していた国連の「気候変動に関する政府間
パネル(IPCC)」は3月31日、地球温暖化が社会や生態系に与
える影響を科学的に評価した第2作業部会の報告書を発表しま
した。IPCC総会が日本において開催されたのは、今回が初めてで
す。約110か国の政府代表、科学者、世界気象機関(WMO)、
国連環境計画(UNEP)などの国際機関から約400人が出席し
ました。
1.経緯
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、人為起源による
気候変動、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、
社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として
1988年に設立された組織で、テーマごとに三つの作業部会があり、
それぞれ報告書をまとめています。
昨年秋に公表された第1作業部会の報告書では、「このままの
排出増が続くと今世紀末に世界の平均気温が最大4.8℃上昇
する可能性がある」と予測しました。今回の報告書は、今年10月
に公表される「第5次評価報告書」の一部で、三つの作業部会の
ちの第2作業部会の報告書です。
2.第2作業部会報告書(要約)の概要
(1)世界において観測されている影響
ここ数十年、「地球温暖化が、世界中の全ての大陸と海洋で生
態系や人間社会に影響を及ぼしている」と指摘しています。「影響
を受けつつある」という表現した前回の第4次報告書(2007年)
よりも踏み込んだ表現になっています。
その上で、複数の分野や地域にまたがる主要なリスクとして、気温
上昇、干ばつなどによる食料生産の減少、高潮被害、大都市の
洪水被害など8項目を挙げ、影響の深刻化を予測しています。
(2)温暖化影響の8項目のリスク
報告書が指摘した温暖化影響の8項目のリスクは次の通りです。
・海面上昇、沿岸での高潮被害などによるリスク
・大都市部への洪水による被害のリスク
・異常気象による電気や水道などインフラの機能停止のリスク
・熱波による、特に都市部における死亡や疾病のリスク
・高温や干ばつなどによる食料安全保障が脅かされるリスク
・水資源不足と農業生産減少による農村部の経済被害のリスク
・漁業を支える重要な海洋生態系の損失リスク。
・自然の恵みをもたらす陸域や内水生態系の損失リスク
そして、気候変動の速さと程度を抑えることで、その影響による
全般的なリスクを減らせると述べています。一方、温暖化が大規模
になれば、深刻かつ広範な、後戻りできない影響が起こる可能性が
あるが、政治、社会、経済、技術の各分野での変革により、効果
的な適応策を実施し、温室効果ガスを削減する緩和策をあわせて
促進することにより、気候変動に強い社会の実現と持続可能な開
発が促進されると述べています。
(3)効果的な適応策に必要な費用
気候変動の悪影響や被害に対応する適応策に要する世界全体
の費用を算定する研究には、データや手法、適用範囲が不十分で
更なる研究の向上が必要であると述べ、最終的には具体的な数値
は盛り込まれませんでした。新聞報道によると「数字を明記する
ことで対策費を確保したい途上国側と先進国側の間の政治闘争の
ようだった」と報じています。
今月7日からドイツのベルリンで次のIPCC総会が開催され、温室効
果ガスの削減策をまとめる第3作業部会報告書が発表される予定で
す。これらの報告書は10月にデンマークで開かれる総会で第5次評
価報告書としてまとめられ、年末にペルーで開かれる気候変動枠組
条約第20回締約国会議(COP20)での議論の基礎資料となります。
実効性ある温暖化対策の枠組みづくりができることを願っています。
3月31日、横浜市で記者会見をしたIPCC議長は、「この地球上
で温暖化の影響を受けていない人は1人もいない。紛争の増加など
安全保障にも強く影響する。被害を減らせるかどうかは、我々の対策に
かかっている」と、行動を呼び掛けたことが報道されています。
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★書籍「eco検定ポイント集中レッスン」「eco検定通信教育」改訂中
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2014年以降の試験に対応するeco検定公式テキスト(改訂4版)が発売
されましたが、これに伴い、弊社の「eco検定ポイント集中レッスン」
(参考書)及び「通信教育」「Eラーニング」を改訂中です。
詳細は、HPでご案内しますが4月下旬~5月初旬にリリース予定です。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
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パネル(IPCC)」は3月31日、地球温暖化が社会や生態系に与
える影響を科学的に評価した第2作業部会の報告書を発表しま
した。IPCC総会が日本において開催されたのは、今回が初めてで
す。約110か国の政府代表、科学者、世界気象機関(WMO)、
国連環境計画(UNEP)などの国際機関から約400人が出席し
ました。
1.経緯
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、人為起源による
気候変動、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、
社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として
1988年に設立された組織で、テーマごとに三つの作業部会があり、
それぞれ報告書をまとめています。
昨年秋に公表された第1作業部会の報告書では、「このままの
排出増が続くと今世紀末に世界の平均気温が最大4.8℃上昇
する可能性がある」と予測しました。今回の報告書は、今年10月
に公表される「第5次評価報告書」の一部で、三つの作業部会の
ちの第2作業部会の報告書です。
2.第2作業部会報告書(要約)の概要
(1)世界において観測されている影響
ここ数十年、「地球温暖化が、世界中の全ての大陸と海洋で生
態系や人間社会に影響を及ぼしている」と指摘しています。「影響
を受けつつある」という表現した前回の第4次報告書(2007年)
よりも踏み込んだ表現になっています。
その上で、複数の分野や地域にまたがる主要なリスクとして、気温
上昇、干ばつなどによる食料生産の減少、高潮被害、大都市の
洪水被害など8項目を挙げ、影響の深刻化を予測しています。
(2)温暖化影響の8項目のリスク
報告書が指摘した温暖化影響の8項目のリスクは次の通りです。
・海面上昇、沿岸での高潮被害などによるリスク
・大都市部への洪水による被害のリスク
・異常気象による電気や水道などインフラの機能停止のリスク
・熱波による、特に都市部における死亡や疾病のリスク
・高温や干ばつなどによる食料安全保障が脅かされるリスク
・水資源不足と農業生産減少による農村部の経済被害のリスク
・漁業を支える重要な海洋生態系の損失リスク。
・自然の恵みをもたらす陸域や内水生態系の損失リスク
そして、気候変動の速さと程度を抑えることで、その影響による
全般的なリスクを減らせると述べています。一方、温暖化が大規模
になれば、深刻かつ広範な、後戻りできない影響が起こる可能性が
あるが、政治、社会、経済、技術の各分野での変革により、効果
的な適応策を実施し、温室効果ガスを削減する緩和策をあわせて
促進することにより、気候変動に強い社会の実現と持続可能な開
発が促進されると述べています。
(3)効果的な適応策に必要な費用
気候変動の悪影響や被害に対応する適応策に要する世界全体
の費用を算定する研究には、データや手法、適用範囲が不十分で
更なる研究の向上が必要であると述べ、最終的には具体的な数値
は盛り込まれませんでした。新聞報道によると「数字を明記する
ことで対策費を確保したい途上国側と先進国側の間の政治闘争の
ようだった」と報じています。
今月7日からドイツのベルリンで次のIPCC総会が開催され、温室効
果ガスの削減策をまとめる第3作業部会報告書が発表される予定で
す。これらの報告書は10月にデンマークで開かれる総会で第5次評
価報告書としてまとめられ、年末にペルーで開かれる気候変動枠組
条約第20回締約国会議(COP20)での議論の基礎資料となります。
実効性ある温暖化対策の枠組みづくりができることを願っています。
3月31日、横浜市で記者会見をしたIPCC議長は、「この地球上
で温暖化の影響を受けていない人は1人もいない。紛争の増加など
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かかっている」と、行動を呼び掛けたことが報道されています。
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