パデセアメールマガジンVol100 ―新しいエネルギー基本計画、閣議決定―
2014/05/12 (Mon) 12:30
○○○パデセアメールマガジンVol.100○○○
原発は「重要なベースロード電源」
―新しいエネルギー基本計画、閣議決定―
────────────────────────────
本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方、
メルマガを希望された方に送付しています。メルマガの配信解除
方法は巻末をご覧ください。
────────────────────────────
4月11日、国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す新たな
エネルギー基本計画が閣議決定されました。原発を「重要なベース
ロード電源」と位置づけ、安全と判断されれば再稼働することを明確に
しました。
1.経緯
エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づき政府が決定
するもので、少なくとも3年毎に見直されることになっています。
2003年に最初の計画が策定され、その後、2007年に第二次計
画、2010年に第三次計画が策定されました。今回の計画は第四次計
画となるもので、東日本大震災以降、最初の計画です。
第三次計画では、2030年に向けた目標として、電源構成に占める
ゼロ・エミッション電源(原子力及び再生可能エネルギー由来)の比率を
約70%とすることを目指していました。しかし、東日本大震災後、原子
力発電の安全性に対する信頼が揺らぎ、当時の民主党政権は「2030
年代に原発ゼロ」の方針を出しました。しかし、第四次計画では、安全性
が確認できた原発から再稼働することを明記し、「原発ゼロ」方針を撤回
しました。
2.第四次計画の骨子
(1)エネルギー政策の基本的視点(3E+S)
エネルギー政策の最も大切な点は、安全性(Safety)を前提とした上で、
エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上
(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、
同時に環境への適合(Environment)を図るため、最大限の取組みを行うこ
とであるとしています。
(2)各エネルギー源の位置づけ
各エネルギー源の特性を踏まえて活用することが重要であるとした上で、
各エネルギー源を以下のように位置づけています。
・ベースロード電源…発電(運転)コストが、低廉で安定的に昼夜を問わず
継続的に稼働できる電源(地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭)
・ミドル電源…発電(運転)コストが、ベースロード電源の次に安価で、電力
需要の動向に応じて、出力を機動的に調整できる電源(天然ガスなど)
・ピーク電源…発電(運転)コストは高いが、電力需要の動向に応じて、出力
を機動的に調整できる電源(石油、揚水式水力など)
(3)主要エネルギー源の政策の方向性
以下のように整理しています。
・再生可能エネルギー…2013年から3年程度導入を最大限加速し、その
後も積極的に推進する。従来目標の水準(2030年約2割)を上回る水準
の導入を目指す。
・原子力…安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に
寄与する重要なベースロード電源として、原子力規制委員会の安全審査
に合格した原発の再稼働を進める。原子力依存度については、可能な限り
低減させる。その方針のもとで、確保していく規模を見極める。
・石炭…安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料とし
て、老朽化火力発電所の建て替えなどで最新技術を導入する。
・石油…一次エネルギーの4割強を占めており、供給源多角化、産油国協力、
備蓄などの危機管理の強化や原油の有効利用などを進める。
・天然ガス…供給源多角化などによりコストの低減を進める。
(4)使用済み核燃料に関して
原発を活用する上で、放射性廃棄物の最終処分に道筋をつけることは
欠かせませんが、高レベル放射性廃棄物は国が前面に立ち最終処分に
向けて取り組むことを強調しています。一方、使用済み核燃料を再処理
し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する核燃料サイクルの推進
を基本方針とし、高速増殖炉「もんじゅ」については、廃棄物の減容や
有害度低減などの国際的な研究拠点と位置づけ、国の責任の下、十分な
対応を進めるとしています。
今回の基本計画の焦点は、将来的な発電全体に占める原発比率をどう
するか、再生可能エネルギーの普及をどう見込むかなどエネルギーの
ベストミックスを示すことでしたが、具体的な数値は示されませんでした。
原発の再稼働の時期、再生可能エネルギーの普及、たまり続ける使用
済み核燃料の処分などエネルギーを取り巻く課題は多いですが、日本の
針路に影響を及ぼす重要課題として注視する必要があります。
────────────────────────────
☆改訂8版「eco検定ポイント集中レッスン」発売
────────────────────────────
2014年以降のeco検定試験に対応した弊社執筆の参考書改訂第8版
「eco検定ポイント集中レッスン」が5月10日に発売されました。
・「改訂第8版eco検定ポイント集中レッスン」
http://www.pdca.co.jp/ecoken/mondai.html
────────────────────────────
☆通信教育「eco検定通信教育」受付中
────────────────────────────
2014年以降のeco検定試験に対応する「eco検定通信教育」を受付中
です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
────────────────────────────
☆eラーニング「eco検定Web講座」受付中
────────────────────────────
2014年以降のeco検定試験に対応する「eco検定Web講座」(日建学院共同
開催)を受付中です。
http://manabi.tv/guidance/eco/web.aspx
────────────────────────────
株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区麹町2-12-1 グレンパーク半蔵門303
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723 email:info@pdca.co.jp
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
────────────────────────────
購読解除はこちら
http://pdca.co.jp/magazine/