パデセアメールマガジンVol.104 ―家電リサイクルとフロン破壊の現状―
2014/08/05 (Tue) 12:30
○○○ パデセアメールマガジンVol.104 ○○○
家電リサイクルとフロン破壊の現状
―家電リサイクル法、フロン回収・破壊法の施行状況―
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1.家電リサイクル法の施行状況
(1)背景
家電リサイクル法は、廃家電4品目(エアコン、テレビ、電気
冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機)について、消費
者の適正排出、小売業者の引取義務、家電メーカー等による指定
引取場所での引取りと再商品化を義務付けしています。指定引取
場所は全国計363個所に設置されており、引き取った廃家電の再
商品化は全国49施設のリサイクルプラントで進められています。
家電リサイクル法が施行された平成13年度の廃家電の引取台数
は約800万台でしたが、平成14年度以降毎年度1,000万台を上回り、
法施行後13年間の累計の引取台数は1億7,000万台を突破していま
す。また、再商品化率は、リサイクル技術の向上等により法施行
時の平成13年度の66%から平成25年度は84%にまで上昇しました。
(2)平成25年度の家電リサイクルの実績
平成25年度の廃家電4品目の引取台数は、約1,273万台となって
います。引取台数の内訳をみると、電気洗濯機・衣類乾燥機が最
も多く28%を占め、次いで電気冷蔵庫・電気冷凍庫が27%、エア
コンが23%、ブラウン管式テレビが16%、液晶・プラズマテレビ
が6%となっています。
引取台数の経年推移をみると、地上放送デジタル化に伴うテレ
ビ買い替え需要の増加やエコポイント制度による省エネ家電の購
入促進等により一時期増えましたが、通常の年度では1,200万台
前後で推移しています。
家電リサイクルプラントに搬入された廃家電から、鉄、銅、ア
ルミニウム、ガラス、プリント基板に使用されている貴金属、プ
ラスチック等が回収されています。
平成25年度の再商品化率は、エアコン91%(法定基準70%)、
ブラウン管式テレビ79%(同55%)、液晶・プラズマテレビで89
%(同50%)、電気冷蔵庫・電気冷凍庫で80%(同60%)、電気
洗濯機・衣類乾燥機で88%(同65%)と、4品目とも家電リサイク
ル法に定められた再商品化の基準値を上回る実績を上げています。
家電リサイクル法では、エアコン及び冷蔵庫・冷凍庫に用いら
れる冷媒フロンと、冷蔵庫・冷凍庫に用いられる断熱材フロン類
も回収と処理が義務付けられています。
平成25年度の冷媒フロンの回収量は約2,025トン、断熱材フロン
の回収量は約432トンになっています。
最近、一般家庭から排出される廃家電の収集、運搬等を行う
「不用品回収業者」が増加しています。それらのほとんどは廃棄
物処理法に基づく許可等を受けておらず、廃棄物処理法に抵触す
るものと考えられます。環境省は、このような不適正な処理ルー
トへの対策を強化しています。一方、私たち消費者は使い終えた
4品目の家電製品を廃棄する際には、販売店に回収とリサイクル
に必要な料金を支払い、家電リサイクル法に基づいて廃棄すること
が重要です。
2.フロン回収・破壊法の施行状況
(1)背景
オゾン層を守り、地球温暖化を防止するには、オゾン層破壊
や地球温暖化の原因となるフロン類を使用している機器を廃棄
する時は、これらのフロン類を適切に回収することが必要です。
このため、家庭用の電気冷蔵庫・冷凍庫、ルームエアコンにつ
いては家電リサイクル法に基づき、業務用冷凍空調機器(第一
種特定製品)とカーエアコン(第二種特定製品)については
フロン回収・破壊法に基づきフロンの回収・破壊が義務付けら
れています。
フロン回収・破壊法では、クロロフルオロカーボン(CFC)、
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロ
カーボン(HFC)の3種類のフロン類を対象とし、機器の廃棄の
際のフロン類の回収・破壊を義務付け、機器廃棄時の行程管理
制度(フロン類の引渡し等を書面で把握する制度)の導入、機
器整備時の回収義務等が定められています。
カーエアコンについては、平成17年から自動車リサイクル法
に基づき冷媒フロン類の回収が行われていますが、回収したフ
ロン類の破壊はフロン回収・破壊法に基づくフロン類破壊業者
によって行われています。
(2)平成25年度のフロン類破壊量の実績
平成25年度におけるフロン類の破壊量の合計は約4,470トン
となっています。フロン類の種類別の内訳をみると、トップは
HCFCが破壊量の53%を占め、次いでHFCの43%、CFC4%となっ
ています。
破壊量の長期的な推移をみると、フロン回収・破壊法施行の
平成14年度は約1,700トン台でしたが、その後増加し平成22年度
以降は4,000トン台となっています。
フロン類の種類別では、モントリオール議定書により生産が
全廃されたCFC、全廃に向けて生産削減が進行中のHCFCの破壊量
は微減傾向、京都議定書により削減が進められ、代替化が進行中
のHFCの破壊量は増加傾向を示しています。
破壊したフロン類の量を製品別にみると、業務用冷凍空調機器
からの冷媒フロン類が破壊量の82%を占め、カーエアコンは18%
となっています。
フロン回収・破壊法は平成25年に改正され、現行の機器の廃棄
時におけるフロン類の回収・破壊の実施に加え、フロン類の製造
及びフロン類使用製品の製造・使用段階における対策が強化され
ます。その中で業務用冷凍空調機器の管理者には機器の定期点検、
冷媒フロン類の漏えい量の年次報告が義務付けられます。施行は
来年4月からですが、今年の秋頃に具体的な内容が決まることに
なっています。
(参考)フロン類の種類について
・CFC:冷媒、発泡剤、洗浄剤等として使用される。オゾン層
破壊物質であり、モントリオール議定書に基づき1995年末で
先進国において生産が全廃された。
・HCFC:CFCの代替物質として開発された。CFCに比べるとオゾ
ン層破壊力は弱い。モントリオール議定書に基づき先進国は
2019年末までに生産を全廃しなければならない。CFCとともに、
強力な温室効果ガスである。
・HFC:CFC,HCFCの代替として開発された。オゾン層破壊物質
ではないが、強力な温室効果ガスであり、京都議定書におい
て排出削減物質となっている。
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