パデセアメールマガジンVol.9 モントリオール議定書採択20周年
2007/11/06 (Tue) 12:30
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は巻末をご覧ください。今回のテーマは「モントリオール議定書採択20周年」
です。
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モントリオール議定書採択20周年
―オゾン層破壊物質の規制前倒し―
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オゾン層破壊物質の具体的な規制内容を定めた「オゾン層を破壊する物質に
関するモントリオール議定書」が1987年に採択されてから今年は20周年を迎え
ました。
オゾン層の破壊を防止するために、国際的な取組みとして初めて合意されたの
が1985年の「オゾン層の保護のためのウィーン条約」です。1987年9月には、こ
の条約に基づき、オゾン層破壊物質の具体的な規制内容を定めた「オゾン層を
破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択されました。その後、予
想を上回るスピードでオゾン層の破壊が進んでいることがわかったため、モント
リオール議定書は5度にわたって改正され、オゾン層破壊物質の削減スケジュー
ルが早められてきました。モントリオール議定書の締約国は2007年8月現在191
カ国ですが、毎年締約国会議が開催され、オゾン層の保護について話し合われ
ています。
モントリオール議定書に基づく規制対象物質は特定フロン(クロロフルオロ
カーボン:CFC)、ハロン、その他のCFC、代替フロン(ハイドロクロロフルオ
ロカーボン:HCFC)、四塩化炭素などですが、このうち先進国ではハロンは
1994年全廃、特定フロン、その他のCFC及び四塩化炭素は1996年に全廃(生産
量及び消費量)されています。
(注)HCFC:エアコンなどに使われている旧世代の代替フロン。オゾン層の破
壊力が強い特定フロンに代わって80年代後半から使われてきた。
モントリオール議定書採択20周年を迎えた今年は、誕生の地となったカナダ・
モントリオールで9月17日~21日の5日間にわたり、第20回締約国会議が開催され
ました。日本からは駐カナダ大使を代表団長に、外務省、農林水産省、経済産業
省及び環境省から担当者が出席しました。
今回の会議では、代替フロンHCFCの全廃の時期について集中的な議論が行なわ
れました。HCFCは開発途上国での使用が急増し、オゾン層の回復が遅れる可能性
が出てきたためです。フロンの大気中濃度は、CFC類は横ばい又は減少している
一方で、HCFC類は急速に増加しています。HCFC規制の前倒しが今回会議の最大
の焦点でしたが、次のような規制の前倒し・強化スケジュールが合意されました。
1.「モントリオール調整」(HCFC対策の強化)
a. 現行の議定書では、開発途上国におけるHCFCの消費は2040年に全廃すること
になっているが、規制の前倒しが合意され2030年に全廃する。
b. 先進国におけるHCFC対策についても、全廃の時期は現行議定書の2020年に
変更はないが、その消費量を2010年に基準量(1989年の消費量)から75%削
減(現行議定書では65%削減)するよう強化する。議定書事務局によると、
以上 の措置によりオゾン層の回復(南極のオゾンホールが広がる前の1980年
の水準) が、現在の見通しより最大約7年早まるだろうと予測しています。
2.「モントリオール宣言」の採択
本年は、モントリオール議定書が採択されて20周年に当たることから、これまで
同議定書が達成した成果を確認した上で、議定書に基づく全廃義務に対する約束
の再確認、気候変化など他の環境問題にも資する方法でオゾン層回復を加速する
重要性の確認などを内容とする宣言文が全会一致で採択されました。
フロン類は大気中に放出されても化学的に安定な物質のため長期間大気中に滞
留しますので、全廃されてもすぐ効果は現れません。国連環境計画(UNEP)と世界
気象機関(WMO)は、オゾン層の回復の兆しはあるものの、当初の予測より5~15年
遅れており、南極上空のオゾンホールが消えるのは2065年ごろになるとの報告書を
発表しました。
CFC、HCFCの規制でオゾン層回復の見通しがついた形ですが、環境省では「今後
のフロン問題の焦点は温暖化対策に移った」と見ています。HCFCの代替品であるHFC
(ハイドロフルオロカーボン)は、オゾンを破壊しないためモントリオール議定書
では規制されていませんが、CO2に比べて最大1万倍以上の温室効果を持つため、京
都議定書では規制対象に加えられています。日本でもエアコンなどの需要増で大気
中濃度は毎年10%前後の増加率で急速に増加しているのが現状です。
日本における取組みは、ウィーン条約とモントリオール議定書の採択に併せて、
1988年に「オゾン層保護法」を制定し、議定書の規制スケジュール沿って生産量及び
消費量の削減を進めています。フロン類など主要物質の生産は、1996年以降全廃さ
れていますが、過去に生産され冷蔵庫やエアコンなどに使用されているフロン類など
が相当量残存していますので、「家電リサイクル法」、「自動車リサイクル法」や
「フロン回収・破壊法」によってフロン類を回収し、破壊処理などの取組みが進めら
れています。また、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収率が30%程度と低い
水準にとどまっています。「京都議定書目標達成計画」においても回収率の向上が目
標とされていることを受け、フロン類の回収を強化する目的で「フロン回収・破壊法」
が改正され、今年10月1日から施行されました。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都中央区新川1-22-12ニッテイビル4F
TEL 03-5541-6281 FAX 03-5541-1166
email:info@pdca.co.jp
今年のノーベル平和賞はIPCCとゴア氏に受賞が決まりました。
世の中の地球温暖化への関心を高めた功績は大きいと思います。
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の条約に基づき、オゾン層破壊物質の具体的な規制内容を定めた「オゾン層を
破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択されました。その後、予
想を上回るスピードでオゾン層の破壊が進んでいることがわかったため、モント
リオール議定書は5度にわたって改正され、オゾン層破壊物質の削減スケジュー
ルが早められてきました。モントリオール議定書の締約国は2007年8月現在191
カ国ですが、毎年締約国会議が開催され、オゾン層の保護について話し合われ
ています。
モントリオール議定書に基づく規制対象物質は特定フロン(クロロフルオロ
カーボン:CFC)、ハロン、その他のCFC、代替フロン(ハイドロクロロフルオ
ロカーボン:HCFC)、四塩化炭素などですが、このうち先進国ではハロンは
1994年全廃、特定フロン、その他のCFC及び四塩化炭素は1996年に全廃(生産
量及び消費量)されています。
(注)HCFC:エアコンなどに使われている旧世代の代替フロン。オゾン層の破
壊力が強い特定フロンに代わって80年代後半から使われてきた。
モントリオール議定書採択20周年を迎えた今年は、誕生の地となったカナダ・
モントリオールで9月17日~21日の5日間にわたり、第20回締約国会議が開催され
ました。日本からは駐カナダ大使を代表団長に、外務省、農林水産省、経済産業
省及び環境省から担当者が出席しました。
今回の会議では、代替フロンHCFCの全廃の時期について集中的な議論が行なわ
れました。HCFCは開発途上国での使用が急増し、オゾン層の回復が遅れる可能性
が出てきたためです。フロンの大気中濃度は、CFC類は横ばい又は減少している
一方で、HCFC類は急速に増加しています。HCFC規制の前倒しが今回会議の最大
の焦点でしたが、次のような規制の前倒し・強化スケジュールが合意されました。
1.「モントリオール調整」(HCFC対策の強化)
a. 現行の議定書では、開発途上国におけるHCFCの消費は2040年に全廃すること
になっているが、規制の前倒しが合意され2030年に全廃する。
b. 先進国におけるHCFC対策についても、全廃の時期は現行議定書の2020年に
変更はないが、その消費量を2010年に基準量(1989年の消費量)から75%削
減(現行議定書では65%削減)するよう強化する。議定書事務局によると、
以上 の措置によりオゾン層の回復(南極のオゾンホールが広がる前の1980年
の水準) が、現在の見通しより最大約7年早まるだろうと予測しています。
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本年は、モントリオール議定書が採択されて20周年に当たることから、これまで
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遅れており、南極上空のオゾンホールが消えるのは2065年ごろになるとの報告書を
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都議定書では規制対象に加えられています。日本でもエアコンなどの需要増で大気
中濃度は毎年10%前後の増加率で急速に増加しているのが現状です。
日本における取組みは、ウィーン条約とモントリオール議定書の採択に併せて、
1988年に「オゾン層保護法」を制定し、議定書の規制スケジュール沿って生産量及び
消費量の削減を進めています。フロン類など主要物質の生産は、1996年以降全廃さ
れていますが、過去に生産され冷蔵庫やエアコンなどに使用されているフロン類など
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標とされていることを受け、フロン類の回収を強化する目的で「フロン回収・破壊法」
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