○○○パデセアメールマガジンVol.116○○○ ―ラムサール条約第12回締約国会議(COP12)―
2015/07/02 (Thu) 15:30
○○○パデセアメールマガジンVol.116○○○
日本の4つの湿地が新規登録
―ラムサール条約第12回締約国会議(COP12)―
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ラムサール条約第12回締約国会議(COP12)が、ウルグアイの
プンタ・デル・エステで6月1日~9日に開催されました。日本の
4つの湿地が条約登録湿地として認められ、あわせて1つの条約
湿地の登録面積が拡大されました。会期中に条約事務局から関係
自治体に対して登録認定証授与が行われました。
1.ラムサール条約について
ラムサール条約の正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的
に重要な湿地に関する条約」です。地球規模で移動する渡り鳥を
保護するために、国際的に協力して湿地を保全することを目的
とした環境条約です。
湿原、沼沢地、干潟等の湿地は、多様な生物を育み、特に水鳥の
生息地として非常に重要です。しかし、近代の経済の発展と開発は
湿原や干潟等の湿地の環境に多大な悪影響を及ぼしてきました。
そこで、地球規模で失われつつある湿地の生態系の破壊をくい
止める必要性が認識されるようになりました。特に水鳥の多くは
国境に関係なく渡りをすることから、水鳥の生息地として国際的に
重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の
「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」を進めることを目的
として、1971年にイランのラムサール(カスピ海沿岸の町)という
小さな町で開催された「湿地及び水鳥の保全の国際会議」で
ラムサール条約が採択されました。
湿地の「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」とは、湿地の
生態系を維持しつつそこから得られる恵みを持続的に活用すること
です。
2015年6月現在、締約国数168か国、登録湿地数2,208湿地
となっています。条約に加入している締約国は、自国の湿地を条約
で定められた国際的な基準に従って指定し、条約事務局に通知する
ことにより、指定された湿地は「国際的に重要な湿地に係る登録簿」
に登録されることになっています。
ラムサール条約は3年毎に締約国会議を開催しています。1980年
の第1回以降、2015年6月の会議は第12回目に当たります。
2.日本の登録湿地
日本は1980年に「釧路湿原」を最初の登録湿地として条約に加入
して以降、締約国会議が開催されるごとに、国内の湿地を条約湿地
として登録してきました。
その背景として、2005年までに条約湿地数を少なくとも2,000ケ所
にするという第7回締約国会議の決議がきっかけとなり、日本は条約
湿地数を着実に伸ばしてきました。2015年に4湿地を登録したことに
より、日本の条約湿地数は合計で50カ所となりました。
日本は、水鳥の生息地を主な対象として登録を行ってきましたが、
日本を代表する多様なタイプの湿地を登録するとの方針のもと、
サンゴ礁・浅海域(慶良間諸島海域)、地下水系(秋吉台地下水系)、
アカウミガメの産卵地(屋久島永田浜)、人工の遊水地(渡良瀬遊水地)
など幅広い形態の湿地を条約湿地にしてしました。
今回新たに登録された4か所は、群馬県の芳ケ平湿地群、茨城県の
涸沼(ひぬま)、佐賀県の東よか干潟と肥前鹿島干潟です。
芳ケ平湿地群は、火山性の特異な特徴を持つ湿原(草津白根山の
火口に発達した中間湿原、火口湖等)で、日本固有種のモリアオガエルの
最高標高の繁殖地です。
涸沼は海水と淡水が混じる汽水湖で冬期に渡り鳥のスズガモ等水鳥が
飛来する東アジア地域における重要な越冬地となっています。
東よか干潟と肥前鹿島干潟はいずれも有明海北側に位置し、秋から
春にかけて多くのシギ・チドリ類が飛来し、東アジア地域における
重要な渡り鳥の越冬地となっています。この2つの干潟は、法的な保護を
確かなものとするため「国指定鳥獣保護区特別保護区」に指定されました。
ほかに既に登録されている慶良間諸島海域(沖縄)は、昨年3月に
慶良間諸島国立公園に指定され、海域公園地域が拡張されたことに
あわせて、条約登録面積を拡張しました。
条約への登録は、日本を代表する湿地の自然環境が国際的にも重要で
あることが認められたことの証しであり、今後もさらなる保全と持続
可能な利用により、「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」の促進が
期待されます。
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☆改訂9版「eco検定ポイント集中レッスン」発売
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2015年以降のeco検定試験に対応した弊社執筆の参考書改訂第9版
「eco検定ポイント集中レッスン」が5月22日に発売されました。
・「改訂第9版eco検定ポイント集中レッスン」
http://www.pdca.co.jp/ecoken/mondai.html
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☆通信教育「eco検定通信教育」受付中
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2015年のeco検定試験に対応する「eco検定通信教育」を受付中
です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/correspondence.html
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☆eラーニング「eco検定Web講座」受付中
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本講座は「日建学院」との共同開催です。
http://www.pdca.co.jp/ecoken/e-learning.html
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 日本生命一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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湿地の登録面積が拡大されました。会期中に条約事務局から関係
自治体に対して登録認定証授与が行われました。
1.ラムサール条約について
ラムサール条約の正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的
に重要な湿地に関する条約」です。地球規模で移動する渡り鳥を
保護するために、国際的に協力して湿地を保全することを目的
とした環境条約です。
湿原、沼沢地、干潟等の湿地は、多様な生物を育み、特に水鳥の
生息地として非常に重要です。しかし、近代の経済の発展と開発は
湿原や干潟等の湿地の環境に多大な悪影響を及ぼしてきました。
そこで、地球規模で失われつつある湿地の生態系の破壊をくい
止める必要性が認識されるようになりました。特に水鳥の多くは
国境に関係なく渡りをすることから、水鳥の生息地として国際的に
重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の
「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」を進めることを目的
として、1971年にイランのラムサール(カスピ海沿岸の町)という
小さな町で開催された「湿地及び水鳥の保全の国際会議」で
ラムサール条約が採択されました。
湿地の「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」とは、湿地の
生態系を維持しつつそこから得られる恵みを持続的に活用すること
です。
2015年6月現在、締約国数168か国、登録湿地数2,208湿地
となっています。条約に加入している締約国は、自国の湿地を条約
で定められた国際的な基準に従って指定し、条約事務局に通知する
ことにより、指定された湿地は「国際的に重要な湿地に係る登録簿」
に登録されることになっています。
ラムサール条約は3年毎に締約国会議を開催しています。1980年
の第1回以降、2015年6月の会議は第12回目に当たります。
2.日本の登録湿地
日本は1980年に「釧路湿原」を最初の登録湿地として条約に加入
して以降、締約国会議が開催されるごとに、国内の湿地を条約湿地
として登録してきました。
その背景として、2005年までに条約湿地数を少なくとも2,000ケ所
にするという第7回締約国会議の決議がきっかけとなり、日本は条約
湿地数を着実に伸ばしてきました。2015年に4湿地を登録したことに
より、日本の条約湿地数は合計で50カ所となりました。
日本は、水鳥の生息地を主な対象として登録を行ってきましたが、
日本を代表する多様なタイプの湿地を登録するとの方針のもと、
サンゴ礁・浅海域(慶良間諸島海域)、地下水系(秋吉台地下水系)、
アカウミガメの産卵地(屋久島永田浜)、人工の遊水地(渡良瀬遊水地)
など幅広い形態の湿地を条約湿地にしてしました。
今回新たに登録された4か所は、群馬県の芳ケ平湿地群、茨城県の
涸沼(ひぬま)、佐賀県の東よか干潟と肥前鹿島干潟です。
芳ケ平湿地群は、火山性の特異な特徴を持つ湿原(草津白根山の
火口に発達した中間湿原、火口湖等)で、日本固有種のモリアオガエルの
最高標高の繁殖地です。
涸沼は海水と淡水が混じる汽水湖で冬期に渡り鳥のスズガモ等水鳥が
飛来する東アジア地域における重要な越冬地となっています。
東よか干潟と肥前鹿島干潟はいずれも有明海北側に位置し、秋から
春にかけて多くのシギ・チドリ類が飛来し、東アジア地域における
重要な渡り鳥の越冬地となっています。この2つの干潟は、法的な保護を
確かなものとするため「国指定鳥獣保護区特別保護区」に指定されました。
ほかに既に登録されている慶良間諸島海域(沖縄)は、昨年3月に
慶良間諸島国立公園に指定され、海域公園地域が拡張されたことに
あわせて、条約登録面積を拡張しました。
条約への登録は、日本を代表する湿地の自然環境が国際的にも重要で
あることが認められたことの証しであり、今後もさらなる保全と持続
可能な利用により、「Wise Use:ワイズユース(賢明な利用)」の促進が
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