○○○パデセアメールマガジンVol.148○○○「COP23」
2018/01/05 (Fri) 16:38
○○○パデセアメールマガジンVol.148○○○
―気候変動枠組条約締約国会議 COP23 閉幕―
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○第1~3回試験問題収録 環境法令検定公式問題集2018年版 発売!
http://www.ecohourei.jp/textbook/
○2018年春検定向け、環境法令検定対策セミナー 残席僅少
http://www.ecohourei.jp/seminar-submit/
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特集:気候変動枠組条約締約国会議 COP23 閉幕
-パリ協定の実施ルール作りは難航-
2017年11月、ドイツのボンで気候変動枠組条約の第23回締約国
会議(COP23)が開催されました。パリ協定は2018年のCOP24で詳細
な実施ルールを決めることとされており、今回のCOP23はそのための
作業が始まるという点でも注目されました。
しかし、会議は先進国と途上国の対立に終始し、パリ協定の実施
ルール作りは十分に進められないまま閉幕しました。
一方で、2018年に1年を掛けて行われる、温室効果ガスの削減目標
を引き上げるための世界的な対話「タラノア対話」の実施方法が
定まり、その開催にこぎ着けた事は1つの成果と言えます。
1:パリ協定の実施ルール作りは難航
今回の会議でも、先進国と途上国の対立がありました。中国や
インドを中心とする途上国は、先進国と途上国の扱いに差を設ける
べきとする「二分論」を主張、これに対し日本を含む先進国は、
すべての国を対象とする協定である以上すべての国が同じ仕組み
を取るべきとする「全体論」を唱え対立しました。
途上国の反発の理由としては、第一に先進国の2020年までの削減
努力が2℃目標達成のためには著しく不足しており、にも関わらず
議論が2020年以降の途上国の削減努力に進もうとしている事、第二
に先進国から途上国への資金支援が目標額と比べ明らかに不足して
いる事が挙げられます。更にトランプ米大統領によるパリ協定離脱
の表明があり、態度の硬化を招きました。
しかし途上国も一枚岩ではなく、海面上昇に晒されている島嶼国
は厳しい規制を求め、コロンビア等ラテンアメリカ諸国のグループ
が先進国と途上国の中間のような立場を取るなど、参加国家数が
多いため状況は複雑です。
結局、COP23では実施ルールについて踏み込んだ議論ができず、
各国の意見を両論併記の形で掲載した非公式文書を発行するに
留まりました。
2:タラノア対話の成立
大きな成果と言えるのが、タラノア対話の成立です。パリ協定は
5年ごとに各国の取り組みを見直し、温室効果ガス削減目標を引き
上げる仕組みがあり、2018年のタラノア対話が最初の見直しとなり
ます。COP23では最終日までもつれ込みながらもこの実施方法が
定まり、閉会と同時にタラノア対話の開始が宣言されました。
タラノア対話は1つの会議ではなく、COP24までの1年間に行われる
様々な会議の総称です。2018年1月からの「準備フェーズ」で取り組み
に関する情報を国家・国際機関・自治体・企業などの幅広い主体から
収集し、12月の「政治フェーズ」で閣僚級のラウンドテーブルを行い、
最終的な結論を出します。この中で、現状の取り組みがどの程度
「気温上昇2℃未満」という目標のために不足しているのか、不足分
をどう補っていくかが議論される事となります。
3:2つのアメリカ
今回のCOP23は、米国がパリ協定離脱を表明してから初のパリ
協定に関する国際会議という点でも注目されました。パリ協定の
規定上、正式に離脱が可能になるのは2020年11月4日であり、
これはちょうど次の大統領選挙の投票日翌日となります。選挙結果
次第では離脱しない可能性もある米国は、引き続きパリ協定の協議
に代表団を送っていますが、その人数は約50人と前回の1/3程度に
減少しました。
一方で目立ったのは、米国内のパリ協定を支持する州政府・都市
・大学・企業のグループ「We Are Still In(我々はパリ協定の中
にいる)」の存在です。会場の隣に大きなパビリオンを作り、次々
とイベントを開催、米国内で温暖化防止のための取り組みを続ける
事をアピールし、存在感を発揮しました。
COP23の議長国はフィジーでしたが、会議はドイツのボンで
開催されました。太平洋の島嶼国であるフィジーには16,000人に
のぼる来場者を収容できる国際会議場がないためです。次回COP24
の議長国はポーランド、場所は同国南西部に位置する石炭産業の
町・カトヴィツェに決まりました。エネルギーの多くを石炭に
依存するポーランドがあえてCOP24をカトヴィツェに招致したのは、
厳しい対策を求める決定を回避するよう働きかけるためとの見方
もあります。
世界には沈みゆく島国があり、また一方には石炭エネルギーに
よって成り立つ国があります。全ての国々が納得できるような
ルール作りは困難な作業であり、交渉は今後も難航が予想されます。
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-パリ協定の実施ルール作りは難航-
2017年11月、ドイツのボンで気候変動枠組条約の第23回締約国
会議(COP23)が開催されました。パリ協定は2018年のCOP24で詳細
な実施ルールを決めることとされており、今回のCOP23はそのための
作業が始まるという点でも注目されました。
しかし、会議は先進国と途上国の対立に終始し、パリ協定の実施
ルール作りは十分に進められないまま閉幕しました。
一方で、2018年に1年を掛けて行われる、温室効果ガスの削減目標
を引き上げるための世界的な対話「タラノア対話」の実施方法が
定まり、その開催にこぎ着けた事は1つの成果と言えます。
1:パリ協定の実施ルール作りは難航
今回の会議でも、先進国と途上国の対立がありました。中国や
インドを中心とする途上国は、先進国と途上国の扱いに差を設ける
べきとする「二分論」を主張、これに対し日本を含む先進国は、
すべての国を対象とする協定である以上すべての国が同じ仕組み
を取るべきとする「全体論」を唱え対立しました。
途上国の反発の理由としては、第一に先進国の2020年までの削減
努力が2℃目標達成のためには著しく不足しており、にも関わらず
議論が2020年以降の途上国の削減努力に進もうとしている事、第二
に先進国から途上国への資金支援が目標額と比べ明らかに不足して
いる事が挙げられます。更にトランプ米大統領によるパリ協定離脱
の表明があり、態度の硬化を招きました。
しかし途上国も一枚岩ではなく、海面上昇に晒されている島嶼国
は厳しい規制を求め、コロンビア等ラテンアメリカ諸国のグループ
が先進国と途上国の中間のような立場を取るなど、参加国家数が
多いため状況は複雑です。
結局、COP23では実施ルールについて踏み込んだ議論ができず、
各国の意見を両論併記の形で掲載した非公式文書を発行するに
留まりました。
2:タラノア対話の成立
大きな成果と言えるのが、タラノア対話の成立です。パリ協定は
5年ごとに各国の取り組みを見直し、温室効果ガス削減目標を引き
上げる仕組みがあり、2018年のタラノア対話が最初の見直しとなり
ます。COP23では最終日までもつれ込みながらもこの実施方法が
定まり、閉会と同時にタラノア対話の開始が宣言されました。
タラノア対話は1つの会議ではなく、COP24までの1年間に行われる
様々な会議の総称です。2018年1月からの「準備フェーズ」で取り組み
に関する情報を国家・国際機関・自治体・企業などの幅広い主体から
収集し、12月の「政治フェーズ」で閣僚級のラウンドテーブルを行い、
最終的な結論を出します。この中で、現状の取り組みがどの程度
「気温上昇2℃未満」という目標のために不足しているのか、不足分
をどう補っていくかが議論される事となります。
3:2つのアメリカ
今回のCOP23は、米国がパリ協定離脱を表明してから初のパリ
協定に関する国際会議という点でも注目されました。パリ協定の
規定上、正式に離脱が可能になるのは2020年11月4日であり、
これはちょうど次の大統領選挙の投票日翌日となります。選挙結果
次第では離脱しない可能性もある米国は、引き続きパリ協定の協議
に代表団を送っていますが、その人数は約50人と前回の1/3程度に
減少しました。
一方で目立ったのは、米国内のパリ協定を支持する州政府・都市
・大学・企業のグループ「We Are Still In(我々はパリ協定の中
にいる)」の存在です。会場の隣に大きなパビリオンを作り、次々
とイベントを開催、米国内で温暖化防止のための取り組みを続ける
事をアピールし、存在感を発揮しました。
COP23の議長国はフィジーでしたが、会議はドイツのボンで
開催されました。太平洋の島嶼国であるフィジーには16,000人に
のぼる来場者を収容できる国際会議場がないためです。次回COP24
の議長国はポーランド、場所は同国南西部に位置する石炭産業の
町・カトヴィツェに決まりました。エネルギーの多くを石炭に
依存するポーランドがあえてCOP24をカトヴィツェに招致したのは、
厳しい対策を求める決定を回避するよう働きかけるためとの見方
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世界には沈みゆく島国があり、また一方には石炭エネルギーに
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