○○○パデセアメールマガジンVol.152○○○「東京五輪と持続可能性」
2018/05/07 (Mon) 14:49
○○○パデセアメールマガジンVol.152○○○
東京五輪に求められる「持続可能性」というレガシー
~農林水産物と都市鉱山~
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方や
当社メンバーと名刺交換をさせて頂いた方に送付しています。
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○環境法令検定公式問題集 2018年春夏版 発売中!
http://www.ecohourei.jp/textbook/#mondaishu
○東京・大阪で7月開催 環境法令検定対策セミナー 受付中!
http://www.ecohourei.jp/seminar-submit/
○7月開催eco検定 5月8日10:00より受付開始!
http://www.kentei.org/eco/mousikomi.html
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東京五輪に求められる「持続可能性」というレガシー
~農林水産物と都市鉱山~
平昌五輪が閉幕し、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック
が近づいて来ました。東京五輪に関する報道では、「レガシー
(遺産)」という言葉がよく聞かれます。1964年の東京五輪は、
首都高速道路や東海道新幹線など、我が国に多くのインフラとして
のレガシーを残しました。では、21世紀の東京五輪は何を残せる
でしょうか。今回は「持続可能性に関する調達とレガシー」に
注目してみましょう。
◆農林水産物の調達基準
東京五輪では、五輪のために調達される各種物品について
「持続可能性に配慮した調達基準」を定めています。2016年6月の
「持続可能性に配慮した木材の調達基準」を皮切りに、これまでに
「同農産物の調達基準」「同畜産物の調達基準」「同水産物の調達
基準」の4つの基準が策定されました。
調達基準の例として、農産物の調達基準を見てみましょう。同基準
では、大会では原則としてGAP認証を受けて生産された農産物を使用
する、とされています。GAPとは、Good Agricultural Practice
(良い農業の取り組み)の略。食品安全、環境保全、労働安全等の
持続可能性を確保するため、農業生産工程を計画・点検・記録する
ことを指します。水質検査の時期と結果、農薬の散布時期・種類
などを細かく計画し記録、管理する事で、安全性等を担保するのです。
GAP認証とは、GAPの基準に沿って農業を行っていると第三者機関が
認証する制度です。
農産物を海外に輸出する際には、国際的なGAP認証の取得を求め
られる事が少なくありません。東京五輪に向けてGAP認証を取得する
農家が増加し、農産物の輸出拡大につながれば、東京五輪は大きな
レガシーを残したと言えます。
◆調達基準は不足との声も
しかし、環境保護団体などからは、これらの調達基準は持続可能性
への配慮が不足しているとの声も上げられています。特に水産物に
おいては、MSC認証などの持続可能な漁業・養殖漁業に関する認証を
受けた水産物だけでなく、「資源管理に関する計画であって、行政
機関による確認を受けたものに基づいて行われている漁業により漁獲」
されたものも使用して良い、とされています。
しかし「行政機関による確認を受けた資源管理計画」はその多くが
公表されておらず、実態は定かではありません。鳥取県は、県内14の
資源管理計画を調査した所、うち4ヶ所は「漁期中週1日漁を休む」
だけであったとの調査結果を出しています(平成28年3月「資源管理
計画の評価検証について」)。日本の水産資源の多くが減少傾向にある
中、「持続可能な漁業」とは何かを明確にすることが求められます。
◆「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」
日本は鉱物資源の乏しい国ですが、廃棄される電子製品には多く
の貴金属やレアメタルが含まれており、こうした金属資源は「都市
鉱山」と呼ばれています。これらの廃棄電子機器を広く国民から
集めて金・銀・銅を回収し、オリンピック・パラリンピックで使用
するメダルを作成する世界初のプロジェクトが進行しています。
現在全国の公共施設等で電子機器の回収が行われており、2019年春
までに必要量を確保する事を見込んでいます。
都市鉱山の活用に関する取り組みは「小型家電リサイクル法」で
推進されているものの、回収量が少ないために効率が悪く、中々
採算を取るのが難しいのが現状です。このプロジェクトを通じて
国民の間に「小型電子機器はリサイクルできる」との認識が広まれ
ば、回収率の上昇と採算性の改善が期待されます。これも東京五輪
のレガシーとなるでしょう。
前回の東京五輪のレガシーである新幹線や首都高速道路は、20
世紀を通じて日本経済の成長を支えました。今回の東京五輪に期待
される「持続可能性に関する調達とレガシー」はこのような目に
見えやすいものではありませんが、21世紀の日本に必要不可欠な
要素です。東京五輪が21世紀にふさわしいレガシーを残せるのか、
注目していきたい所です。
■「持続可能性に配慮した調達基準」についてはこちら
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
「持続可能性に配慮した調達コード」
https://tokyo2020.org/jp/games/sustainability/sus-code/
■「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」
http://www.toshi-kouzan.jp/
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
http://www.pdca.co.jp
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東京五輪に求められる「持続可能性」というレガシー
~農林水産物と都市鉱山~
平昌五輪が閉幕し、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック
が近づいて来ました。東京五輪に関する報道では、「レガシー
(遺産)」という言葉がよく聞かれます。1964年の東京五輪は、
首都高速道路や東海道新幹線など、我が国に多くのインフラとして
のレガシーを残しました。では、21世紀の東京五輪は何を残せる
でしょうか。今回は「持続可能性に関する調達とレガシー」に
注目してみましょう。
◆農林水産物の調達基準
東京五輪では、五輪のために調達される各種物品について
「持続可能性に配慮した調達基準」を定めています。2016年6月の
「持続可能性に配慮した木材の調達基準」を皮切りに、これまでに
「同農産物の調達基準」「同畜産物の調達基準」「同水産物の調達
基準」の4つの基準が策定されました。
調達基準の例として、農産物の調達基準を見てみましょう。同基準
では、大会では原則としてGAP認証を受けて生産された農産物を使用
する、とされています。GAPとは、Good Agricultural Practice
(良い農業の取り組み)の略。食品安全、環境保全、労働安全等の
持続可能性を確保するため、農業生産工程を計画・点検・記録する
ことを指します。水質検査の時期と結果、農薬の散布時期・種類
などを細かく計画し記録、管理する事で、安全性等を担保するのです。
GAP認証とは、GAPの基準に沿って農業を行っていると第三者機関が
認証する制度です。
農産物を海外に輸出する際には、国際的なGAP認証の取得を求め
られる事が少なくありません。東京五輪に向けてGAP認証を取得する
農家が増加し、農産物の輸出拡大につながれば、東京五輪は大きな
レガシーを残したと言えます。
◆調達基準は不足との声も
しかし、環境保護団体などからは、これらの調達基準は持続可能性
への配慮が不足しているとの声も上げられています。特に水産物に
おいては、MSC認証などの持続可能な漁業・養殖漁業に関する認証を
受けた水産物だけでなく、「資源管理に関する計画であって、行政
機関による確認を受けたものに基づいて行われている漁業により漁獲」
されたものも使用して良い、とされています。
しかし「行政機関による確認を受けた資源管理計画」はその多くが
公表されておらず、実態は定かではありません。鳥取県は、県内14の
資源管理計画を調査した所、うち4ヶ所は「漁期中週1日漁を休む」
だけであったとの調査結果を出しています(平成28年3月「資源管理
計画の評価検証について」)。日本の水産資源の多くが減少傾向にある
中、「持続可能な漁業」とは何かを明確にすることが求められます。
◆「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」
日本は鉱物資源の乏しい国ですが、廃棄される電子製品には多く
の貴金属やレアメタルが含まれており、こうした金属資源は「都市
鉱山」と呼ばれています。これらの廃棄電子機器を広く国民から
集めて金・銀・銅を回収し、オリンピック・パラリンピックで使用
するメダルを作成する世界初のプロジェクトが進行しています。
現在全国の公共施設等で電子機器の回収が行われており、2019年春
までに必要量を確保する事を見込んでいます。
都市鉱山の活用に関する取り組みは「小型家電リサイクル法」で
推進されているものの、回収量が少ないために効率が悪く、中々
採算を取るのが難しいのが現状です。このプロジェクトを通じて
国民の間に「小型電子機器はリサイクルできる」との認識が広まれ
ば、回収率の上昇と採算性の改善が期待されます。これも東京五輪
のレガシーとなるでしょう。
前回の東京五輪のレガシーである新幹線や首都高速道路は、20
世紀を通じて日本経済の成長を支えました。今回の東京五輪に期待
される「持続可能性に関する調達とレガシー」はこのような目に
見えやすいものではありませんが、21世紀の日本に必要不可欠な
要素です。東京五輪が21世紀にふさわしいレガシーを残せるのか、
注目していきたい所です。
■「持続可能性に配慮した調達基準」についてはこちら
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
「持続可能性に配慮した調達コード」
https://tokyo2020.org/jp/games/sustainability/sus-code/
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