○○○パデセアメールマガジンVol.162○○○「ソーラーシェアリング」
2019/03/05 (Tue) 12:00
○○○パデセアメールマガジンVol.162○○○
ソーラーシェアリング
~太陽光発電の新たな形態~
------------------------------------------------------------
本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方や
当社メンバーと名刺交換をさせて頂いた方に送付しています。
------------------------------------------------------------
○第6回環境法令検定 申し込み受付&試験実施中!
https://www.ecohourei.jp/
○eco検定公式テキスト改定第7版 販売中!
https://www.kentei.org/eco/textinfo.html
○新刊紹介
パデセア代表黒柳要次共著
【企業の環境部門担当者のための
SDGsをめぐる潮流がサクッとわかる本】販売中!
パリ協定、SDGs、ESG投資…今知りたい事項を丁寧に解説!
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003366
------------------------------------------------------------
特集:ソーラーシェアリング
~太陽光発電の新たな形態~
今や全国津々浦々に設置されているソーラーパネル。その中に
時折「脚の長いソーラーパネル」が見られるようになってきまし
た。高さ2~3メートル程の「脚」の上にソーラーパネルが設置
されており、パネルの下には植物を植えているのが特徴です。
一体何を目的にしたものなのでしょう?
1:ソーラーシェアリングとは何か
脚の長いソーラーパネルの正体は「ソーラーシェアリング」、
またの名を「営農型太陽光発電」のための設備です。畑や水田など
の農地の上に太陽光パネルを設置し、パネルの下に作物を植えて
農業を行います。脚が長いのは、パネルの下に作業者や農業用機械
が入れるようにするためです。
太陽光が必要な農作物の上にソーラーパネルを設置するのは矛盾
した行動にも思われますが、実は植物の成長には一定量以上の光は
必要とされません。成長に必要な光の量を確保できるようソーラー
パネルの配置や面積を工夫すれば、作物は露天の場合と遜色なく
育ちます。また、元々日陰を好む作物であれば、ソーラーパネルの
下の方が生育に適した環境となりえます。
ソーラーシェアリングは年々その件数を増加させており、2019年
2月公表の千葉大学の調査によれば、全国のソーラーシェアリング
の許可件数は2018年8月末までで1,347件。2014年からの4年間で6.2
倍に増加しています。
2:農地で太陽光発電を行う意義とは?
ソーラーシェアリングは農業者には魅力的な収入源となります。
FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)のお蔭で、
ソーラーシェアリングで得られる収入は、同面積の通常の耕地から
得られる収入を上回ります。
もちろん、ソーラーシェアリングよりも同面積の太陽光発電所の
方が発電効率は上です。しかし、日本では農地が無制限に開発され
る事を防ぐため、農地を太陽光発電所など農地以外の用途に変更
する「転用」には、厳しい制限が設けられています。一方ソーラー
シェアリングは、支柱の立つ部分だけを「一時転用」し、他の部分
は引き続き農地として使用するので、設置許可が降りやすいのが
特徴です。
日当たりが良い農地は、ソーラーパネルの設置場所に適していま
す。そのため、全国的に優良な農地が太陽光発電所となる事例が
相次いでいます。ソーラーシェアリングであれば農業生産を維持
しつつ発電が可能です。
地域振興の側面からも、ソーラーシェアリングは理にかなって
います。従来のメガソーラー等の多くは都市部に本社を持つ企業に
よって運営され、地方で生み出された売電利益は都市へと流出して
いました。ソーラーシェアリングによる売電利益は農業者や農業
法人に還元されるため、地域の振興に繋がります。
ソーラーシェアリングは、農作物の生産を維持しつつ、農業
従事者の収入を増やし農業経営を安定させるものとして、農林
水産省も推進しています。例えば2018年5月には「一時転用」に
関するルールを変更し、通常は3年である一時転用の許可期間を、
一定の条件を満たしたソーラーシェアリングについては10年に
延長しました。
3:ソーラーシェアリングの課題
ソーラーシェアリングが全国的な広まりを見せる一方で、先述の
千葉大学の調査では、「営農しながら発電」するのではなく、
「農地にソーラーパネルを設置する理由付けとしてソーラーシェア
リングを名乗る」実態が少なくない事が明らかになっています。
サカキやダイカンドラ(芝に代わる雑草対策植物)といった、食糧
生産と関連せず、またその地域で以前から栽培されていた訳でも
ない植物が栽培されている事例などが報告されています。
全国的に広まりつつあるソーラーシェアリングが「農業生産と
発電の両立」という本来の目的を果たせるか、果たせるような制度
設計ができるかが、今後の課題と言えそうです。
参考資料:
農林水産省「営農型太陽光発電について」
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/einou.html
------------------------------------------------------------
メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
------------------------------------------------------------
※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
------------------------------------------------------------
株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
ソーラーシェアリング
~太陽光発電の新たな形態~
------------------------------------------------------------
本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方や
当社メンバーと名刺交換をさせて頂いた方に送付しています。
------------------------------------------------------------
○第6回環境法令検定 申し込み受付&試験実施中!
https://www.ecohourei.jp/
○eco検定公式テキスト改定第7版 販売中!
https://www.kentei.org/eco/textinfo.html
○新刊紹介
パデセア代表黒柳要次共著
【企業の環境部門担当者のための
SDGsをめぐる潮流がサクッとわかる本】販売中!
パリ協定、SDGs、ESG投資…今知りたい事項を丁寧に解説!
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003366
------------------------------------------------------------
特集:ソーラーシェアリング
~太陽光発電の新たな形態~
今や全国津々浦々に設置されているソーラーパネル。その中に
時折「脚の長いソーラーパネル」が見られるようになってきまし
た。高さ2~3メートル程の「脚」の上にソーラーパネルが設置
されており、パネルの下には植物を植えているのが特徴です。
一体何を目的にしたものなのでしょう?
1:ソーラーシェアリングとは何か
脚の長いソーラーパネルの正体は「ソーラーシェアリング」、
またの名を「営農型太陽光発電」のための設備です。畑や水田など
の農地の上に太陽光パネルを設置し、パネルの下に作物を植えて
農業を行います。脚が長いのは、パネルの下に作業者や農業用機械
が入れるようにするためです。
太陽光が必要な農作物の上にソーラーパネルを設置するのは矛盾
した行動にも思われますが、実は植物の成長には一定量以上の光は
必要とされません。成長に必要な光の量を確保できるようソーラー
パネルの配置や面積を工夫すれば、作物は露天の場合と遜色なく
育ちます。また、元々日陰を好む作物であれば、ソーラーパネルの
下の方が生育に適した環境となりえます。
ソーラーシェアリングは年々その件数を増加させており、2019年
2月公表の千葉大学の調査によれば、全国のソーラーシェアリング
の許可件数は2018年8月末までで1,347件。2014年からの4年間で6.2
倍に増加しています。
2:農地で太陽光発電を行う意義とは?
ソーラーシェアリングは農業者には魅力的な収入源となります。
FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)のお蔭で、
ソーラーシェアリングで得られる収入は、同面積の通常の耕地から
得られる収入を上回ります。
もちろん、ソーラーシェアリングよりも同面積の太陽光発電所の
方が発電効率は上です。しかし、日本では農地が無制限に開発され
る事を防ぐため、農地を太陽光発電所など農地以外の用途に変更
する「転用」には、厳しい制限が設けられています。一方ソーラー
シェアリングは、支柱の立つ部分だけを「一時転用」し、他の部分
は引き続き農地として使用するので、設置許可が降りやすいのが
特徴です。
日当たりが良い農地は、ソーラーパネルの設置場所に適していま
す。そのため、全国的に優良な農地が太陽光発電所となる事例が
相次いでいます。ソーラーシェアリングであれば農業生産を維持
しつつ発電が可能です。
地域振興の側面からも、ソーラーシェアリングは理にかなって
います。従来のメガソーラー等の多くは都市部に本社を持つ企業に
よって運営され、地方で生み出された売電利益は都市へと流出して
いました。ソーラーシェアリングによる売電利益は農業者や農業
法人に還元されるため、地域の振興に繋がります。
ソーラーシェアリングは、農作物の生産を維持しつつ、農業
従事者の収入を増やし農業経営を安定させるものとして、農林
水産省も推進しています。例えば2018年5月には「一時転用」に
関するルールを変更し、通常は3年である一時転用の許可期間を、
一定の条件を満たしたソーラーシェアリングについては10年に
延長しました。
3:ソーラーシェアリングの課題
ソーラーシェアリングが全国的な広まりを見せる一方で、先述の
千葉大学の調査では、「営農しながら発電」するのではなく、
「農地にソーラーパネルを設置する理由付けとしてソーラーシェア
リングを名乗る」実態が少なくない事が明らかになっています。
サカキやダイカンドラ(芝に代わる雑草対策植物)といった、食糧
生産と関連せず、またその地域で以前から栽培されていた訳でも
ない植物が栽培されている事例などが報告されています。
全国的に広まりつつあるソーラーシェアリングが「農業生産と
発電の両立」という本来の目的を果たせるか、果たせるような制度
設計ができるかが、今後の課題と言えそうです。
参考資料:
農林水産省「営農型太陽光発電について」
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/einou.html
------------------------------------------------------------
メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
------------------------------------------------------------
※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
------------------------------------------------------------
株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp