○○○パデセアメールマガジンVol.163○○○「オゾン層の保護と温暖化対策」
2019/04/09 (Tue) 12:00
○○○パデセアメールマガジンVol.163○○○
オゾン層の保護と温暖化対策
~オゾン層保護法とフロン排出抑制法によるフロン規制とは~
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方や
当社メンバーと名刺交換をさせて頂いた方に送付しています。
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○3月検定も収録 最新版環境法令検定公式問題集 4月発売予定!
https://www.ecohourei.jp/textbook/#mondaishu
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https://www.kentei.org/eco/textinfo.html
○新刊紹介
パデセア代表黒柳要次共著
【企業の環境部門担当者のための
SDGsをめぐる潮流がサクッとわかる本】販売中!
パリ協定、SDGs、ESG投資…今知りたい事項を丁寧に解説!
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003366
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特集:環境法ガイダンス・第9回
「オゾン層の保護と温暖化対策:
オゾン層保護法とフロン排出抑制法によるフロン規制とは」
◆オゾン層保護の国際規制を国内で担保するオゾン層保護法、
法改正で代替フロンHFCを規制
オゾン層は、成層圏で紫外線を吸収して地球上の生命を守る
バリアの役割を果たしていますが、フロンなどのオゾン層破壊
物質により破壊が進み、オゾンの濃度が極端に減ったオゾンホール
が南極上空で毎年観測されています。オゾン層を保護するため、
昭和60年に「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が、昭和62年
に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が
採択されました。これらの規制を国内で実施するため昭和63年に
制定されたのが、「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に
関する法律」(オゾン層保護法)です。
オゾン層保護法は、モントリオール議定書の附属書に属する
特定物質ごとに規定された削減スケジュールに基づき、その生産量
と消費量に関する基準限度を定めています。このうち、附属書A、B
及びEに属する特定物質については生産・消費が全廃され、現時点
では、平成31年に全廃予定の附属書C・グループ1に属するハイドロ
クロロフルオロカーボン(HCFC)と、同年から規制が始まった附属書
Fに属するハイドロフルオロカーボン(HFC)に対する規制が実施
されています。 HFCはオゾン層を破壊しない代替フロンとして普及
が進みましたが、温室効果が高く地球温暖化に影響を与えることから、
平成28年のモントリオール議定書改正により新たに規制対象となり
ました(キガリ改正)。これを受けて、平成30年7月にオゾン層保護法
が改正され、一部を除き平成31年1月1日に施行されました。改正後の
題名は「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」
です。改正オゾン層保護法は、政令で定める18 種類のHFCについて
製造の許可と輸入の承認等を行い、事業者ごとに数量を割り当てる
ことで議定書の削減目標を達成することを目指しています。
なお、オゾン層保護法は、対象となるガスの製造量や輸入量を規制
するものなので、エアコンなどで対象ガスを冷媒として利用する事業
者にとっては直接的な規制となりません。現在代替フロンを利用する
事業者にとっては、今後、改正オゾン層保護法により、利用している
代替フロンの入手が困難となるので、二酸化炭素やアンモニアなど、
代替フロンとは異なるガスによる冷媒の設備更新が求められることと
なります。
◆フロン類のライフサイクル全体を規制するフロン排出抑制法、
判断基準に沿った管理の適正化求める
オゾン層を守るためには、フロン類の製造・輸入規制に加えて、
その大気中への排出を抑制するとともに、ビル空調、食品用ショー
ケース、業務用の冷凍・冷蔵庫及び冷凍倉庫などの業務用冷凍空調
機器からフロン類を回収し、破壊する必要があります。平成13年に
「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する
法律」(フロン回収・破壊法)」が制定されましたが、冷媒用HFCの
急増、回収率の低迷、機器使用中の漏えいなどが明らかになりまし
た。これらの新たな問題に対応するため、フロン類の回収・破壊に
加えてその製造から廃棄に至るライフサイクル全体にわたる対策を
進めるため、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する
法律」(フロン排出抑制法)に改正され、平成27年4月に施行され
ました。
フロン類を製造・輸入する事業者は、「フロン類の製造業者等の
判断の基準となるべき事項」の告示に従い、製造・輸入等するフロン
類の地球温暖化係数(GWP)の低減や、代替物質の製造に必要な設備
の整備と技術の向上などの取り組みが求められます。また、エアコン
などの指定製品を製造・輸入する指定製品製造業者等は国が定める
判断基準に従って、GWP低減、フロン類の充填量低減、表示の充実
などに取り組むことが求められます。
◆第一種特定製品管理者に厳しい規制、点検や漏えい量の報告義務も
フロン排出抑制法は、フロン類を使用する業務用のエアコンや
冷凍空調機器などの機器を「第一種特定製品」に位置付け、その
管理者に対する厳しい規制を行っています。管理者は、「第一種
特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項」の告示に従って、
管理する第一種特定製品の設置・使用環境の維持保全、簡易・
定期点検、漏えい・故障等が確認された場合の修理を行うまでの
フロン類充填の原則禁止、点検・整備の記録作成と保存―などを
実施する義務があります。このうち定期点検は、7.5㎾以上の機器
を対象として1年又は3年に1回以上、専門的知識を持つ者により行う
必要があります。また、年度におけるフロン類の算定漏えい量が
1,000t-CO2を超える事業者は、翌年度の7月末までに報告する義務
があり、国はその量を公表します。
第一種特定製品にフロン類を充填・回収する時は、都道府県の
登録を受けた第一種フロン類充填回収業者に委託し、第一種フロン
類充填回収業者は回収したフロン類を、自ら再生する場合等を
除いて第一種フロン類再生業者又はフロン類破壊業者に引き渡し
ます。また、フロン類の再生・破壊の業を行おうとする者は、
それぞれ第一種フロン類再生業者とフロン類破壊業者の許可を、
国(環境大臣及び経済産業大臣)から受ける必要があります。
管理者は、回収依頼書や委託確認書を公布して、これらの回収・
再生・破壊が適切に行われたことを確認します。
参考1:オゾン層保護・地球温暖化防止とフロン対策(環境省)
http://www.env.go.jp/earth/ozone/ozone.html
参考2:フロン排出抑制法ポータルサイト
http://www.env.go.jp/earth/furon/
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「オゾン層の保護と温暖化対策:
オゾン層保護法とフロン排出抑制法によるフロン規制とは」
◆オゾン層保護の国際規制を国内で担保するオゾン層保護法、
法改正で代替フロンHFCを規制
オゾン層は、成層圏で紫外線を吸収して地球上の生命を守る
バリアの役割を果たしていますが、フロンなどのオゾン層破壊
物質により破壊が進み、オゾンの濃度が極端に減ったオゾンホール
が南極上空で毎年観測されています。オゾン層を保護するため、
昭和60年に「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が、昭和62年
に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が
採択されました。これらの規制を国内で実施するため昭和63年に
制定されたのが、「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に
関する法律」(オゾン層保護法)です。
オゾン層保護法は、モントリオール議定書の附属書に属する
特定物質ごとに規定された削減スケジュールに基づき、その生産量
と消費量に関する基準限度を定めています。このうち、附属書A、B
及びEに属する特定物質については生産・消費が全廃され、現時点
では、平成31年に全廃予定の附属書C・グループ1に属するハイドロ
クロロフルオロカーボン(HCFC)と、同年から規制が始まった附属書
Fに属するハイドロフルオロカーボン(HFC)に対する規制が実施
されています。 HFCはオゾン層を破壊しない代替フロンとして普及
が進みましたが、温室効果が高く地球温暖化に影響を与えることから、
平成28年のモントリオール議定書改正により新たに規制対象となり
ました(キガリ改正)。これを受けて、平成30年7月にオゾン層保護法
が改正され、一部を除き平成31年1月1日に施行されました。改正後の
題名は「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」
です。改正オゾン層保護法は、政令で定める18 種類のHFCについて
製造の許可と輸入の承認等を行い、事業者ごとに数量を割り当てる
ことで議定書の削減目標を達成することを目指しています。
なお、オゾン層保護法は、対象となるガスの製造量や輸入量を規制
するものなので、エアコンなどで対象ガスを冷媒として利用する事業
者にとっては直接的な規制となりません。現在代替フロンを利用する
事業者にとっては、今後、改正オゾン層保護法により、利用している
代替フロンの入手が困難となるので、二酸化炭素やアンモニアなど、
代替フロンとは異なるガスによる冷媒の設備更新が求められることと
なります。
◆フロン類のライフサイクル全体を規制するフロン排出抑制法、
判断基準に沿った管理の適正化求める
オゾン層を守るためには、フロン類の製造・輸入規制に加えて、
その大気中への排出を抑制するとともに、ビル空調、食品用ショー
ケース、業務用の冷凍・冷蔵庫及び冷凍倉庫などの業務用冷凍空調
機器からフロン類を回収し、破壊する必要があります。平成13年に
「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する
法律」(フロン回収・破壊法)」が制定されましたが、冷媒用HFCの
急増、回収率の低迷、機器使用中の漏えいなどが明らかになりまし
た。これらの新たな問題に対応するため、フロン類の回収・破壊に
加えてその製造から廃棄に至るライフサイクル全体にわたる対策を
進めるため、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する
法律」(フロン排出抑制法)に改正され、平成27年4月に施行され
ました。
フロン類を製造・輸入する事業者は、「フロン類の製造業者等の
判断の基準となるべき事項」の告示に従い、製造・輸入等するフロン
類の地球温暖化係数(GWP)の低減や、代替物質の製造に必要な設備
の整備と技術の向上などの取り組みが求められます。また、エアコン
などの指定製品を製造・輸入する指定製品製造業者等は国が定める
判断基準に従って、GWP低減、フロン類の充填量低減、表示の充実
などに取り組むことが求められます。
◆第一種特定製品管理者に厳しい規制、点検や漏えい量の報告義務も
フロン排出抑制法は、フロン類を使用する業務用のエアコンや
冷凍空調機器などの機器を「第一種特定製品」に位置付け、その
管理者に対する厳しい規制を行っています。管理者は、「第一種
特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項」の告示に従って、
管理する第一種特定製品の設置・使用環境の維持保全、簡易・
定期点検、漏えい・故障等が確認された場合の修理を行うまでの
フロン類充填の原則禁止、点検・整備の記録作成と保存―などを
実施する義務があります。このうち定期点検は、7.5㎾以上の機器
を対象として1年又は3年に1回以上、専門的知識を持つ者により行う
必要があります。また、年度におけるフロン類の算定漏えい量が
1,000t-CO2を超える事業者は、翌年度の7月末までに報告する義務
があり、国はその量を公表します。
第一種特定製品にフロン類を充填・回収する時は、都道府県の
登録を受けた第一種フロン類充填回収業者に委託し、第一種フロン
類充填回収業者は回収したフロン類を、自ら再生する場合等を
除いて第一種フロン類再生業者又はフロン類破壊業者に引き渡し
ます。また、フロン類の再生・破壊の業を行おうとする者は、
それぞれ第一種フロン類再生業者とフロン類破壊業者の許可を、
国(環境大臣及び経済産業大臣)から受ける必要があります。
管理者は、回収依頼書や委託確認書を公布して、これらの回収・
再生・破壊が適切に行われたことを確認します。
参考1:オゾン層保護・地球温暖化防止とフロン対策(環境省)
http://www.env.go.jp/earth/ozone/ozone.html
参考2:フロン排出抑制法ポータルサイト
http://www.env.go.jp/earth/furon/
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