◇◇◇パデセアメールマガジンVol.174◇◇◇「食品ロス」
2020/03/05 (Thu) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.174◇◇◇
食品ロスの削減に向けて
~何が問題か、どうすれば減らせるか~
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本メルマガは、弊社ホームページからのお申し込みがあった方や
当社メンバーと名刺交換をさせて頂いた方に送付しています。
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【お知らせ】新型コロナウィルス感染拡大に伴う環境法令検定の対応について
https://ecohourei.jp/2020/02/26/226/
○2020年3月実施 第8回環境法令検定 お申込み受付中!
https://ecohourei.jp/submit/
【お知らせ】新型コロナウィルス感染拡大に伴うeco検定の対応について
https://www.kentei.org/eco/infolist.html
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特集:食品ロスの削減に向けて
~何が問題か、どうすれば減らせるか~
2020年、国が大きく力を入れようとしている環境政策が「食品ロス」
の削減です。昨年10月1日に「食品ロス削減推進法」が施行され、
これにもとづく「食品ロス削減基本方針」は3月中にも閣議決定され
ます。食品ロス問題の背景について考えてみましょう。
※食品ロス削減推進法と食品ロス削減に向けた最新の取り組みに
ついては、メールマガジンVol.168も参照
https://g.bmb.jp/bm/p/bn/list.php?i=pdca&no=all&m=735
◆食品ロスはなぜ問題か
食品ロスとは、「まだ食べられるのに廃棄される食品」のこと
です。日本では年間600万t、1日に国民1人あたり茶碗1配分の
食品ロスが発生しています。食品ロスの発生は心情的にも「もっ
たいない」行為ですが、政府を挙げて削減を促進しているのには
「もったいない」だけではない理由があります。
第1に、食品ロスの発生は非経済的です。個人宅で発生する
食品ロスは、お金を出して購入した食品を捨ててしまう訳ですから、
家計の負担となります。飲食店や小売店で発生する食品ロスは、
必要以上の仕入れ費用と廃棄物としての処理費用を店舗が負担
します。これらは価格に転嫁され、結局は消費者の負担が増加する
こととなります。みずほ総研は、スーパーと外食産業における事業
系食品ロス発生に伴うコストは年間約7500億円と試算しています。
第2に、食品ロスはが気候変動を考える上で無視できない大きな
温室効果ガス発生源である、という事です。食品の栽培・捕獲・
肥育・輸送・調理にはいずれもエネルギーを使用します。ウシは
消化に伴い大量のメタンガスを放出するウシはため温暖化の主因
の1つとして指摘されているほどです。
食品ロスによって発生する温室効果ガスの量はCO2換算で33億
トンにのぼり、世界の温室効果ガス排出量の8%を占めるとFAO
(国連食料農業機関)は試算しています。これは温室効果ガス
排出量世界第3位のロシアを上回る排出量です。
◆これまでの対策
わが国ではこれまで、食品リサイクル法のもと食品廃棄物の削減
に取り組んできました。
※食品リサイクル法についてはメールマガジンVol.169を参照
https://g.bmb.jp/bm/p/bn/list.php?i=pdca&no=all&m=737
現行の統計方法となった2007年からの10年間で、食品産業に
おける食品廃棄物等の発生量は2,315万t→1,767万tに減少、再生
利用等実施率は54%→84%に増加しています。
ただし、再生利用等実施率は業種によって大きなばらつきがある
状況です。食品製造業では95%にのぼる一方で、卸売業は67%、
小売業は51%、外食産業は32%に留まっています。
背景として、製造業は同種の食品残渣が大量に発生するため
回収と飼料・肥料への転用が行いやすいのに対し、小売業や外食
産業は個々の店舗から発生する食品廃棄物は比較的少量で回収
コストがかかる事、食べ残しなどの雑多な内容のため飼料・肥料
への転用が比較的難しい事が挙げられます。
◆「川下」で生じる食品ロスをいかに減らすか?
リサイクル率の向上が難しい以上、小売業や外食産業においては
食品廃棄物の発生自体を抑制するほかありません。これらの業態
では食用可能な食品の廃棄=食品ロスも多く、食品ロスをいかに
減らすかが課題となります。「食品ロス削減基本方針(素案)」
を参考に、主な課題と対処方法を見ていきましょう。
・1/3ルール
製造から賞味期限までの期間のうち、1/3を過ぎたものは入荷
せず、2/3を過ぎたものは販売しないとする商慣習があります。
賞味期限まで300日の食品であれば、賞味期限まで200日が入荷
期限、100日が販売期限となります。まだ賞味期限を迎えていない
食品が流通・販売不適格として廃棄される原因となっています。
国は入荷期限を1/2まで延長するとともに、賞味期限が近付いた
食品は値下げ等により売り切ることを推奨しています。
・賞味期限に関する商慣習
小売業界には「既に納品された商品より1日でも賞味期限が
短い商品は納品できない」という商習慣があり、売り先がなく
なった食品が廃棄される原因となっています。国は賞味期限が
長い食品は「年・月」のみの表示とすることで、在庫管理を行い
やすくし廃棄を減らすことを推奨しています。
・消費者の過度な新鮮志向
消費者が必要以上に鮮度にこだわる事が食品ロス発生につな
がっているとも指摘されています。たとえば、店頭でより賞味
期限の長い商品を選んで購入する人は多いのですが、結果として
売れ残った食品が上記の1/3ルールに抵触して廃棄され、食品ロス
を増やしている可能性があります。消費者の意識変革が必要です。
・外食における持ち帰りの普及率の低さ
米国や中国、台湾では、外食で食べきれなかった食品は家へ
持ち帰って食べるのが一般的です。国は、持ち帰りのための容器
「ドギーバッグ」の普及を目指しています。
食品ロスの削減のためには、企業だけでなく消費者の意識改革
が不可欠です。わたしたち1人1人が食品ロス削減を意識して行動
することが求められています。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
http://www.pdca.co.jp
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食品ロスの削減に向けて
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~何が問題か、どうすれば減らせるか~
2020年、国が大きく力を入れようとしている環境政策が「食品ロス」
の削減です。昨年10月1日に「食品ロス削減推進法」が施行され、
これにもとづく「食品ロス削減基本方針」は3月中にも閣議決定され
ます。食品ロス問題の背景について考えてみましょう。
※食品ロス削減推進法と食品ロス削減に向けた最新の取り組みに
ついては、メールマガジンVol.168も参照
https://g.bmb.jp/bm/p/bn/list.php?i=pdca&no=all&m=735
◆食品ロスはなぜ問題か
食品ロスとは、「まだ食べられるのに廃棄される食品」のこと
です。日本では年間600万t、1日に国民1人あたり茶碗1配分の
食品ロスが発生しています。食品ロスの発生は心情的にも「もっ
たいない」行為ですが、政府を挙げて削減を促進しているのには
「もったいない」だけではない理由があります。
第1に、食品ロスの発生は非経済的です。個人宅で発生する
食品ロスは、お金を出して購入した食品を捨ててしまう訳ですから、
家計の負担となります。飲食店や小売店で発生する食品ロスは、
必要以上の仕入れ費用と廃棄物としての処理費用を店舗が負担
します。これらは価格に転嫁され、結局は消費者の負担が増加する
こととなります。みずほ総研は、スーパーと外食産業における事業
系食品ロス発生に伴うコストは年間約7500億円と試算しています。
第2に、食品ロスはが気候変動を考える上で無視できない大きな
温室効果ガス発生源である、という事です。食品の栽培・捕獲・
肥育・輸送・調理にはいずれもエネルギーを使用します。ウシは
消化に伴い大量のメタンガスを放出するウシはため温暖化の主因
の1つとして指摘されているほどです。
食品ロスによって発生する温室効果ガスの量はCO2換算で33億
トンにのぼり、世界の温室効果ガス排出量の8%を占めるとFAO
(国連食料農業機関)は試算しています。これは温室効果ガス
排出量世界第3位のロシアを上回る排出量です。
◆これまでの対策
わが国ではこれまで、食品リサイクル法のもと食品廃棄物の削減
に取り組んできました。
※食品リサイクル法についてはメールマガジンVol.169を参照
https://g.bmb.jp/bm/p/bn/list.php?i=pdca&no=all&m=737
現行の統計方法となった2007年からの10年間で、食品産業に
おける食品廃棄物等の発生量は2,315万t→1,767万tに減少、再生
利用等実施率は54%→84%に増加しています。
ただし、再生利用等実施率は業種によって大きなばらつきがある
状況です。食品製造業では95%にのぼる一方で、卸売業は67%、
小売業は51%、外食産業は32%に留まっています。
背景として、製造業は同種の食品残渣が大量に発生するため
回収と飼料・肥料への転用が行いやすいのに対し、小売業や外食
産業は個々の店舗から発生する食品廃棄物は比較的少量で回収
コストがかかる事、食べ残しなどの雑多な内容のため飼料・肥料
への転用が比較的難しい事が挙げられます。
◆「川下」で生じる食品ロスをいかに減らすか?
リサイクル率の向上が難しい以上、小売業や外食産業においては
食品廃棄物の発生自体を抑制するほかありません。これらの業態
では食用可能な食品の廃棄=食品ロスも多く、食品ロスをいかに
減らすかが課題となります。「食品ロス削減基本方針(素案)」
を参考に、主な課題と対処方法を見ていきましょう。
・1/3ルール
製造から賞味期限までの期間のうち、1/3を過ぎたものは入荷
せず、2/3を過ぎたものは販売しないとする商慣習があります。
賞味期限まで300日の食品であれば、賞味期限まで200日が入荷
期限、100日が販売期限となります。まだ賞味期限を迎えていない
食品が流通・販売不適格として廃棄される原因となっています。
国は入荷期限を1/2まで延長するとともに、賞味期限が近付いた
食品は値下げ等により売り切ることを推奨しています。
・賞味期限に関する商慣習
小売業界には「既に納品された商品より1日でも賞味期限が
短い商品は納品できない」という商習慣があり、売り先がなく
なった食品が廃棄される原因となっています。国は賞味期限が
長い食品は「年・月」のみの表示とすることで、在庫管理を行い
やすくし廃棄を減らすことを推奨しています。
・消費者の過度な新鮮志向
消費者が必要以上に鮮度にこだわる事が食品ロス発生につな
がっているとも指摘されています。たとえば、店頭でより賞味
期限の長い商品を選んで購入する人は多いのですが、結果として
売れ残った食品が上記の1/3ルールに抵触して廃棄され、食品ロス
を増やしている可能性があります。消費者の意識変革が必要です。
・外食における持ち帰りの普及率の低さ
米国や中国、台湾では、外食で食べきれなかった食品は家へ
持ち帰って食べるのが一般的です。国は、持ち帰りのための容器
「ドギーバッグ」の普及を目指しています。
食品ロスの削減のためには、企業だけでなく消費者の意識改革
が不可欠です。わたしたち1人1人が食品ロス削減を意識して行動
することが求められています。
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