◇◇◇パデセアメールマガジンVol.189◇◇◇「地球温暖化対策推進法 改正」
2021/06/07 (Mon) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.189◇◇◇
地球温暖化対策推進法 改正
~2050年脱炭素を法文に明記~
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https://ecohourei.jp/seminar-submit/
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https://www.kentei.org/eco/textinfo.html
※弊社代表黒柳要次も執筆に参加しています。
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-ケーススタディと事例に学ぶSDGsとISO-』
SDGs(持続可能な開発目標)をISO14001/9001に取り入れる方法を
事例を用いて具体的に解説!
著:黒柳要次(弊社代表)
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0100/index/?syohin_cd=370186
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特集:地球温暖化対策推進法 改正
~2050年脱炭素を法文に明記~
5月26日、改正地球温暖化対策推進法が可決・成立しました。
2050年までのカーボンニュートラルの実現が明記されるなど、
脱炭素に向けた取り組みを一層促進する内容となっています。
今回の改正の重要ポイントを見てみましょう。
(1)「2050年カーボンニュートラル」の明確化
改正温対法には、新たに第2条の2「基本理念」が設けられ、
以下のように「2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)」の
実現が明記されました。
地球温暖化対策の推進は、(略)我が国における人の活動に
伴って発生する二千五十年までの脱炭素社会(温室効果ガスの
排出量と吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガス
の吸収量との間の均衡が保たれた社会をいう。)の実現を旨と
して、国民並びに国、地方公共団体、事業者及び民間の団体等の
密接な連携の下に行われなければならない。
菅首相は施政方針演説以来「2050年カーボンニュートラルの
実現」をたびたび掲げてきましたが、これまではあくまでも菅政権と
しての方針であり、法律に明記されたものではありませんでした。
法文に記載されたことで、「2050年カーボンニュートラル」は政権
交代などで変わることのない日本政府の目標として明確化された事
となります。
注目すべきは「国民並びに国、地方公共団体、事業者及び民間
の団体」という文言です。法文で関係者を規定する場合、「国、
地方公共団体、事業者及び国民の責務(環境基本法1条)」の
ように、国を最初、国民を最後に置くのが慣例です。ここでは
あえて「国民」を先頭に置き、カーボンニュートラルの実現には
国民の理解や協力が大前提である事を強調しています。
(2) 地域の脱炭素化の促進
温対法では「地方公共団体実行計画」の策定を地方自治体に
もとめていますが、この中で定める事項に「施策の実施に関する
目標」が追加されました。都道府県および市町村は、省エネの
利用促進などについて目標値を定めて促進する形となります。
また、「実行計画」への適合等の認定を受けた再エネ等の事業
については、関係法令の手続きの簡略化・環境アセスメントの
一部省略などの特例を受けられる制度が設けられました。市町村
は、この特例の対象となる「促進区域」を住民等利害関係者の
意見を反映しながら定めることができます。
近年、景観悪化や騒音などを背景に、再エネ開発が地域の
反対を受ける事例が多く見られるようになりました。再エネ開発
に独自の規制を設ける自治体も増加しており、脱炭素化を目指す
上で大きな問題となっています。国としては、「促進区域」など
の制度で住民との合意形成を円滑化し、再エネの普及を進めたい
考えです。
(3) 企業の排出量情報のオープンデータ化
温対法では「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」を
設けており、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)に、
自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務
付けています。報告義務のある事業者は、毎年1万2000社以上に
のぼります。
国は報告された排出量の情報を集計し、公表を行っています。
しかし、事業所別の情報については、開示請求を行った者に開示
を行う方式としており、WEB上などで広く公開されている状態では
ありませんでした。
今回の改正で、この事業所ごとの排出量データが開示請求の
手続きなしで公表される事となりました。近年ESG投資の進展など
により、企業の環境データの積極的な開示が求められている事に
合わせた改正です。
また、従来紙または電子とされてきた報告方法が原則として
電子に一本化されるほか、公表までの期間を現在の2年から1年
未満に短縮する事を公表しています。
改正法は一部を除き公布から1年以内の政令で定める日に施行
されます。温対法の改正により、2050年温室効果ガス実質ゼロに
向けて、政府の取組みの第一歩が始まったと言えるでしょう。
参考:環境省「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正
する法律案の閣議決定について」
https://www.env.go.jp/press/109218.html
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
【7月10日より以下住所に移転します】
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
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地球温暖化対策推進法 改正
~2050年脱炭素を法文に明記~
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~2050年脱炭素を法文に明記~
5月26日、改正地球温暖化対策推進法が可決・成立しました。
2050年までのカーボンニュートラルの実現が明記されるなど、
脱炭素に向けた取り組みを一層促進する内容となっています。
今回の改正の重要ポイントを見てみましょう。
(1)「2050年カーボンニュートラル」の明確化
改正温対法には、新たに第2条の2「基本理念」が設けられ、
以下のように「2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)」の
実現が明記されました。
地球温暖化対策の推進は、(略)我が国における人の活動に
伴って発生する二千五十年までの脱炭素社会(温室効果ガスの
排出量と吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガス
の吸収量との間の均衡が保たれた社会をいう。)の実現を旨と
して、国民並びに国、地方公共団体、事業者及び民間の団体等の
密接な連携の下に行われなければならない。
菅首相は施政方針演説以来「2050年カーボンニュートラルの
実現」をたびたび掲げてきましたが、これまではあくまでも菅政権と
しての方針であり、法律に明記されたものではありませんでした。
法文に記載されたことで、「2050年カーボンニュートラル」は政権
交代などで変わることのない日本政府の目標として明確化された事
となります。
注目すべきは「国民並びに国、地方公共団体、事業者及び民間
の団体」という文言です。法文で関係者を規定する場合、「国、
地方公共団体、事業者及び国民の責務(環境基本法1条)」の
ように、国を最初、国民を最後に置くのが慣例です。ここでは
あえて「国民」を先頭に置き、カーボンニュートラルの実現には
国民の理解や協力が大前提である事を強調しています。
(2) 地域の脱炭素化の促進
温対法では「地方公共団体実行計画」の策定を地方自治体に
もとめていますが、この中で定める事項に「施策の実施に関する
目標」が追加されました。都道府県および市町村は、省エネの
利用促進などについて目標値を定めて促進する形となります。
また、「実行計画」への適合等の認定を受けた再エネ等の事業
については、関係法令の手続きの簡略化・環境アセスメントの
一部省略などの特例を受けられる制度が設けられました。市町村
は、この特例の対象となる「促進区域」を住民等利害関係者の
意見を反映しながら定めることができます。
近年、景観悪化や騒音などを背景に、再エネ開発が地域の
反対を受ける事例が多く見られるようになりました。再エネ開発
に独自の規制を設ける自治体も増加しており、脱炭素化を目指す
上で大きな問題となっています。国としては、「促進区域」など
の制度で住民との合意形成を円滑化し、再エネの普及を進めたい
考えです。
(3) 企業の排出量情報のオープンデータ化
温対法では「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」を
設けており、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)に、
自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務
付けています。報告義務のある事業者は、毎年1万2000社以上に
のぼります。
国は報告された排出量の情報を集計し、公表を行っています。
しかし、事業所別の情報については、開示請求を行った者に開示
を行う方式としており、WEB上などで広く公開されている状態では
ありませんでした。
今回の改正で、この事業所ごとの排出量データが開示請求の
手続きなしで公表される事となりました。近年ESG投資の進展など
により、企業の環境データの積極的な開示が求められている事に
合わせた改正です。
また、従来紙または電子とされてきた報告方法が原則として
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向けて、政府の取組みの第一歩が始まったと言えるでしょう。
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