◇◇◇パデセアメールマガジンVol.190◇◇◇「車載蓄電池のリユース」
2021/07/05 (Mon) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.190◇◇◇
使用済み電気自動車の蓄電池のリユース
~都市鉱山の新たな鉱脈に~
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特集:使用済み電気自動車の蓄電池のリユース
~都市鉱山の新たな鉱脈に~
世界初の量産型電気自動車、日産・リーフが2010年12月
に販売を開始してから10年が経過し、内蔵するリチウム
イオンバッテリーの交換時期を迎えています。この10年
で電気自動車・ハイブリッド車・プラグインハイブリッド
車等の「電動車」が世界的にそのシェアを伸ばしました
が、交換時期を迎えたこれらの車載蓄電池が、今後の社会
の電動化に欠かせない大容量バッテリーの供給源として
注目されています。
1 蓄電池の寿命とは
電動車に搭載されている蓄電池は充電・放電を繰り返す
中で徐々に充電容量が減少し、10年程度で出荷時の約7割
となります。自動車メーカーでは概ね10年を「蓄電池の
寿命」とし、ユーザーは蓄電池を交換するか、自動車自体
を買い換える事が必要としていますす。
しかし「寿命」と言っても出荷時の7割の性能は残され
ている状態であり、自動車よりも充電容量が少なくて良い
用途の蓄電池としては、まだまだ利用価値が残されていま
す。また自動車用の蓄電池は急速な充放電の繰り返しを
前提として、かなり高性能な設計となっています。そこで、
使用済み蓄電池を素材としてリサイクルするのではなく、
蓄電池として再利用(リユース)する取り組みが本格化
しています。
2 蓄電池リユースの事例
日産自動車は、蓄電池のリユースを専門に行う工場を
2018年に福島県浪江市に設置しました。同社の「リーフ」
のバッテリーは、48個の小さな蓄電池の集合体です。
これらの小蓄電池は均一に劣化するのではなく、充電容量
が大きく減ったものからほとんど減っていないものまで
様々です。この工場では、使用済みバッテリーから
小蓄電池を取り出し、1個1個性能を調べてランク分け
を行います。高い充電容量を保っているものはEV車に
再利用し、中程度のものは電動フォークリフトやゴルフ
カートの充電池として使用し、低程度のものは事業所・
店舗・工場などの停電時のバックアップ電源として再利用
されます。
2019年には、太陽光発電を設置したコンビニにリユース
蓄電池を併設し、昼間の余剰発電量を蓄電して夜間に使用
する実証実験が始まりました。太陽光発電を設置した店舗
や家庭への蓄電池の普及は、脱炭素社会に向け必要性が
唱えられながらも、蓄電池自体が高額であることから思う
ように進んでいません。リユース蓄電池が比較的安価な
蓄電池の供給源になれば、脱炭素社会に向けた大きな一歩
となるでしょう。
その他にも、太陽光発電と組み合わせた街灯や、停電
時に鉄道の踏切を稼働させるためのバッテリーなど、
蓄電池の使用方法は様々に模索されています。
3 蓄電池リユースのメリット
蓄電池のリユースには、様々なメリットがあります。
まず、蓄電池にはニッケルやコバルトといった多量の
レアメタルが使用されています。蓄電池の需要が高まる中
でこれらの資源は世界的な争奪戦の様相を呈しており、
安定調達が難しくなっています。また世界のコバルトの
生産量の7割を占めるコンゴ民主共和国では、レアメタル
が反政府武装組織の資金源となっています。既存の蓄電池
をリユースすれば、これらの問題と関わりなく蓄電池を
調達できます。
新しい蓄電池の生産には多くのエネルギーを使用します
し、使用済み蓄電池をリサイクルするのにも蓄電池から
レアメタルを分離する工程で大きなエネルギーを使用し
ます。蓄電池のリユースは、環境保護の面からも合理的
です。
使用済み蓄電池の活用が広まれば、使用済み自動車に
「蓄電池が取り出せる」という商品価値が生まれます。
ハイブリッド車以外の電動車の普及が足踏みしている日本
ですが、使用済み車両の売却価格が上がれば、普及の後押し
となる可能性もあります。
使用済み蓄電池の回収量は、電動自動車の増加に伴って
今後も増加を続けるものと見込まれます。蓄電池はいわ
ゆる「都市鉱山」の新たな鉱脈として、大きな可能性を
秘めています。
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区一番町23-2 千代田一番町ビル1階
TEL 03-5226-6721/FAX 03-5226-6723
【7月10日より以下住所に移転します】
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
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使用済み電気自動車の蓄電池のリユース
~都市鉱山の新たな鉱脈に~
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特集:使用済み電気自動車の蓄電池のリユース
~都市鉱山の新たな鉱脈に~
世界初の量産型電気自動車、日産・リーフが2010年12月
に販売を開始してから10年が経過し、内蔵するリチウム
イオンバッテリーの交換時期を迎えています。この10年
で電気自動車・ハイブリッド車・プラグインハイブリッド
車等の「電動車」が世界的にそのシェアを伸ばしました
が、交換時期を迎えたこれらの車載蓄電池が、今後の社会
の電動化に欠かせない大容量バッテリーの供給源として
注目されています。
1 蓄電池の寿命とは
電動車に搭載されている蓄電池は充電・放電を繰り返す
中で徐々に充電容量が減少し、10年程度で出荷時の約7割
となります。自動車メーカーでは概ね10年を「蓄電池の
寿命」とし、ユーザーは蓄電池を交換するか、自動車自体
を買い換える事が必要としていますす。
しかし「寿命」と言っても出荷時の7割の性能は残され
ている状態であり、自動車よりも充電容量が少なくて良い
用途の蓄電池としては、まだまだ利用価値が残されていま
す。また自動車用の蓄電池は急速な充放電の繰り返しを
前提として、かなり高性能な設計となっています。そこで、
使用済み蓄電池を素材としてリサイクルするのではなく、
蓄電池として再利用(リユース)する取り組みが本格化
しています。
2 蓄電池リユースの事例
日産自動車は、蓄電池のリユースを専門に行う工場を
2018年に福島県浪江市に設置しました。同社の「リーフ」
のバッテリーは、48個の小さな蓄電池の集合体です。
これらの小蓄電池は均一に劣化するのではなく、充電容量
が大きく減ったものからほとんど減っていないものまで
様々です。この工場では、使用済みバッテリーから
小蓄電池を取り出し、1個1個性能を調べてランク分け
を行います。高い充電容量を保っているものはEV車に
再利用し、中程度のものは電動フォークリフトやゴルフ
カートの充電池として使用し、低程度のものは事業所・
店舗・工場などの停電時のバックアップ電源として再利用
されます。
2019年には、太陽光発電を設置したコンビニにリユース
蓄電池を併設し、昼間の余剰発電量を蓄電して夜間に使用
する実証実験が始まりました。太陽光発電を設置した店舗
や家庭への蓄電池の普及は、脱炭素社会に向け必要性が
唱えられながらも、蓄電池自体が高額であることから思う
ように進んでいません。リユース蓄電池が比較的安価な
蓄電池の供給源になれば、脱炭素社会に向けた大きな一歩
となるでしょう。
その他にも、太陽光発電と組み合わせた街灯や、停電
時に鉄道の踏切を稼働させるためのバッテリーなど、
蓄電池の使用方法は様々に模索されています。
3 蓄電池リユースのメリット
蓄電池のリユースには、様々なメリットがあります。
まず、蓄電池にはニッケルやコバルトといった多量の
レアメタルが使用されています。蓄電池の需要が高まる中
でこれらの資源は世界的な争奪戦の様相を呈しており、
安定調達が難しくなっています。また世界のコバルトの
生産量の7割を占めるコンゴ民主共和国では、レアメタル
が反政府武装組織の資金源となっています。既存の蓄電池
をリユースすれば、これらの問題と関わりなく蓄電池を
調達できます。
新しい蓄電池の生産には多くのエネルギーを使用します
し、使用済み蓄電池をリサイクルするのにも蓄電池から
レアメタルを分離する工程で大きなエネルギーを使用し
ます。蓄電池のリユースは、環境保護の面からも合理的
です。
使用済み蓄電池の活用が広まれば、使用済み自動車に
「蓄電池が取り出せる」という商品価値が生まれます。
ハイブリッド車以外の電動車の普及が足踏みしている日本
ですが、使用済み車両の売却価格が上がれば、普及の後押し
となる可能性もあります。
使用済み蓄電池の回収量は、電動自動車の増加に伴って
今後も増加を続けるものと見込まれます。蓄電池はいわ
ゆる「都市鉱山」の新たな鉱脈として、大きな可能性を
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