◇◇◇パデセアメールマガジンVol.193◇◇◇「東証の再編とTCFD」
2021/10/05 (Tue) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.193◇◇◇
東証の再編とTCFD
~「プライム市場」上場企業に気候変動に関する情報開示を求める~
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https://event.tokyo-cci.or.jp/event_detail-107606.html
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https://www.kentei.org/eco/textinfo.html
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特集:東証の再編とTCFD
~「プライム市場」上場企業に気候変動に関する情報開示を求める~
2021年6月、東京証券取引所(東証)のコーポレート
ガバナンス・コードが改定され、気候変動について新たな
項目が設けられました。上場企業に、自社と気候変動の関係
について適切な情報開示を行うよう求めています。
◆東証の求める情報開示とは?
2022年4月に、東京証券取引所(以下東証)は市場の大きな
再編を行います。2013年に東証と大阪証券取引所が統合した
影響で、東証は1部、2部、マザーズ、JASDAQスタンダード、
JASDAQグロースと5つもの市場に分かれていました。
4月からはこれが、プライム市場、スタンダード市場、
グロース市場の3つに再編されます。大まかに、これまでの
第1部に相当するのがプライム市場、第2部がスタンダード市場、
グロースが新興企業向け市場という形です。
改定された東証コーポレートガバナンス・コードでは、旧1部
市場に相当するプライム市場の上場企業に対し、気候変動に
関する情報開示を求めています。コーポレートガバナンス・
コードの原文を見てみましょう。
「特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク
及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、
必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の
枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の
質と量の充実を進めるべきである。」
「進めるべき」という書き方からも分かる通り、コーポレート
ガバナンス・コードは、上場企業の「規範」のようなもので、
対応しなければ上場資格を失うというような「規則」ではあり
ません。とはいえ、これに従わなければ投資家の目が厳しく
なるのは確かです。
さて、コーポレートガバナンス・コードの中では、情報開示
の質と量の基準として「TCFD」という耳慣れない単語が出て
きました。TCFDとはどのようなものなのでしょうか。
◆TCFDとはなにか?
TCFDは「気候関連財務情報開示タスクフォース」の略称です。
各国の中央銀行・金融当局や国際機関が参加する金融安定理事会
(FSB)が2015年に設立しました。その目的は、投資家が適切な
投資判断を行うために、企業に気候変動に関する情報の開示
方法を示し、情報開示を促すことです。
背景として、気候変動が金融システムの安定を損なうリスクと
なりつつあり、いつかサブプライムローンのように爆発するの
ではという危惧があります。例えば、低炭素経済に移行する中で、
温室効果ガス排出量の大きい資産の価値が急落する可能性があり
ます。こうした気候変動に関する企業のリスクは財務情報からは
読み取れないため、企業自らが情報開示を進めなければ、気候
変動リスクの高い企業等に投資が行われてしてしまう危険性が
あります。
TCFDは2017年に最終報告書を公表しました。この中で、
気候変動に関するリスクと機会に関する以下の事項の開示を
企業に推奨しています。リスクと機会を単に開示するだけで
なく、そのリスクと機会を検討した組織体制、検討の方法、
今後の対処にまで踏み込んだ、非常に高度なものとなって
います。
1.ガバナンス(Governance)
どのような体制で検討し、それを企業経営に反映しているか。
2.戦略(Strategy)
短期・中期・長期にわたり、企業経営にどのように影響を与えるか。
またそれについてどう考えたか。
3.リスク管理(Risk Management)
気候変動のリスクについて、どのように特定、評価し、またそれを低減しようとしているか。
4.指標と目標(Metrics and Targets)
リスクと機会の評価について、どのような指標を用いて判断し、
目標への進捗度を評価しているか。
TCFDに賛同する企業・機関は世界全体で2,418にのぼり
ますが、日本はその中でも最多の475の企業・機関が賛同を
示しており、なお増加を続けています(2021年8月現在)。
東証コーポレート・ガバナンスでの指定も追い風となり、
今後TCFDに基づく気候変動に関する戦略策定、リスク管理、
目標設定と実践、情報開示はますますの広まりを見せる事でしょう。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
【2021年7月より所在地・電話番号が変更となりました】
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
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特集:東証の再編とTCFD
~「プライム市場」上場企業に気候変動に関する情報開示を求める~
2021年6月、東京証券取引所(東証)のコーポレート
ガバナンス・コードが改定され、気候変動について新たな
項目が設けられました。上場企業に、自社と気候変動の関係
について適切な情報開示を行うよう求めています。
◆東証の求める情報開示とは?
2022年4月に、東京証券取引所(以下東証)は市場の大きな
再編を行います。2013年に東証と大阪証券取引所が統合した
影響で、東証は1部、2部、マザーズ、JASDAQスタンダード、
JASDAQグロースと5つもの市場に分かれていました。
4月からはこれが、プライム市場、スタンダード市場、
グロース市場の3つに再編されます。大まかに、これまでの
第1部に相当するのがプライム市場、第2部がスタンダード市場、
グロースが新興企業向け市場という形です。
改定された東証コーポレートガバナンス・コードでは、旧1部
市場に相当するプライム市場の上場企業に対し、気候変動に
関する情報開示を求めています。コーポレートガバナンス・
コードの原文を見てみましょう。
「特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク
及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、
必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の
枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の
質と量の充実を進めるべきである。」
「進めるべき」という書き方からも分かる通り、コーポレート
ガバナンス・コードは、上場企業の「規範」のようなもので、
対応しなければ上場資格を失うというような「規則」ではあり
ません。とはいえ、これに従わなければ投資家の目が厳しく
なるのは確かです。
さて、コーポレートガバナンス・コードの中では、情報開示
の質と量の基準として「TCFD」という耳慣れない単語が出て
きました。TCFDとはどのようなものなのでしょうか。
◆TCFDとはなにか?
TCFDは「気候関連財務情報開示タスクフォース」の略称です。
各国の中央銀行・金融当局や国際機関が参加する金融安定理事会
(FSB)が2015年に設立しました。その目的は、投資家が適切な
投資判断を行うために、企業に気候変動に関する情報の開示
方法を示し、情報開示を促すことです。
背景として、気候変動が金融システムの安定を損なうリスクと
なりつつあり、いつかサブプライムローンのように爆発するの
ではという危惧があります。例えば、低炭素経済に移行する中で、
温室効果ガス排出量の大きい資産の価値が急落する可能性があり
ます。こうした気候変動に関する企業のリスクは財務情報からは
読み取れないため、企業自らが情報開示を進めなければ、気候
変動リスクの高い企業等に投資が行われてしてしまう危険性が
あります。
TCFDは2017年に最終報告書を公表しました。この中で、
気候変動に関するリスクと機会に関する以下の事項の開示を
企業に推奨しています。リスクと機会を単に開示するだけで
なく、そのリスクと機会を検討した組織体制、検討の方法、
今後の対処にまで踏み込んだ、非常に高度なものとなって
います。
1.ガバナンス(Governance)
どのような体制で検討し、それを企業経営に反映しているか。
2.戦略(Strategy)
短期・中期・長期にわたり、企業経営にどのように影響を与えるか。
またそれについてどう考えたか。
3.リスク管理(Risk Management)
気候変動のリスクについて、どのように特定、評価し、またそれを低減しようとしているか。
4.指標と目標(Metrics and Targets)
リスクと機会の評価について、どのような指標を用いて判断し、
目標への進捗度を評価しているか。
TCFDに賛同する企業・機関は世界全体で2,418にのぼり
ますが、日本はその中でも最多の475の企業・機関が賛同を
示しており、なお増加を続けています(2021年8月現在)。
東証コーポレート・ガバナンスでの指定も追い風となり、
今後TCFDに基づく気候変動に関する戦略策定、リスク管理、
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