バイオエタノールによる温暖化対策
2007/06/02 (Sat) 15:31
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○○○ パデセアメールマガジン Vol.3 ○○○
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今回のテーマは、最近話題となっている「バイオエタノール」です。
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地球温暖化防止に貢献が期待されるバイオ燃料
一方、食糧問題への引き金の動きも
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4月27日の新聞は“首都圏50ケ所のガソリンスタンドで、27日から植物由来の
バイオエタノールが混ざった「バイオガソリン」の試験販売が始まった。
有力な地球温暖化対策として期待される代替燃料だが、原料が穀物のため、
増産は食糧問題の引き金にもなりかねない。”旨の情報を報じました。
今月は、バイオ燃料について見てみましょう。
1.バイオ燃料の概要
バイオ燃料とは一般的にはバイオマス(生物資源)を加工して得られる再生可能
燃料を指しています。バイオマスに含まれる炭素分は、植物がその成長過程で
大気中の二酸化炭素を固定したものであり、バイオマスを燃焼してもその植物
のライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素の総量は循環しており増加しま
せん(カーボンニュートラルという考え)。従って、バイオ燃料は石油等の
化石燃料の代替燃料として利用することは、二酸化炭素排出量を削減し温暖化
対策として有効となります。
バイオ燃料には、ガソリン代替で利用される「バイオエタノール」、軽油代替
で利用される「バイオディーゼル燃料」等があります。
(1)バイオエタノール
バイオエタノールは、サトウキビ等の糖質原料、トウモロコシ等のでん粉質
原料、稲わらや木材等のセルロース系原料から、糖化、醗酵等の過程を経て
製造されます。輸送用燃料としては、ガソリンとバイオエタノールを直接混合
する方式と、バイオエタノールから添加剤(ETBE:エチル・ターシャリー・
ブチル・エーテル)を製造しこれをガソリンに配合する方式の2通りがあります。
4月27日から試験販売されているのはETBEを配合したガソリンです。2008年度
には100ケ所に給油所を拡大し、2010年度に本格的に導入される予定となって
います。
(2)バイオディーゼル燃料
菜種油、廃食用油等の油脂を原料としてメチルアルコールと化学反応させ、
軽油に近い物性に変換したものが利用されています。
2.バイオ燃料の現状
(1)国内バイオエタノールの現状
バイオエタノールは、国内では全国6ケ所で、原料作物の生産、製造、バイオ
エタノール3%混合ガソリン(E3)の走行等の実証試験が行なわれています。
生産量は、2005年度末時点で合計30kl/年程度に過ぎません。バイオディー
ゼル燃料についても、京都市、いわき市、富山市等の自治体ぐるみの取組みの
ほか、地域のNPO等による小規模な取組みが行なわれている程度です。生産量は
4,000~5,000 kl/年と推計されています。
平成17年に策定された「京都議定書目標達成計画」では、輸送用燃料のバイオ
マス燃料の利用目標を2010年度までに50万kl(うち国産5万kl)としていました。
国産バイオエタノール計画を推進している関係省庁の「バイオマス・ニッポン
総合戦略推進会議」では、バイオエタノールの国内年間生産目標を2030年まで
にガソリンの年間消費量(6000万kl)の1割(600万kl)に拡大することを発表
するなど、利用促進に向け急速に進展しようとしています。
(2)諸外国におけるバイオ燃料の現状
世界のバイオ燃料の生産量は、2005年度末時点で、バイオエタノールは
約3,650万kl、バイオディーゼル燃料で約400万klと推計されています。
バイオエタノールについてはアメリカ、ブラジルの2カ国で世界の約7割を占め、
このほかEU,中国、インド等でも生産され、生産量は年々拡大しています。
生産されたバイオエタノールの大半は、ガソリンとの直接混合により利用され、
アメリカの一部の州やブラジルでは混合割合の義務化もなされています。
(3)直接混合とETBE配合ガソリン
エタノールは、水分との親和性が高いという性質を持っているため雨水などの
水分が混入すると、バイオエタノールがガソリンから分離する現象が起き、
燃料品質が低下する欠点がありますが、エタノールの混合率が低ければ直接
混合でも問題はないとして環境省が推進しようとしています。
一方、石油業界は、直接混合だと燃料パイプを腐食させたり、燃料品質に問題
が生じるためETBEの普及を目指しています。
ただし、ETBEについては「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」に
おいて、第二種監視化学物質(環境中で容易に分解せず、継続的に摂取される
場合に人の健康を損なうおそれの疑いがある化学物質)との判定がなされて
います。経済産業省では2006年度より長期毒性試験などのリスク評価を行って
いるところです。世界最大の自動車国であるアメリカが直接混合を採用して
いることを見れば、これがバイオ燃料の主流になると考えられます。
3.食糧と競合
トウモロコシを主な原料とするバイオエタノールの生産ブームが起きている
米国では、豊作なのにトウモロコシ価格は前年の2倍近くに高騰しています。
バイオエタノールの生産急増が、幅広い食品価格を高騰させる懸念が現実と
なってきています。食糧や飼料向けのトウモロコシやサトウキビが燃料製造に
大量に回っているためです。飼料や食用油が原料のマヨネーズなどの価格が
上昇しています。牛肉やビールにも影響が及ぶことが懸念されています。
日本も国産バイオエタノールの生産を拡大する方針ですが、食糧以外の規格外
小麦、非食用米、草や木、廃材からエタノールを生産する方法を研究して
います。大量生産には、費用面の課題も大きく技術革新が必要といわれて
います。
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6月4日の「AERA」にカリスマ・エコDJやまだひさしさんの記事が出ていました。
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地球温暖化防止に貢献が期待されるバイオ燃料
一方、食糧問題への引き金の動きも
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4月27日の新聞は“首都圏50ケ所のガソリンスタンドで、27日から植物由来の
バイオエタノールが混ざった「バイオガソリン」の試験販売が始まった。
有力な地球温暖化対策として期待される代替燃料だが、原料が穀物のため、
増産は食糧問題の引き金にもなりかねない。”旨の情報を報じました。
今月は、バイオ燃料について見てみましょう。
1.バイオ燃料の概要
バイオ燃料とは一般的にはバイオマス(生物資源)を加工して得られる再生可能
燃料を指しています。バイオマスに含まれる炭素分は、植物がその成長過程で
大気中の二酸化炭素を固定したものであり、バイオマスを燃焼してもその植物
のライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素の総量は循環しており増加しま
せん(カーボンニュートラルという考え)。従って、バイオ燃料は石油等の
化石燃料の代替燃料として利用することは、二酸化炭素排出量を削減し温暖化
対策として有効となります。
バイオ燃料には、ガソリン代替で利用される「バイオエタノール」、軽油代替
で利用される「バイオディーゼル燃料」等があります。
(1)バイオエタノール
バイオエタノールは、サトウキビ等の糖質原料、トウモロコシ等のでん粉質
原料、稲わらや木材等のセルロース系原料から、糖化、醗酵等の過程を経て
製造されます。輸送用燃料としては、ガソリンとバイオエタノールを直接混合
する方式と、バイオエタノールから添加剤(ETBE:エチル・ターシャリー・
ブチル・エーテル)を製造しこれをガソリンに配合する方式の2通りがあります。
4月27日から試験販売されているのはETBEを配合したガソリンです。2008年度
には100ケ所に給油所を拡大し、2010年度に本格的に導入される予定となって
います。
(2)バイオディーゼル燃料
菜種油、廃食用油等の油脂を原料としてメチルアルコールと化学反応させ、
軽油に近い物性に変換したものが利用されています。
2.バイオ燃料の現状
(1)国内バイオエタノールの現状
バイオエタノールは、国内では全国6ケ所で、原料作物の生産、製造、バイオ
エタノール3%混合ガソリン(E3)の走行等の実証試験が行なわれています。
生産量は、2005年度末時点で合計30kl/年程度に過ぎません。バイオディー
ゼル燃料についても、京都市、いわき市、富山市等の自治体ぐるみの取組みの
ほか、地域のNPO等による小規模な取組みが行なわれている程度です。生産量は
4,000~5,000 kl/年と推計されています。
平成17年に策定された「京都議定書目標達成計画」では、輸送用燃料のバイオ
マス燃料の利用目標を2010年度までに50万kl(うち国産5万kl)としていました。
国産バイオエタノール計画を推進している関係省庁の「バイオマス・ニッポン
総合戦略推進会議」では、バイオエタノールの国内年間生産目標を2030年まで
にガソリンの年間消費量(6000万kl)の1割(600万kl)に拡大することを発表
するなど、利用促進に向け急速に進展しようとしています。
(2)諸外国におけるバイオ燃料の現状
世界のバイオ燃料の生産量は、2005年度末時点で、バイオエタノールは
約3,650万kl、バイオディーゼル燃料で約400万klと推計されています。
バイオエタノールについてはアメリカ、ブラジルの2カ国で世界の約7割を占め、
このほかEU,中国、インド等でも生産され、生産量は年々拡大しています。
生産されたバイオエタノールの大半は、ガソリンとの直接混合により利用され、
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(3)直接混合とETBE配合ガソリン
エタノールは、水分との親和性が高いという性質を持っているため雨水などの
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3.食糧と競合
トウモロコシを主な原料とするバイオエタノールの生産ブームが起きている
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6月4日の「AERA」にカリスマ・エコDJやまだひさしさんの記事が出ていました。
昨年、エコ検定セミナーを最前列で受講されていたことを思い出しました。
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