◇◇◇パデセアメールマガジンVol.204◇◇◇「気候変動に関するイニシアティブ」
2022/09/06 (Tue) 12:00
気候変動に関するイニシアティブ
~参加企業増加の背景~
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2022年9月 環境法令検定 ただいま申込・試験実施中
団体申込みは9/20、一般申込みは9/27まで!
https://ecohourei.jp/submit/
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特集:気候変動に関するイニシアティブ
~参加企業増加の背景~
大企業を中心に環境に関するイニシアティブへの参加が
増加しています。イニシアティブとは、「先導」「主導」と
いった意味の英語ですが、ここでは環境への率先的な取り
組みや団体を指します。主なイニシアティブを見てみましょう。
1:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
近年、気候変動が企業の業績に大きな影響を及ぼす事例
が増加しています。洪水や渇水、熱波などによる直接的な
ダメージの他、環境規制の強化によりコスト増大や設備
更新が必要となるなどの、間接的なリスクも指摘されて
います。逆に気候変動をビジネスの機会として捉え、気候
変動の緩和や適応に資する事業を行い成長する企業もあり
ます。
従来、投資家は企業の財務情報にもとづいて投資を
行ってきましたが、こうした気候変動に関するリスクや
機会は財務情報からは判断できません。そこで、金融
安定理事会(FSB)が設立したTCFDは、投資家が適切な
投資判断を行うための「気候変動がもたらすリスクと
機会に関する情報を開示するための推奨事項」(TCFD
報告書)を公表しました。
これに基づき気候変動に関する情報を公開する企業が
増加しており、2022年5月現在、世界では約3400、日本
では900弱の企業・機関が賛同の意を表しています。
東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コード
(企業統治指針)によりプライム市場の企業(約1800社)
にTCFDに基づく気候変動情報の開示を要請しており、今後
もTCFDに基づく情報開示の拡大が続きそうです。
2:SBT(Science Based Targets)
SBTとは、「産業革命後の気温上昇を2℃以内とし、
1.5℃以内に抑えることを目指す」というパリ協定の目標に
科学的に整合した、企業の5~15年間の温室効果ガス削減
目標です。自社の目標がSBTとして認定されるためには、
事務局に申請書を提出し、目標の妥当性の審査・認証を
受ける必要があります。
2022年8月現在、SBTには世界77カ国から3,465社の
参加があります。日本企業は233社が認定、56社が2年
以内にSBTを設定すると宣言する「コミット」を行って
おり、参加企業数は世界第3位となっています。
3:RE100
事業運営のための電気を100%再生可能エネルギーで調達
することを宣言した企業が加盟する企業連合です。企業は
何年までに100%再エネ化を達成するかを宣言して加盟して
おり、最長でも2050年までには達成するよう求められてい
ます。
2022年8月現在、加盟企業数は379社。うち72社が日本
企業であり、米国に次ぐ世界第2位の加盟数となっています。
4:CDP
世界の約600の機関投資家を代表するかたちで、主要国の
時価総額上位企業に気候変動、水、森林保護への取組に
関する質問書を送付し、集まった回答を分析、評価、公表
する国際NGOです。
2021年には世界で約7200社に質問を行い、約3200社が
情報開示を行いました。日本では500社に質問状を送付し
355社が情報開示を行っています。2022年より、日本の
質問対象は、東証プライム市場上場全社(約1850社)へと
拡大します。
◆イニシアティブ参加の目的
こうしたイニシアティブへの参加企業が増加している大きな
理由として、環境・社会・ガバナンスの三側面を考慮して
投資先を選ぶESG投資の拡大があります。ESG投資の課題
として、環境・社会・ガバナンスへの取組は、財務情報の
ような客観的・定量的な評価が難しいという点があります。
環境イニシアティブは、取組内容のレベルが高い、加盟
審査がある、社内の体制整備が必要、コストが掛かるなど、
参加のためのハードルが高く設定されています。それゆえ
に、イニシアティブへの参加は、環境に力を入れていると
いう客観的な証拠になります。
今や主要な機関投資家の日本株運用に占めるESG投資の
割合は約70%とも言われており、ESGへの取り組みが
不足していると見なされる事は株価を下落させ、企業価値
を損なうリスクとなっています。ESG投資対策としての
イニシアティブへの参加の動きは、今後も強まっていく
でしょう。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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特集:気候変動に関するイニシアティブ
~参加企業増加の背景~
大企業を中心に環境に関するイニシアティブへの参加が
増加しています。イニシアティブとは、「先導」「主導」と
いった意味の英語ですが、ここでは環境への率先的な取り
組みや団体を指します。主なイニシアティブを見てみましょう。
1:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
近年、気候変動が企業の業績に大きな影響を及ぼす事例
が増加しています。洪水や渇水、熱波などによる直接的な
ダメージの他、環境規制の強化によりコスト増大や設備
更新が必要となるなどの、間接的なリスクも指摘されて
います。逆に気候変動をビジネスの機会として捉え、気候
変動の緩和や適応に資する事業を行い成長する企業もあり
ます。
従来、投資家は企業の財務情報にもとづいて投資を
行ってきましたが、こうした気候変動に関するリスクや
機会は財務情報からは判断できません。そこで、金融
安定理事会(FSB)が設立したTCFDは、投資家が適切な
投資判断を行うための「気候変動がもたらすリスクと
機会に関する情報を開示するための推奨事項」(TCFD
報告書)を公表しました。
これに基づき気候変動に関する情報を公開する企業が
増加しており、2022年5月現在、世界では約3400、日本
では900弱の企業・機関が賛同の意を表しています。
東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コード
(企業統治指針)によりプライム市場の企業(約1800社)
にTCFDに基づく気候変動情報の開示を要請しており、今後
もTCFDに基づく情報開示の拡大が続きそうです。
2:SBT(Science Based Targets)
SBTとは、「産業革命後の気温上昇を2℃以内とし、
1.5℃以内に抑えることを目指す」というパリ協定の目標に
科学的に整合した、企業の5~15年間の温室効果ガス削減
目標です。自社の目標がSBTとして認定されるためには、
事務局に申請書を提出し、目標の妥当性の審査・認証を
受ける必要があります。
2022年8月現在、SBTには世界77カ国から3,465社の
参加があります。日本企業は233社が認定、56社が2年
以内にSBTを設定すると宣言する「コミット」を行って
おり、参加企業数は世界第3位となっています。
3:RE100
事業運営のための電気を100%再生可能エネルギーで調達
することを宣言した企業が加盟する企業連合です。企業は
何年までに100%再エネ化を達成するかを宣言して加盟して
おり、最長でも2050年までには達成するよう求められてい
ます。
2022年8月現在、加盟企業数は379社。うち72社が日本
企業であり、米国に次ぐ世界第2位の加盟数となっています。
4:CDP
世界の約600の機関投資家を代表するかたちで、主要国の
時価総額上位企業に気候変動、水、森林保護への取組に
関する質問書を送付し、集まった回答を分析、評価、公表
する国際NGOです。
2021年には世界で約7200社に質問を行い、約3200社が
情報開示を行いました。日本では500社に質問状を送付し
355社が情報開示を行っています。2022年より、日本の
質問対象は、東証プライム市場上場全社(約1850社)へと
拡大します。
◆イニシアティブ参加の目的
こうしたイニシアティブへの参加企業が増加している大きな
理由として、環境・社会・ガバナンスの三側面を考慮して
投資先を選ぶESG投資の拡大があります。ESG投資の課題
として、環境・社会・ガバナンスへの取組は、財務情報の
ような客観的・定量的な評価が難しいという点があります。
環境イニシアティブは、取組内容のレベルが高い、加盟
審査がある、社内の体制整備が必要、コストが掛かるなど、
参加のためのハードルが高く設定されています。それゆえ
に、イニシアティブへの参加は、環境に力を入れていると
いう客観的な証拠になります。
今や主要な機関投資家の日本株運用に占めるESG投資の
割合は約70%とも言われており、ESGへの取り組みが
不足していると見なされる事は株価を下落させ、企業価値
を損なうリスクとなっています。ESG投資対策としての
イニシアティブへの参加の動きは、今後も強まっていく
でしょう。
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