◇◇◇パデセアメールマガジンVol.205◇◇◇「住宅の環境規制強化」
2022/10/06 (Thu) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.205◇◇◇
住宅の環境規制強化
~建築物省エネ法改正~
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11月開催eco検定 受付は10/5~10/17まで!
https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/
2022年9月 環境法令検定 試験結果公開中!
https://ecohourei.jp/shiken/%e7%ac%ac%ef%bc%91%ef%bc%93%e5%9b%9e%e8%a9%a6%e9%a8%93%e7%b5%90%e6%9e%9c/
2023年1月 環境法令検定オンラインセミナー 受付開始!
https://ecohourei.jp/seminar-submit/
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特集:住宅の環境規制強化
~建築物省エネ法改正~
日本のエネルギー消費量は2005年度をピークに減少
が続いていますが、省エネ化は主に企業で進んでおり、
家庭部門のエネルギー消費量はほぼ横ばいの状況が続いて
います。
2000年度と比べ、2020年度の運輸部門・産業部門の
エネルギー消費量はいずれも55%減少、業務部門も16%
減少しています。一方、家庭部門のエネルギー消費量は、
コロナ禍による在宅勤務の影響もあり10%増加しています。
国や自治体は、企業に対しては法令や条例で規制を行い、
省エネ化や温室効果ガスの削減を促すことができます。
しかし、個人に対して同様の規制を行うことは難しく、
家庭部門の省エネ化は停滞しています。
そこで、個人が生活する住宅に対し省エネ・創エネ化を
義務付けることで、家庭部門の環境負荷を減らす政策が
動き始めています。
◆国の政策:建築物省エネ法の対象を全ての住宅へ
2015年に公布された建築物省エネ法は、一定以上の
面積の建築物の新築および増改築を行う際に、建築物
エネルギー消費性能基準(省エネ基準)に適合すること
を義務付けた法律です。基準に適合しているかは、建築
基準法に基づき建築物の建築前に行う「建築確認」、
および建築後に行う「完了検査」でチェックされ、適合
していない場合は工事に着工できず、もし完了検査で
不適合となればその建築物は使用できません。
現在、省エネ基準適合義務の対象は「住宅を除く延床
面積300m2以上の建築物」となっていますが、2022年
6月に公布された改正建築物省エネ法では、原則として
すべての建物に省エネ基準適合を義務付けるよう改正
されました。従来除外されてきた住宅も対象となります。
壁への厚い断熱材の使用、複層ガラスや樹脂サッシの採用
などにより、省エネ基準の求める断熱性などをクリア
しなければ、住宅を建てることは認められなくなるのです。
住宅への省エネ基準適合義務付けについては、交付から
3年以内に施行される予定です。
◆国の目標:エネルギー使用量ゼロの家へ
ただし、政府の中長期的な目標は、住宅のより高い水準
の省エネ化を求めています。2021年のエネルギー基本計画
では、「2030年以降新築される住宅・建築物について、
ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し」
省エネ基準の段階的な引き上げを遅くとも2030年までに
行うとしています。
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・
ハウスの略。太陽光発電などのエネルギーを生み出す
仕組みと、高い断熱・省エネ性能により、年間のエネルギー
使用量が差し引きゼロの家を指します。ZEB(ゼブ)は
ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング。住宅以外の
建物でZEHと同等のエネルギー性能を持つものです。
現状の建築物省エネ基準は、あくまで「省エネ」を
求めるもので、太陽光発電などの「創エネ」を求めて
いません。エネルギー基本計画の実現のためには、近い
将来建物への再生可能エネルギー装置の設置を義務付ける
事になるでしょう。
◆地方自治体の政策:国に先んじて再エネ設置を義務付け
国に先んじて、建物への再エネ義務化を進めている
自治体もあります。
京都府および京都市では、2012年から大規模な建物
への再エネ設置が義務付けられています。当初は延床
面積2000m2以上の建物の新築・増築が対象でしたが、
2022年4月からは、設置義務の対象が延床面積300m2以上
の建物まで拡大されました。
東京都では、住宅への太陽光発電の設置義務付けを検討
しています。都内には太陽光発電に適さない日当たりの
悪い住宅も多いことから、すべての住宅に一律に太陽光の
設置を求める形とはせず、ハウスメーカー等の住宅供給
事業者に設置すべき発電出力を指定する、という形が検討
されています。例えば、合計8kWの太陽光発電を設置する
義務のある事業者が、3軒の家を建てるとします。1軒目と
2軒目にそれぞれ4kWの太陽光発電を設置すれば義務は
満たせるので、3軒目の家に太陽光発電を設置する必要は
ありません。
都は2022年12月の都議会で条例改正案を成立させ、
2025年4月に施行することを目指し動いています。この
制度が成立すれば、近い将来行われるであろう国の再エネ
義務化に向けた試金石となるでしょう。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
http://www.pdca.co.jp
e-mail info@pdca.co.jp
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~建築物省エネ法改正~
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特集:住宅の環境規制強化
~建築物省エネ法改正~
日本のエネルギー消費量は2005年度をピークに減少
が続いていますが、省エネ化は主に企業で進んでおり、
家庭部門のエネルギー消費量はほぼ横ばいの状況が続いて
います。
2000年度と比べ、2020年度の運輸部門・産業部門の
エネルギー消費量はいずれも55%減少、業務部門も16%
減少しています。一方、家庭部門のエネルギー消費量は、
コロナ禍による在宅勤務の影響もあり10%増加しています。
国や自治体は、企業に対しては法令や条例で規制を行い、
省エネ化や温室効果ガスの削減を促すことができます。
しかし、個人に対して同様の規制を行うことは難しく、
家庭部門の省エネ化は停滞しています。
そこで、個人が生活する住宅に対し省エネ・創エネ化を
義務付けることで、家庭部門の環境負荷を減らす政策が
動き始めています。
◆国の政策:建築物省エネ法の対象を全ての住宅へ
2015年に公布された建築物省エネ法は、一定以上の
面積の建築物の新築および増改築を行う際に、建築物
エネルギー消費性能基準(省エネ基準)に適合すること
を義務付けた法律です。基準に適合しているかは、建築
基準法に基づき建築物の建築前に行う「建築確認」、
および建築後に行う「完了検査」でチェックされ、適合
していない場合は工事に着工できず、もし完了検査で
不適合となればその建築物は使用できません。
現在、省エネ基準適合義務の対象は「住宅を除く延床
面積300m2以上の建築物」となっていますが、2022年
6月に公布された改正建築物省エネ法では、原則として
すべての建物に省エネ基準適合を義務付けるよう改正
されました。従来除外されてきた住宅も対象となります。
壁への厚い断熱材の使用、複層ガラスや樹脂サッシの採用
などにより、省エネ基準の求める断熱性などをクリア
しなければ、住宅を建てることは認められなくなるのです。
住宅への省エネ基準適合義務付けについては、交付から
3年以内に施行される予定です。
◆国の目標:エネルギー使用量ゼロの家へ
ただし、政府の中長期的な目標は、住宅のより高い水準
の省エネ化を求めています。2021年のエネルギー基本計画
では、「2030年以降新築される住宅・建築物について、
ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し」
省エネ基準の段階的な引き上げを遅くとも2030年までに
行うとしています。
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・
ハウスの略。太陽光発電などのエネルギーを生み出す
仕組みと、高い断熱・省エネ性能により、年間のエネルギー
使用量が差し引きゼロの家を指します。ZEB(ゼブ)は
ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング。住宅以外の
建物でZEHと同等のエネルギー性能を持つものです。
現状の建築物省エネ基準は、あくまで「省エネ」を
求めるもので、太陽光発電などの「創エネ」を求めて
いません。エネルギー基本計画の実現のためには、近い
将来建物への再生可能エネルギー装置の設置を義務付ける
事になるでしょう。
◆地方自治体の政策:国に先んじて再エネ設置を義務付け
国に先んじて、建物への再エネ義務化を進めている
自治体もあります。
京都府および京都市では、2012年から大規模な建物
への再エネ設置が義務付けられています。当初は延床
面積2000m2以上の建物の新築・増築が対象でしたが、
2022年4月からは、設置義務の対象が延床面積300m2以上
の建物まで拡大されました。
東京都では、住宅への太陽光発電の設置義務付けを検討
しています。都内には太陽光発電に適さない日当たりの
悪い住宅も多いことから、すべての住宅に一律に太陽光の
設置を求める形とはせず、ハウスメーカー等の住宅供給
事業者に設置すべき発電出力を指定する、という形が検討
されています。例えば、合計8kWの太陽光発電を設置する
義務のある事業者が、3軒の家を建てるとします。1軒目と
2軒目にそれぞれ4kWの太陽光発電を設置すれば義務は
満たせるので、3軒目の家に太陽光発電を設置する必要は
ありません。
都は2022年12月の都議会で条例改正案を成立させ、
2025年4月に施行することを目指し動いています。この
制度が成立すれば、近い将来行われるであろう国の再エネ
義務化に向けた試金石となるでしょう。
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