◇◇◇パデセアメールマガジンVol.209◇◇◇「GHGプロトコル」
2023/03/05 (Sun) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.209◇◇◇
GHGプロトコル
~温室効果ガス算定・報告の国際基準~
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次回2023年7月のeco検定は新テキストから出題されます!
https://pub.jmam.co.jp/book/b618574.html
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特集:GHGプロトコル
~温室効果ガス算定・報告の国際基準~
近年、企業の環境報告書や統合報告において、温室効果
ガスの排出量を「GHGプロトコルにもとづき」算定して
いるとの記述がしばしば見られるようになりました。GHG
プロトコルとはどのようなものなのでしょうか。
◆GHGプロトコルとは何か
GHGプロトコルとは、温室効果ガス排出量の算定・報告の
方法についての国際基準です。
1990~2000年代にかけ、大きな温室効果ガス排出源で
ある企業は自らの排出量を算定し、報告すべきとの機運が
高まりました。しかし、新しい概念である温室効果ガス
排出量には報告方法の国際的な基準がなく、国や企業ごとに
異なる基準にもとづいて自らの排出する温室効果ガスを算定
していました。これでは企業は自社のどの部門の温室効果
ガスを削減すべきか適切に判断できませんし、適切な企業
同士の比較も行えません。
そこで、2011年10月に公表されたのが「GHGプロトコル」
です。米国のシンクタンク「世界資源研究所」と、持続可能な
発展を目指すグローバル企業の団体「持続可能な開発のための
世界経済人会議(WBCSD)」を中心に、各国の政府機関やNGO
等も参加して作られました。
こうして多くの立場の意見を取り入れて作られたGHG
プロトコルは、排出量算定・報告の国際基準として幅広く
認められています。気候変動に関する国際的なイニシア
ティブであるTCFD、SBT、RE100、CDPなども、GHG
プロトコルに基づく算定を求めています。
※TCFD、SBT、RE100、CDPについては、
当メルマガVol204「気候変動に関するイニシアティブ」を参照
https://g.bmb.jp/bm/p/bn/list.php?i=pdca&no=all&m=813
◆GHGプロトコルの内容
GHGプロトコルは以下のような事項の指針を示し、
国際的に統一した排出量の算定を可能にしました。
・温室効果ガスの算定を行う際は、どのようなデータを
集めるべきか。
・所有権を共有しているなど、権利関係が複雑な施設からの
排出量は誰の排出量として扱うべきか
・「○%削減した」と公表する際、削減前の基準年をどの
ように定めるべきか。
・他企業の買収や部門の売却を行った場合、増加・減少した
部門の排出量をどう算定するか
GHGプロトコルではこの他にも様々な基準を示し
ましたが、その中でも特に重要なのが「スコープ」の概念です。
◆スコープ:温室効果ガスを3つに分ける
スコープとは、事業活動に伴う温室効果ガスの排出を、
以下の3つに分ける考え方です。
○スコープ1:直接排出
企業がその事業活動の中で直接排出している
以下のような温室効果ガスを指します。
・ボイラーや炉などの固定装置における燃料の燃焼からの排出
・自動車などの輸送装置での燃料の燃焼からの排出
・セメント製造過程で発生するCO2など、物理的・科学的な
プロセスからの排出
・パイプの結合部等からの漏洩
○スコープ2:購入した電気・熱・蒸気の利用による間接排出
企業が電気などのエネルギーを購入して使用した事で、
発電所等の施設から発生した温室効果ガスを指します。
○スコープ3:事業者の上流及び下流の活動からの間接排出
大まかには、事業者のサプライチェーンの上流・下流で
発生する温室効果ガスを指します。
ある企業が原料を仕入れ製品に加工して出荷する時、
その原料が企業のもとに届く前に採掘や加工、輸送の段階
で温室効果ガスを排出しています。また、出荷した製品が
電気や化石燃料で動く製品であれば、使用される際に
エネルギーを消費します。製品が廃棄される際にも温室
効果ガスが発生します。
更に、従業員の通勤や出張に伴う排出、資本財・リース
資産からの排出、フランチャイズ先・投資先からの排出も
スコープ3に含まれます。
スコープ3の定義と範囲が定められたことで、企業は
どこからどこまでを自社に関連する温室効果ガスとして
配慮すべきかが明確になりました。
GHGプロトコルでは、スコープ1・2については把握を
必須とする一方、スコープ3については「算定および報告
することが望まれている」としており、必須要項とはして
いません。
しかし近年は、環境・社会・ガバナンス面に積極的な
企業に投資を行う「ESG投資」の広まりなどもあり、
GHGプロトコルに基づいてスコープ3の排出量を把握・
公表する企業が増加しています。
国際的に信頼できる排出量の公表を企業に求める声は
年々強くなっており、GHGプロトコルの重要性もまた
高まっています。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
http://www.pdca.co.jp
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GHGプロトコル
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特集:GHGプロトコル
~温室効果ガス算定・報告の国際基準~
近年、企業の環境報告書や統合報告において、温室効果
ガスの排出量を「GHGプロトコルにもとづき」算定して
いるとの記述がしばしば見られるようになりました。GHG
プロトコルとはどのようなものなのでしょうか。
◆GHGプロトコルとは何か
GHGプロトコルとは、温室効果ガス排出量の算定・報告の
方法についての国際基準です。
1990~2000年代にかけ、大きな温室効果ガス排出源で
ある企業は自らの排出量を算定し、報告すべきとの機運が
高まりました。しかし、新しい概念である温室効果ガス
排出量には報告方法の国際的な基準がなく、国や企業ごとに
異なる基準にもとづいて自らの排出する温室効果ガスを算定
していました。これでは企業は自社のどの部門の温室効果
ガスを削減すべきか適切に判断できませんし、適切な企業
同士の比較も行えません。
そこで、2011年10月に公表されたのが「GHGプロトコル」
です。米国のシンクタンク「世界資源研究所」と、持続可能な
発展を目指すグローバル企業の団体「持続可能な開発のための
世界経済人会議(WBCSD)」を中心に、各国の政府機関やNGO
等も参加して作られました。
こうして多くの立場の意見を取り入れて作られたGHG
プロトコルは、排出量算定・報告の国際基準として幅広く
認められています。気候変動に関する国際的なイニシア
ティブであるTCFD、SBT、RE100、CDPなども、GHG
プロトコルに基づく算定を求めています。
※TCFD、SBT、RE100、CDPについては、
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◆GHGプロトコルの内容
GHGプロトコルは以下のような事項の指針を示し、
国際的に統一した排出量の算定を可能にしました。
・温室効果ガスの算定を行う際は、どのようなデータを
集めるべきか。
・所有権を共有しているなど、権利関係が複雑な施設からの
排出量は誰の排出量として扱うべきか
・「○%削減した」と公表する際、削減前の基準年をどの
ように定めるべきか。
・他企業の買収や部門の売却を行った場合、増加・減少した
部門の排出量をどう算定するか
GHGプロトコルではこの他にも様々な基準を示し
ましたが、その中でも特に重要なのが「スコープ」の概念です。
◆スコープ:温室効果ガスを3つに分ける
スコープとは、事業活動に伴う温室効果ガスの排出を、
以下の3つに分ける考え方です。
○スコープ1:直接排出
企業がその事業活動の中で直接排出している
以下のような温室効果ガスを指します。
・ボイラーや炉などの固定装置における燃料の燃焼からの排出
・自動車などの輸送装置での燃料の燃焼からの排出
・セメント製造過程で発生するCO2など、物理的・科学的な
プロセスからの排出
・パイプの結合部等からの漏洩
○スコープ2:購入した電気・熱・蒸気の利用による間接排出
企業が電気などのエネルギーを購入して使用した事で、
発電所等の施設から発生した温室効果ガスを指します。
○スコープ3:事業者の上流及び下流の活動からの間接排出
大まかには、事業者のサプライチェーンの上流・下流で
発生する温室効果ガスを指します。
ある企業が原料を仕入れ製品に加工して出荷する時、
その原料が企業のもとに届く前に採掘や加工、輸送の段階
で温室効果ガスを排出しています。また、出荷した製品が
電気や化石燃料で動く製品であれば、使用される際に
エネルギーを消費します。製品が廃棄される際にも温室
効果ガスが発生します。
更に、従業員の通勤や出張に伴う排出、資本財・リース
資産からの排出、フランチャイズ先・投資先からの排出も
スコープ3に含まれます。
スコープ3の定義と範囲が定められたことで、企業は
どこからどこまでを自社に関連する温室効果ガスとして
配慮すべきかが明確になりました。
GHGプロトコルでは、スコープ1・2については把握を
必須とする一方、スコープ3については「算定および報告
することが望まれている」としており、必須要項とはして
いません。
しかし近年は、環境・社会・ガバナンス面に積極的な
企業に投資を行う「ESG投資」の広まりなどもあり、
GHGプロトコルに基づいてスコープ3の排出量を把握・
公表する企業が増加しています。
国際的に信頼できる排出量の公表を企業に求める声は
年々強くなっており、GHGプロトコルの重要性もまた
高まっています。
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