◇◇◇パデセアメールマガジンVol.215◇◇◇「宇都宮ライトレール開業」
2023/09/05 (Tue) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.215◇◇◇
宇都宮ライトレール開業
~なぜ今「路面電車」なのか~
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特集:宇都宮ライトレール開業
~なぜ今「路面電車」なのか~
2023年8月26日、宇都宮市に路面電車「宇都宮ライト
レール」が開業しました。国内での新しい路面電車の開業は
実に75年ぶりとなります。路面電車は近年では「LRT」とも
呼ばれ、再評価が進んでいます。戦後、自動車交通の邪魔者
として次々と廃止された路面電車が再注目されている背景を
探ります。
◆LRTとは?
LRTは「Light Rail Transit(軽量鉄道交通)」の略で、
「次世代型路面電車」とも呼ばれます。実はこの言葉は
明確な定義がなく、従来の路面電車とLRTの線引きは不明瞭
です。
国土交通省では「低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の
改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの
面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのこと」
としています。概ね、路面電車の欠点であった乗降時の
段差を低床式車両で克服しつつ、路面電車の長所を発揮
している路線がLRTと呼ばれる事が多い、という印象です。
◆路面電車の長所
それでは、路面電車にはどのような長所があるのでしょうか。
・バス以上・地下鉄未満の輸送力
路面電車1本あたりの乗客数はバスより多く、地下鉄より
は少ないため、「バスでは輸送力が不足するが、地下鉄や
モノレールでは輸送力過大」な中小都市でちょうどよい
輸送力を発揮できます。戦後路面電車が生き残った地域は、
広島市、熊本市、富山市、松山市といった地方都市が多く、
「バス以上・地下鉄未満」の輸送力がこうした地域に適合
している事が伺えます。
・鉄道の中では安価に敷設できる
バスでは輸送力が不足する場合の都市交通の選択肢と
しては、地下鉄、モノレール、新交通システム(タイヤで
走行する電車)などがありますが、地下鉄はトンネル、
モノレールや新交通システムは高架線が必須であり、
建設費が1キロあたり数十~数百億円にのぼります。
路面電車は既存の道路や橋の上に平面に設置できるため、
建設費はキロあたり20~30億円程度に抑えられます。
・定時制が高い
路面電車の線路は道路上に設置されますが、原則として
自動車の進入が禁止されます。バスと比べ渋滞の影響を
受けにくく、渋滞が慢性化している都市でも時間通りの
運行が期待できます。
・温室効果ガス排出量が少ない
路面電車は電気で走行し、また多くの人を一度に運べる
ため、温室効果ガス排出量が少ない交通手段です。やや
古いデータですが、平成14年国土交通白書では、1人
1キロ辺りのCO2排出量を自家用車188g、乗合バス94g、
路面電車36gとしています。特に宇都宮ライトレールは、
市内の太陽光やバイオマスで発電された電気を使用し、
再エネ100%で運行されると公表されています。
・地域の問題を解決しうる
地方都市では、都市中心部の空洞化、都市の郊外への
拡大が進み、自家用車への依存率が高まる反面、高齢化に
より免許を返納するドライバーが増加しています。中心部
と郊外を接続して両エリアの交通の便を高め、高齢者の足
としても有用な路面電車は、これらの問題を一挙に改善
できる可能性があります。
◆各地で進む路面電車の再評価
LRT導入の先進的な事例として知られるのが、富山市の
富山ライトレールです。これは、経営不振に陥っていた
JR富山港線を第3セクター化し、更に市中心部部分を路面
電車化した路線です。LRT化と大幅な増発によりJR時代から
大きく利便性が向上した事で市民から支持を受け、乗客数は
想定を上回るペースで伸びました。
富山ライトレールの成功を受け、札幌市では路面電車が
延伸され環状運転を開始、岡山市では市電を岡山駅に直結
する工事が進行するなど、各地で路面電車をまちづくりに
活かす機運が高まっています。中でも、宇都宮ライトレール
は路面電車の存在しない都市にLRTを新設するという、国内
初の事例です。新規LRTの試金石として、宇都宮ライト
レールは大きな注目を浴びています。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
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特集:宇都宮ライトレール開業
~なぜ今「路面電車」なのか~
2023年8月26日、宇都宮市に路面電車「宇都宮ライト
レール」が開業しました。国内での新しい路面電車の開業は
実に75年ぶりとなります。路面電車は近年では「LRT」とも
呼ばれ、再評価が進んでいます。戦後、自動車交通の邪魔者
として次々と廃止された路面電車が再注目されている背景を
探ります。
◆LRTとは?
LRTは「Light Rail Transit(軽量鉄道交通)」の略で、
「次世代型路面電車」とも呼ばれます。実はこの言葉は
明確な定義がなく、従来の路面電車とLRTの線引きは不明瞭
です。
国土交通省では「低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の
改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの
面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのこと」
としています。概ね、路面電車の欠点であった乗降時の
段差を低床式車両で克服しつつ、路面電車の長所を発揮
している路線がLRTと呼ばれる事が多い、という印象です。
◆路面電車の長所
それでは、路面電車にはどのような長所があるのでしょうか。
・バス以上・地下鉄未満の輸送力
路面電車1本あたりの乗客数はバスより多く、地下鉄より
は少ないため、「バスでは輸送力が不足するが、地下鉄や
モノレールでは輸送力過大」な中小都市でちょうどよい
輸送力を発揮できます。戦後路面電車が生き残った地域は、
広島市、熊本市、富山市、松山市といった地方都市が多く、
「バス以上・地下鉄未満」の輸送力がこうした地域に適合
している事が伺えます。
・鉄道の中では安価に敷設できる
バスでは輸送力が不足する場合の都市交通の選択肢と
しては、地下鉄、モノレール、新交通システム(タイヤで
走行する電車)などがありますが、地下鉄はトンネル、
モノレールや新交通システムは高架線が必須であり、
建設費が1キロあたり数十~数百億円にのぼります。
路面電車は既存の道路や橋の上に平面に設置できるため、
建設費はキロあたり20~30億円程度に抑えられます。
・定時制が高い
路面電車の線路は道路上に設置されますが、原則として
自動車の進入が禁止されます。バスと比べ渋滞の影響を
受けにくく、渋滞が慢性化している都市でも時間通りの
運行が期待できます。
・温室効果ガス排出量が少ない
路面電車は電気で走行し、また多くの人を一度に運べる
ため、温室効果ガス排出量が少ない交通手段です。やや
古いデータですが、平成14年国土交通白書では、1人
1キロ辺りのCO2排出量を自家用車188g、乗合バス94g、
路面電車36gとしています。特に宇都宮ライトレールは、
市内の太陽光やバイオマスで発電された電気を使用し、
再エネ100%で運行されると公表されています。
・地域の問題を解決しうる
地方都市では、都市中心部の空洞化、都市の郊外への
拡大が進み、自家用車への依存率が高まる反面、高齢化に
より免許を返納するドライバーが増加しています。中心部
と郊外を接続して両エリアの交通の便を高め、高齢者の足
としても有用な路面電車は、これらの問題を一挙に改善
できる可能性があります。
◆各地で進む路面電車の再評価
LRT導入の先進的な事例として知られるのが、富山市の
富山ライトレールです。これは、経営不振に陥っていた
JR富山港線を第3セクター化し、更に市中心部部分を路面
電車化した路線です。LRT化と大幅な増発によりJR時代から
大きく利便性が向上した事で市民から支持を受け、乗客数は
想定を上回るペースで伸びました。
富山ライトレールの成功を受け、札幌市では路面電車が
延伸され環状運転を開始、岡山市では市電を岡山駅に直結
する工事が進行するなど、各地で路面電車をまちづくりに
活かす機運が高まっています。中でも、宇都宮ライトレール
は路面電車の存在しない都市にLRTを新設するという、国内
初の事例です。新規LRTの試金石として、宇都宮ライト
レールは大きな注目を浴びています。
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