◇◇◇パデセアメールマガジンVol.218◇◇◇「さらば蛍光灯」
2023/12/08 (Fri) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.218◇◇◇
さらば蛍光灯 ~2027年 製造・輸出入禁止に~
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「環境法令検定公式問題集 2023~2024年秋冬版」発売中!
9月実施検定の問題も収録!
https://ecohourei.jp/2023/09/28/355/
2024年2月 環境法令検定対策オンラインセミナー 受付中!
https://ecohourei.jp/seminar-submit/
eco検定最新テキスト対応の参考書&模擬問題
「eco検定ポイント集中レッスン」改定13版 発売中!
https://direct.gihyo.jp/view/item/000000003063
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特集:さらば蛍光灯
~2027年 製造・輸出入禁止に~
家電量販店に行けば、どこでも無数に販売されている
蛍光灯。しかしこの風景は、あと数年で見られなくなります。
「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議が2023年
10月30日~11月3日まで開催され、一般照明用の蛍光灯に
ついて、2027年末までに製造及び輸出入が禁止されること
が決定しました。同条約の締約国である日本もこれに従う
事となります。2028年以降も蛍光灯の使用と在庫の販売は
可能ですが、いずれも数年の内になくなると見られます。
蛍光灯の製造・輸出入が禁止される背景を見てみましょう。
◆蛍光灯はなぜ消える?
蛍光灯を国際的に規制する動きがあるのは、蛍光灯に
水銀が使われている事が原因です。
蛍光灯は、ガラス管の中に微量の水銀原子が封入されて
います。蛍光灯のガラス管に電流を流すと、電極から放出
される電子が水銀原子と衝突して紫外線を発生させ、この
紫外線がガラス管に塗布されている蛍光体に吸収され、
光を発生させます。蛍光灯は水銀なくして光ることが
できません。
水銀は毒性がありますが、1本の蛍光灯に使用される
のは6mg程度とごく微量です。加えて、蛍光灯に含まれる
水銀は、人体に吸収されやすく水俣病の原因となった
「有機水銀」ではなく、人体に吸収されにくい「無機水銀」
であり、たとえ割れてもただちに人体に影響することは
ほぼないとされていました。しかし、環境中に放出された
無機水銀は、水環境中の微生物により有機水銀に変化する
事が知られています。
2010年時点で、国内では年間約8トンの水銀が使用され、
用途の4割弱は蛍光灯を含むランプ類が占めていました。
また、水銀使用製品の廃棄等の過程で、年間約20トンが
大気中に排出されていました。政府は大きな水銀排出源で
ある蛍光灯の削減を推進する計画です。
◆時代はLEDへ
政府は2010年の第3次エネルギー基本計画で、「高効率
次世代照明(LED 照明、有機 EL 照明)については、2020
年までにフローで 100%、2030 年までにストックで100%
普及させることを目指す」と記載、近い将来に蛍光灯の生産
を廃止する事を表明します。当時の次世代照明の普及率は
1%未満であり、非常に野心的な目標でした。
2017年8月、水銀に関する水俣条約が発効。水銀灯や、
水銀を多く使用する蛍光灯など、徐々に生産・輸出入禁止
製品を増やし、締約国である日本もこれに従いました。
2017年10月より、蛍光灯は廃棄物処理法上の「水銀
使用製品産業廃棄物」となり、事業所では他の廃棄物と
分け、水銀が飛散しないように管理しなければならなく
なりました。
2010年代を通じて蛍光灯は規制強化を受け、代わって
LED照明が普及します。蛍光灯より省エネで寿命も蛍光灯
の約4倍と長いLEDは、2010~20年代に価格を大幅に
下げ、経済性でも蛍光灯より優位に立ちました。
かくして、蛍光灯は社会の必需品ではなくなり、製造・
輸出入の禁止化を迎えようとしています。LEDは今後
蛍光灯の地位を完全に代替し、水銀とエネルギー使用量の
削減はますます進むでしょう。
◆蛍光灯が残した教訓
2010年以前には生活必需品であった蛍光灯は、20年も
経たずに社会から消える事となりました。スムーズな
淘汰が進んだ理由は、社会が水銀禁止に向け一致団結
したからではなく、LEDが蛍光灯より便利で経済的だった
からです。
環境に悪影響を及ぼすにもかかわらず、必需品かつ
代替手段がないため使われ続けているものは、化石燃料を
はじめ多数存在します。環境への影響はあるが必需品と
思われている物でも短期間で社会からなくすことは可能で
あり、そのためには経済性、利便性に優れた代替品がある
ことが必要という難題を、消えゆく蛍光灯は残していきます。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
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特集:さらば蛍光灯
~2027年 製造・輸出入禁止に~
家電量販店に行けば、どこでも無数に販売されている
蛍光灯。しかしこの風景は、あと数年で見られなくなります。
「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議が2023年
10月30日~11月3日まで開催され、一般照明用の蛍光灯に
ついて、2027年末までに製造及び輸出入が禁止されること
が決定しました。同条約の締約国である日本もこれに従う
事となります。2028年以降も蛍光灯の使用と在庫の販売は
可能ですが、いずれも数年の内になくなると見られます。
蛍光灯の製造・輸出入が禁止される背景を見てみましょう。
◆蛍光灯はなぜ消える?
蛍光灯を国際的に規制する動きがあるのは、蛍光灯に
水銀が使われている事が原因です。
蛍光灯は、ガラス管の中に微量の水銀原子が封入されて
います。蛍光灯のガラス管に電流を流すと、電極から放出
される電子が水銀原子と衝突して紫外線を発生させ、この
紫外線がガラス管に塗布されている蛍光体に吸収され、
光を発生させます。蛍光灯は水銀なくして光ることが
できません。
水銀は毒性がありますが、1本の蛍光灯に使用される
のは6mg程度とごく微量です。加えて、蛍光灯に含まれる
水銀は、人体に吸収されやすく水俣病の原因となった
「有機水銀」ではなく、人体に吸収されにくい「無機水銀」
であり、たとえ割れてもただちに人体に影響することは
ほぼないとされていました。しかし、環境中に放出された
無機水銀は、水環境中の微生物により有機水銀に変化する
事が知られています。
2010年時点で、国内では年間約8トンの水銀が使用され、
用途の4割弱は蛍光灯を含むランプ類が占めていました。
また、水銀使用製品の廃棄等の過程で、年間約20トンが
大気中に排出されていました。政府は大きな水銀排出源で
ある蛍光灯の削減を推進する計画です。
◆時代はLEDへ
政府は2010年の第3次エネルギー基本計画で、「高効率
次世代照明(LED 照明、有機 EL 照明)については、2020
年までにフローで 100%、2030 年までにストックで100%
普及させることを目指す」と記載、近い将来に蛍光灯の生産
を廃止する事を表明します。当時の次世代照明の普及率は
1%未満であり、非常に野心的な目標でした。
2017年8月、水銀に関する水俣条約が発効。水銀灯や、
水銀を多く使用する蛍光灯など、徐々に生産・輸出入禁止
製品を増やし、締約国である日本もこれに従いました。
2017年10月より、蛍光灯は廃棄物処理法上の「水銀
使用製品産業廃棄物」となり、事業所では他の廃棄物と
分け、水銀が飛散しないように管理しなければならなく
なりました。
2010年代を通じて蛍光灯は規制強化を受け、代わって
LED照明が普及します。蛍光灯より省エネで寿命も蛍光灯
の約4倍と長いLEDは、2010~20年代に価格を大幅に
下げ、経済性でも蛍光灯より優位に立ちました。
かくして、蛍光灯は社会の必需品ではなくなり、製造・
輸出入の禁止化を迎えようとしています。LEDは今後
蛍光灯の地位を完全に代替し、水銀とエネルギー使用量の
削減はますます進むでしょう。
◆蛍光灯が残した教訓
2010年以前には生活必需品であった蛍光灯は、20年も
経たずに社会から消える事となりました。スムーズな
淘汰が進んだ理由は、社会が水銀禁止に向け一致団結
したからではなく、LEDが蛍光灯より便利で経済的だった
からです。
環境に悪影響を及ぼすにもかかわらず、必需品かつ
代替手段がないため使われ続けているものは、化石燃料を
はじめ多数存在します。環境への影響はあるが必需品と
思われている物でも短期間で社会からなくすことは可能で
あり、そのためには経済性、利便性に優れた代替品がある
ことが必要という難題を、消えゆく蛍光灯は残していきます。
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