◇◇◇パデセアメールマガジンVol.219◇◇◇「COP28」
2024/01/05 (Fri) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.219◇◇◇
COP28 ~パリ協定の目標 達成状況を確認~
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「環境法令検定公式問題集 2023~2024年秋冬版」発売中!
https://ecohourei.jp/2023/09/28/355/
2024年2月 環境法令検定対策オンラインセミナー 受付中!
https://ecohourei.jp/seminar-submit/
eco検定最新テキスト対応の参考書&模擬問題
「eco検定ポイント集中レッスン」改定13版 発売中!
https://direct.gihyo.jp/view/item/000000003063
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特集:COP28
~パリ協定の目標 達成状況を確認~
2023年11月30日から12月13日まで、気候変動枠組条約
第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦のドバイ
で開催されました。「地球沸騰化」が叫ばれた2023年に、
どのようなことが話し合われたのかを見てみましょう。
◆グローバルストックテイク
COP28で行われた大きな出来事として、第1回グローバル
ストックテイクの実施が挙げられます。これはパリ協定の
目標の達成状況を世界全体で定期的に評価する仕組みで、
5年毎に行われ、今回が初回のグローバルストックテイクと
なります。「各国の取り組みの実施」→「グローバルストック
テイクでの評価」→「評価を受けて各国が温室効果ガス削減
目標(NDC)と取り組みを修正」…を繰り返すことで、パリ
協定の目標である「産業革命以降の気温上昇1.5度以下」を
目指そう、というものです。
ただし、COP28の期間はたったの2週間しかありません
から、この間に各国の取り組みの情報収集や分析が実際に
行われるわけではありません。グローバルストックテイクに
向けた情報収集と分析は2021年から開始されています。
COP28では、この分析結果を世界各国が検討し、今後必要
となる対策に合意する手続きが行われました。
各国が同意したグローバルストックテイクに関する決定
文書の主な内容は以下の通りです。
・パリ協定以降の各国の目標引き上げにより、気温上昇
予測は+4℃から+2.1~2.8℃まで抑制された。
・しかし、1.5度目標と現在の削減量には大幅な隔たりが
あり、行動と支援が必要である。
・2025年までに温室効果ガス総排出量のピークアウト
(減少への転換)を実現し、2030年までに43%、2035年
までに60%削減する必要がある。
・全ての温室効果ガスおよび産業・運輸・家庭などの
全てのセクターを対象とした排出削減が必要である。
・2030年までに世界の再生可能エネルギー発電容量を
3倍にする必要がある。
・2030年までに世界のエネルギー効率を2倍にする必要がある。
各国はこれを参考に、2025年までに新たな2035年までの
削減目標(NDC)を立てる事となります。NDCはあくまで
各国の自主的な約束であるため、上記内容に準拠する義務は
ありません。ただ、日本や米国を含む120カ国以上の有志国
が「2030年までに世界の再エネ容量を3倍、エネルギー
効率を2倍にする」という誓約に賛同を示しており、多くの
国がNDC設定の参考にすると見込まれます。
◆成果文書への「化石燃料からの脱却」記載
COP28の成果文書(UAEコンセンサス)には「化石燃料
からの脱却」という文言が初めて含まれました。成果文書は
気候変動枠組条約の全加盟国(198カ国)の賛同が必要で
ある事から、化石燃料を廃止するといった強いメッセージを
盛り込むことが難しく、COP26,27では「石炭火力の段階的
削減」という弱い表現にとどまっていました。すべての化石
燃料を脱却・転換すべきものとして位置づけたこの成果文書
は大きな一歩と言えます。
この他にCOP28では、気候変動による途上国への損失と
損害(ロス&ダメージ)を予防・救済する基金の具体的な
運用方法などについて、合意が行われました。
また全世界的な合意ではありませんが、COP28会期中に
日本や米国を含む22カ国が「世界の原子力発電の設備容量を
2050年までに3倍にする」と宣言しました。今後の日本・
世界のエネルギー政策の方向性を示すものとして、注目
すべきできごとです。
◆気候変動を止める難しさ 浮き彫りに
COP28では「化石燃料からの脱却」が成果文書に記載
されるなど、議論自体は実りあるものとなりました。その
反面、グローバルストックテイクが導き出した1.5℃目標
達成への道筋は「6年で再生可能エネルギー発電容量を3倍」
などのかなり実現の難しいものであり、気候変動のさらなる
進行が避けがたい事を浮き彫りにしています。
次回のCOP29は2024年11月、アゼルバイジャンで開催されます。
参考:外務省「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)結果概要」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/pagew_000001_00076.html
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963/FAX:03-5829-5964
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~パリ協定の目標 達成状況を確認~
2023年11月30日から12月13日まで、気候変動枠組条約
第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦のドバイ
で開催されました。「地球沸騰化」が叫ばれた2023年に、
どのようなことが話し合われたのかを見てみましょう。
◆グローバルストックテイク
COP28で行われた大きな出来事として、第1回グローバル
ストックテイクの実施が挙げられます。これはパリ協定の
目標の達成状況を世界全体で定期的に評価する仕組みで、
5年毎に行われ、今回が初回のグローバルストックテイクと
なります。「各国の取り組みの実施」→「グローバルストック
テイクでの評価」→「評価を受けて各国が温室効果ガス削減
目標(NDC)と取り組みを修正」…を繰り返すことで、パリ
協定の目標である「産業革命以降の気温上昇1.5度以下」を
目指そう、というものです。
ただし、COP28の期間はたったの2週間しかありません
から、この間に各国の取り組みの情報収集や分析が実際に
行われるわけではありません。グローバルストックテイクに
向けた情報収集と分析は2021年から開始されています。
COP28では、この分析結果を世界各国が検討し、今後必要
となる対策に合意する手続きが行われました。
各国が同意したグローバルストックテイクに関する決定
文書の主な内容は以下の通りです。
・パリ協定以降の各国の目標引き上げにより、気温上昇
予測は+4℃から+2.1~2.8℃まで抑制された。
・しかし、1.5度目標と現在の削減量には大幅な隔たりが
あり、行動と支援が必要である。
・2025年までに温室効果ガス総排出量のピークアウト
(減少への転換)を実現し、2030年までに43%、2035年
までに60%削減する必要がある。
・全ての温室効果ガスおよび産業・運輸・家庭などの
全てのセクターを対象とした排出削減が必要である。
・2030年までに世界の再生可能エネルギー発電容量を
3倍にする必要がある。
・2030年までに世界のエネルギー効率を2倍にする必要がある。
各国はこれを参考に、2025年までに新たな2035年までの
削減目標(NDC)を立てる事となります。NDCはあくまで
各国の自主的な約束であるため、上記内容に準拠する義務は
ありません。ただ、日本や米国を含む120カ国以上の有志国
が「2030年までに世界の再エネ容量を3倍、エネルギー
効率を2倍にする」という誓約に賛同を示しており、多くの
国がNDC設定の参考にすると見込まれます。
◆成果文書への「化石燃料からの脱却」記載
COP28の成果文書(UAEコンセンサス)には「化石燃料
からの脱却」という文言が初めて含まれました。成果文書は
気候変動枠組条約の全加盟国(198カ国)の賛同が必要で
ある事から、化石燃料を廃止するといった強いメッセージを
盛り込むことが難しく、COP26,27では「石炭火力の段階的
削減」という弱い表現にとどまっていました。すべての化石
燃料を脱却・転換すべきものとして位置づけたこの成果文書
は大きな一歩と言えます。
この他にCOP28では、気候変動による途上国への損失と
損害(ロス&ダメージ)を予防・救済する基金の具体的な
運用方法などについて、合意が行われました。
また全世界的な合意ではありませんが、COP28会期中に
日本や米国を含む22カ国が「世界の原子力発電の設備容量を
2050年までに3倍にする」と宣言しました。今後の日本・
世界のエネルギー政策の方向性を示すものとして、注目
すべきできごとです。
◆気候変動を止める難しさ 浮き彫りに
COP28では「化石燃料からの脱却」が成果文書に記載
されるなど、議論自体は実りあるものとなりました。その
反面、グローバルストックテイクが導き出した1.5℃目標
達成への道筋は「6年で再生可能エネルギー発電容量を3倍」
などのかなり実現の難しいものであり、気候変動のさらなる
進行が避けがたい事を浮き彫りにしています。
次回のCOP29は2024年11月、アゼルバイジャンで開催されます。
参考:外務省「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)結果概要」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/pagew_000001_00076.html
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