◇◇◇パデセアメールマガジンVol.225◇◇◇「第6次環境基本計画」
2024/07/05 (Fri) 12:00
◇◇◇パデセアメールマガジンVol.225◇◇◇
環境保護は「ウェルビーイング/高い生活の質」のために ~第6次環境基本計画~
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特集:環境保護は「ウェルビーイング/高い生活の質」のために
~第6次環境基本計画~
2024年5月21日、第6次環境基本計画が閣議決定され
ました。
環境基本計画は環境の保全に関する国の基本方針を示す
もので、1994年の制定から6年毎に見直しが行われて
きました。今回は2018年の第5次環境基本計画以来の改定
であり、コロナ禍を経た価値観の変化などを盛り込んだ
内容となっています。第5次計画からの変化点を中心に
見ていきましょう。
◆目的:ウェルビーイング/高い生活の質
今回の環境基本計画は「目指すべき持続可能な社会の姿」
として「ウェルビーイング/高い生活の質」を打ち出しました。
環境や社会のあり方を中心に論じていた従来の計画から、
国民1人1人の幸福というよりミクロな目標へと転換した
形です。人を環境の一部、生き物の一員と捉え、環境保全
を通じて現在及び将来の人間の生活を豊かにする事を
目指します。
◆ビジョン:地上資源基調の循環共生型社会
従来の「循環型社会」から更に一歩踏み出した「地上
資源基調」という言葉を取り入れました。化石燃料や鉱物
といった地下資源基調の社会から、再生可能エネルギーや
都市鉱山といった地上で採取できる・既に地上にある資源を
基調とした社会への転換を打ち出しています。こうした
資源の循環に加え、大気、水などの健全な物質循環を確保
し、人間もその一部として共生する社会を目指します。
◆方針:新たな成長
「新たな成長」は第5次計画からあった言葉で
「あらゆる観点からのイノベーションの創出と経済・
社会的課題の同時解決を実現することにより、将来に
わたって質の高い生活をもたらす」ものとされています。
第6次計画ではこれを「ウェルビーイング/高い生活の質」
を目指すものと再定義しました。ウェルビーイングの達成
には市場的価値と非市場的価値の両方を引き上げる必要が
あるとし、以下の視点を提示しています。
1.ストックの充実
従来はGDP に代表されるフローの値が「成長」とされて
きましたが、新たな成長にはストックの充実が不可欠と
しています。ここではストックを以下のように幅広く
定義しています。
・自然資本:自然環境をストックとして捉え、維持・回復・充実をはかる
・有形の資本:自然資本の充実に寄与する、設備、インフラ等
・無形の資本:人的資本、ブランド価値等
ストックの充実に際しては、まず将来のあるべき状態、
ありたい状態を想定し、その実現のために何をすべきかを
検討することが重要です。また、短期的な視点やこれまで
の成功体験にとらわれず、人生100年時代を反映した長期的
視点で充実させていく事が必要です。
2.物質より心、量より質の向上
近年、物質的な豊かさより心の豊かさを重視する国民が
増加しています。ウェルビーイングの達成には、ソーシャル・
キャピタル(信頼関係・人間関係)と、その基盤としての
コミュニティの充実が必要です。国家、市場、コミュニティ
のバランスを図り、弱者を含めた包摂的な社会の実現が
必要としています。
経済活動においては、物質的な量より質の向上、環境
価値を含む無形資産を活用した高付加価値化等の視点が
重要としています。
「なんのために環境を保護すべきか?」この根本的な
問いに第6次計画は「個人の生活の質を上げるため」と
いう新たな答えを返しました。
第6次計画はその背景として「プラネタリーヘルス」を
挙げています。地球の健康(地球環境の健全性)と人間の
健康を一体と捉え、地球が健康でなければ人間も健康に
なれないという考え方で、コロナ禍を経て注目される
ようになりました。
またウェルビーイングを目標とした結果、心の豊かさや
包摂性の重視といった、従来の「環境」の枠外であった
事項も環境基本計画が内包するようになりました。
環境の概念は時々刻々と変化しており、この変化が環境
政策にどのように反映されるのかが注目されます。
【参考】環境省「第六次環境基本計画の閣議決定について」
https://www.env.go.jp/press/press_03210.html
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ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963
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特集:環境保護は「ウェルビーイング/高い生活の質」のために
~第6次環境基本計画~
2024年5月21日、第6次環境基本計画が閣議決定され
ました。
環境基本計画は環境の保全に関する国の基本方針を示す
もので、1994年の制定から6年毎に見直しが行われて
きました。今回は2018年の第5次環境基本計画以来の改定
であり、コロナ禍を経た価値観の変化などを盛り込んだ
内容となっています。第5次計画からの変化点を中心に
見ていきましょう。
◆目的:ウェルビーイング/高い生活の質
今回の環境基本計画は「目指すべき持続可能な社会の姿」
として「ウェルビーイング/高い生活の質」を打ち出しました。
環境や社会のあり方を中心に論じていた従来の計画から、
国民1人1人の幸福というよりミクロな目標へと転換した
形です。人を環境の一部、生き物の一員と捉え、環境保全
を通じて現在及び将来の人間の生活を豊かにする事を
目指します。
◆ビジョン:地上資源基調の循環共生型社会
従来の「循環型社会」から更に一歩踏み出した「地上
資源基調」という言葉を取り入れました。化石燃料や鉱物
といった地下資源基調の社会から、再生可能エネルギーや
都市鉱山といった地上で採取できる・既に地上にある資源を
基調とした社会への転換を打ち出しています。こうした
資源の循環に加え、大気、水などの健全な物質循環を確保
し、人間もその一部として共生する社会を目指します。
◆方針:新たな成長
「新たな成長」は第5次計画からあった言葉で
「あらゆる観点からのイノベーションの創出と経済・
社会的課題の同時解決を実現することにより、将来に
わたって質の高い生活をもたらす」ものとされています。
第6次計画ではこれを「ウェルビーイング/高い生活の質」
を目指すものと再定義しました。ウェルビーイングの達成
には市場的価値と非市場的価値の両方を引き上げる必要が
あるとし、以下の視点を提示しています。
1.ストックの充実
従来はGDP に代表されるフローの値が「成長」とされて
きましたが、新たな成長にはストックの充実が不可欠と
しています。ここではストックを以下のように幅広く
定義しています。
・自然資本:自然環境をストックとして捉え、維持・回復・充実をはかる
・有形の資本:自然資本の充実に寄与する、設備、インフラ等
・無形の資本:人的資本、ブランド価値等
ストックの充実に際しては、まず将来のあるべき状態、
ありたい状態を想定し、その実現のために何をすべきかを
検討することが重要です。また、短期的な視点やこれまで
の成功体験にとらわれず、人生100年時代を反映した長期的
視点で充実させていく事が必要です。
2.物質より心、量より質の向上
近年、物質的な豊かさより心の豊かさを重視する国民が
増加しています。ウェルビーイングの達成には、ソーシャル・
キャピタル(信頼関係・人間関係)と、その基盤としての
コミュニティの充実が必要です。国家、市場、コミュニティ
のバランスを図り、弱者を含めた包摂的な社会の実現が
必要としています。
経済活動においては、物質的な量より質の向上、環境
価値を含む無形資産を活用した高付加価値化等の視点が
重要としています。
「なんのために環境を保護すべきか?」この根本的な
問いに第6次計画は「個人の生活の質を上げるため」と
いう新たな答えを返しました。
第6次計画はその背景として「プラネタリーヘルス」を
挙げています。地球の健康(地球環境の健全性)と人間の
健康を一体と捉え、地球が健康でなければ人間も健康に
なれないという考え方で、コロナ禍を経て注目される
ようになりました。
またウェルビーイングを目標とした結果、心の豊かさや
包摂性の重視といった、従来の「環境」の枠外であった
事項も環境基本計画が内包するようになりました。
環境の概念は時々刻々と変化しており、この変化が環境
政策にどのように反映されるのかが注目されます。
【参考】環境省「第六次環境基本計画の閣議決定について」
https://www.env.go.jp/press/press_03210.html
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