◇パデセアメールマガジンVol.230◇「COP29」
2024/12/05 (Thu) 12:00
◇パデセアメールマガジンVol.230◇
COP29の成果と課題:資金配分とパリ協定6条の議論
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特集:COP29の成果と課題:資金配分とパリ協定6条の議論
2024年11月11日~22日まで、アゼルバイジャンのバクーで第29回
気候変動枠組条約締約国会議(COP29)が開催されました。COP29
では、特に資金配分とパリ協定6条に関する議論が注目されました。
1. 資金配分が重要な議題となった理由
COP29では、気候変動対策のための資金配分が主要な議題として
取り上げられました。途上国は気候変動の影響を受けやすい反面、
資金不足のために気候変動の緩和や適応に向けた対策を取ることが
難しい国々でもあるため、先進国は資金供出が求められています。
2009年のCOP15では「2020年までに先進国から途上国へ年間1000億
ドルの気候資金を動員する」という目標が定められました。パリ
協定が採択された2015年のCOP21では「年間1000億ドルの動員を
2025年まで継続する」と目標が強化され、更に「2025年より前に
新しい資金目標についても合意する」と定められます。COP29は、
2025年以降の資金目標について合意する最後の機会でした。
一方で、先進国は「2020年までに年間1000億ドル」という目標を
達成できず、その達成は2年ずれ込んで2022年(1159億ドル)と
なりました。こうした背景もあり、先進国と途上国の溝が例年以上
に大きい状態でCOP29は開幕します。
2. 議論の結果と途上国の不満
議論の内容は数値の大小にとどまりません。実は「年間1000億
ドル」は、政府からの公的支援と、その支援をきっかけとする民間
投資を併せたものでした。民間投資は「カネになる」分野に集中
しがちであり、適応対策や「損失と損害」対策といった「儲から
ない」分野で重要となる公的支援の増強を途上国は期待していました。
議論は難航したものの、最終的には「2035年までに少なくとも
年間3000億ドル」という支援目標が決定しました。先進国の立場に
立てば、現在の資金供出額の実に3倍であり、かなり高いハードル
と言えます。一方、当初「1兆ドル」単位になる事を期待していた
途上国側としては期待外れの結果となり、公的資金と民間投資、
途上国および多国間開発銀行による支援を含めての目標となった点
にも不満が残りました。
3. パリ協定6条に関する議論
パリ協定6条は、温室効果ガスの排出を削減した量や、温室効果
ガスを大気から除去した量を「クレジット」として国際的に売買
する「市場メカニズム」に関する条項です。2021年のCOP26で売買の
ルールは大枠では合意されていましたが、詳細なルールの取り決め
が行き詰まり、COP27,28では合意できず先送りが続いていました。
今回の議論では、削減・除去の量をクレジット化する際に必要な
締約国政府による承認・報告の項目や様式、クレジットの記録や
報告に用いる登録簿間の接続性といった細目が固まり、運用に
あたってのルールが完全に固まりました。早ければ来年にもパリ
協定に基づくクレジットの売買が始まります。
温室効果ガスの削減量、植林等によるCO2の吸収量に加え、今後は
大気中のCO2を直接除去する技術「DAC」による除去量も売買の対象
となり、クレジットの売買は一層盛んになる見込みです。
パリ協定からの離脱を表明しているトランプ氏が米大統領に
返り咲くなど、環境をめぐる世界情勢が混迷を深める中始まった
COP29は、なんとか妥結点を見つけ次へと進むことができました。
次回のCOP30は2025年11月、ブラジル北部ベレンで開催されます。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963
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特集:COP29の成果と課題:資金配分とパリ協定6条の議論
2024年11月11日~22日まで、アゼルバイジャンのバクーで第29回
気候変動枠組条約締約国会議(COP29)が開催されました。COP29
では、特に資金配分とパリ協定6条に関する議論が注目されました。
1. 資金配分が重要な議題となった理由
COP29では、気候変動対策のための資金配分が主要な議題として
取り上げられました。途上国は気候変動の影響を受けやすい反面、
資金不足のために気候変動の緩和や適応に向けた対策を取ることが
難しい国々でもあるため、先進国は資金供出が求められています。
2009年のCOP15では「2020年までに先進国から途上国へ年間1000億
ドルの気候資金を動員する」という目標が定められました。パリ
協定が採択された2015年のCOP21では「年間1000億ドルの動員を
2025年まで継続する」と目標が強化され、更に「2025年より前に
新しい資金目標についても合意する」と定められます。COP29は、
2025年以降の資金目標について合意する最後の機会でした。
一方で、先進国は「2020年までに年間1000億ドル」という目標を
達成できず、その達成は2年ずれ込んで2022年(1159億ドル)と
なりました。こうした背景もあり、先進国と途上国の溝が例年以上
に大きい状態でCOP29は開幕します。
2. 議論の結果と途上国の不満
議論の内容は数値の大小にとどまりません。実は「年間1000億
ドル」は、政府からの公的支援と、その支援をきっかけとする民間
投資を併せたものでした。民間投資は「カネになる」分野に集中
しがちであり、適応対策や「損失と損害」対策といった「儲から
ない」分野で重要となる公的支援の増強を途上国は期待していました。
議論は難航したものの、最終的には「2035年までに少なくとも
年間3000億ドル」という支援目標が決定しました。先進国の立場に
立てば、現在の資金供出額の実に3倍であり、かなり高いハードル
と言えます。一方、当初「1兆ドル」単位になる事を期待していた
途上国側としては期待外れの結果となり、公的資金と民間投資、
途上国および多国間開発銀行による支援を含めての目標となった点
にも不満が残りました。
3. パリ協定6条に関する議論
パリ協定6条は、温室効果ガスの排出を削減した量や、温室効果
ガスを大気から除去した量を「クレジット」として国際的に売買
する「市場メカニズム」に関する条項です。2021年のCOP26で売買の
ルールは大枠では合意されていましたが、詳細なルールの取り決め
が行き詰まり、COP27,28では合意できず先送りが続いていました。
今回の議論では、削減・除去の量をクレジット化する際に必要な
締約国政府による承認・報告の項目や様式、クレジットの記録や
報告に用いる登録簿間の接続性といった細目が固まり、運用に
あたってのルールが完全に固まりました。早ければ来年にもパリ
協定に基づくクレジットの売買が始まります。
温室効果ガスの削減量、植林等によるCO2の吸収量に加え、今後は
大気中のCO2を直接除去する技術「DAC」による除去量も売買の対象
となり、クレジットの売買は一層盛んになる見込みです。
パリ協定からの離脱を表明しているトランプ氏が米大統領に
返り咲くなど、環境をめぐる世界情勢が混迷を深める中始まった
COP29は、なんとか妥結点を見つけ次へと進むことができました。
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