パデセアメールマガジンvol.14-京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告-
2008/03/05 (Wed) 13:15
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○○○ パデセアメールマガジンVol.14 ○○○
「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告」
―6%削減約束を達成するためには、
既存対策の加速化・強化と追加的な対策・施策の導入が不可欠―
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今回のテーマは「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告」です。
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今年は京都議定書の目標達成第1約束期間の初年度になります。日本の削減目標
6%の達成見込みはどうか。京都議定書が2005年2月に発効したのを受け、削減
目標を達成するための「京都議定書目標達成計画」が2005年4月に定められました。
現在、同計画にもとづき地球温暖化対策が進められています。
環境省、経済産業省では合同審議会を開催し、2006年11月から目標達成計画の
評価・見直しに関する審議を行なってきました。これらの審議結果と国民からの
パブリックコメントを踏まえて、2月8日に「京都議定書目標達成計画の評価・
見直しに関する最終報告」を公表しました。以下、最終報告の概要を紹介します。
1.京都議定書目標達成計画の評価
(1)現在の温室効果ガスの排出量の状況
2005年度の我が国の温室効果ガス排出量は13億5,900万t-CO2となっており、
基準年度の総排出量を7.7%上回っている。なお、2006年度の総排出量は
13億4,100万t-CO2 (基準年比6.4%増)となっているが、速報値であり、今後
変更の可能性がある。
温室効果ガス別に見ると、総排出量の9割以上を占める二酸化炭素の増加が
大きく、その他5種類のガスは基準年度を下回っている。
部門ごとに見ると、総排出量の38%を占めている産業部門の排出量は基準年度比
6.1%減少している一方、運輸部門は18.1%、業務部門は45.4%、家庭部門は
36.4%、それぞれ基準年度比から増加している。
このように、温室効果ガスの排出は、ガス種ごと、部門ごとに排出量の傾向に
相違がある。
(2)2010年度の排出量見通しと不足削減量
2007年9月に取りまとめた合同審議会の中間報告は、「総合的に見れば、対策が
十分に進捗しているとは言えない状況である」とした上で、既存対策の加速化・強化
が必要であることを明らかにした。さらに、現行計画では削減の約束期間の中間で
ある2010年度の排出量は、12億7,300万~12億8,700万t-CO2と推計し、「京都議定書
目標達成計画」で計画している京都メカニズムの活用(1.6%)及び森林吸収量
(3.8%)が計画通りとしても、6%削減約束の達成には1.7~2.8%
(約2,200万~3,600万t-CO2)の不足が見込まれることを公表した。
このことは、6%削減約束の達成のためには追加的な対策・施策の導入が不可欠
であることを示すものである。
2.目標達成の見直しに向けた対策・施策の強化
合同審議会は、計画の評価・見直しに当たって以下の視点で検討を進めてきた。
・マクロ経済情勢見通しの変化を考慮し、6%削減約束の達成を確実にする対策・
施策の追加・強化 を適切に行なう。
・全部門での排出削減のための一層の取り組みが必要であるが、特に排出量の伸びが
著しい業務部門・家庭部門の対策の強化が必要である。
・国民全体がライフスタイル・ビジネススタイルの変革を促すような対策の強化も
視野に入れる。
これまで検討されてきた具体的削減対策の強化の内容は、産業部門の自主行動
計画の拡大強化、住宅・建築物の省エネ性能向上、「1人1日1kgCO2削減チャレンジ
宣言」などによる国民運動の展開、トップランナー対象機器の拡大、自動車の燃費
改善、バイオ燃料対策を含めた新エネルギー対策の推進、都市緑化、廃棄物・代替
フロン等3ガス対策などを挙げている。
3.検討すべき課題
今後速やかに検討すべき課題として、「国内排出量取引」、[環境税」、
「新エネルギー対策の抜本的強化」、「深夜化するライフスタイル・ビジネス
スタイルの見直し」、「サマータイムの導入」が挙げられています。
4.対策・施策の強化を踏まえた2010年度排出量見通し
既存の対策に加え、追加対策・施策に全力で取り組むことにより、
「約3,700万t-CO2以上の排出削減効果が見込まれ、6%目標は達成しうると考え
られる。但し、前提となる既存対策の確実な実行が必要である」としている。
「京都議定書第1約束期間が開始される2008年度に向け、排出見通し等の更
なる精査を行いつつ、年度内に改訂目標達成計画を閣議決定し、第1約束期間
の開始とともにこれに基づく対策を一丸となって推進することが望まれる」と
報告書を結んでいます。
2月29日の新聞報道では、「政府の地球温暖化対策推進本部は6%削減の目標
達成計画の改定案を了承した。政府は国民の意見を聴いたうえで3月中に閣議
決定する。追加的な対策として産業界の自主行動計画の厳格化などを列挙。
国内排出量制度の具体化を検討するよう促す文言が盛り込まれた」と報道して
います。
排出量取引は、欧州連合(EU)では既に2005年から域内取引制度が導入され
ており、米国での州レベルでの導入計画、ニュージーランド・オーストラリアで
の導入計画など、国内(域内)排出量取引は世界的な潮流になっています。
これまで日本では排出量取引の是非が議論されてきました。しかし産業界や経済
産業省は企業の国際的な競争力をそぐとして反対してきましたが、ここにきて
漸く日本においても国内排出量取引制度についての検討が本格化されるものと
思います。どのような制度にするか、注目していきたいと思います。
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★書籍【改訂版 環境社会検定試験公式テキスト】が発売
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2008年以降の試験に対応する改訂版公式テキストが発売されました。
アマゾンからも購入可能です。http://www.pdca.co.jp/ecoken/textbook.html
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★エコ検定対策セミナー公開コース開催予定
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昨年第3回目の試験前に、3回(約165名)のセミナーを開催し、好評を頂きました。
今年は、第4回の試験に向けて今までの対策セミナーのほかに模擬試験を中心と
した直前対策セミナー(半日)を実施します。
申込受付は3月半ば以降を予定しています。詳細はまたHPでご案内しますので
少々お待ちください。
・対策セミナー (1日コース)開催日:5月17日(土)・6月18日(水)
・直前対策セミナー(半日コース)開催日:7月5日(土)
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★通信教育、Eラーニング、書籍「eco検定ポイント集中レッスン」改訂中
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2008年度試験にむけて、エコ検定のeラーニング、通信教育、および
弊社執筆の参考書「eco検定ポイント集中レッスン」を現在改訂中です。
詳細は、HPでご案内しますが4月以降リリース予定ですので、少々お待ちください。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都中央区新川1-22-12ニッテイビル4F
TEL 03-5541-6281 FAX 03-5541-1166
http://www.pdca.co.jp/ email:info@pdca.co.jp
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6%の達成見込みはどうか。京都議定書が2005年2月に発効したのを受け、削減
目標を達成するための「京都議定書目標達成計画」が2005年4月に定められました。
現在、同計画にもとづき地球温暖化対策が進められています。
環境省、経済産業省では合同審議会を開催し、2006年11月から目標達成計画の
評価・見直しに関する審議を行なってきました。これらの審議結果と国民からの
パブリックコメントを踏まえて、2月8日に「京都議定書目標達成計画の評価・
見直しに関する最終報告」を公表しました。以下、最終報告の概要を紹介します。
1.京都議定書目標達成計画の評価
(1)現在の温室効果ガスの排出量の状況
2005年度の我が国の温室効果ガス排出量は13億5,900万t-CO2となっており、
基準年度の総排出量を7.7%上回っている。なお、2006年度の総排出量は
13億4,100万t-CO2 (基準年比6.4%増)となっているが、速報値であり、今後
変更の可能性がある。
温室効果ガス別に見ると、総排出量の9割以上を占める二酸化炭素の増加が
大きく、その他5種類のガスは基準年度を下回っている。
部門ごとに見ると、総排出量の38%を占めている産業部門の排出量は基準年度比
6.1%減少している一方、運輸部門は18.1%、業務部門は45.4%、家庭部門は
36.4%、それぞれ基準年度比から増加している。
このように、温室効果ガスの排出は、ガス種ごと、部門ごとに排出量の傾向に
相違がある。
(2)2010年度の排出量見通しと不足削減量
2007年9月に取りまとめた合同審議会の中間報告は、「総合的に見れば、対策が
十分に進捗しているとは言えない状況である」とした上で、既存対策の加速化・強化
が必要であることを明らかにした。さらに、現行計画では削減の約束期間の中間で
ある2010年度の排出量は、12億7,300万~12億8,700万t-CO2と推計し、「京都議定書
目標達成計画」で計画している京都メカニズムの活用(1.6%)及び森林吸収量
(3.8%)が計画通りとしても、6%削減約束の達成には1.7~2.8%
(約2,200万~3,600万t-CO2)の不足が見込まれることを公表した。
このことは、6%削減約束の達成のためには追加的な対策・施策の導入が不可欠
であることを示すものである。
2.目標達成の見直しに向けた対策・施策の強化
合同審議会は、計画の評価・見直しに当たって以下の視点で検討を進めてきた。
・マクロ経済情勢見通しの変化を考慮し、6%削減約束の達成を確実にする対策・
施策の追加・強化 を適切に行なう。
・全部門での排出削減のための一層の取り組みが必要であるが、特に排出量の伸びが
著しい業務部門・家庭部門の対策の強化が必要である。
・国民全体がライフスタイル・ビジネススタイルの変革を促すような対策の強化も
視野に入れる。
これまで検討されてきた具体的削減対策の強化の内容は、産業部門の自主行動
計画の拡大強化、住宅・建築物の省エネ性能向上、「1人1日1kgCO2削減チャレンジ
宣言」などによる国民運動の展開、トップランナー対象機器の拡大、自動車の燃費
改善、バイオ燃料対策を含めた新エネルギー対策の推進、都市緑化、廃棄物・代替
フロン等3ガス対策などを挙げている。
3.検討すべき課題
今後速やかに検討すべき課題として、「国内排出量取引」、[環境税」、
「新エネルギー対策の抜本的強化」、「深夜化するライフスタイル・ビジネス
スタイルの見直し」、「サマータイムの導入」が挙げられています。
4.対策・施策の強化を踏まえた2010年度排出量見通し
既存の対策に加え、追加対策・施策に全力で取り組むことにより、
「約3,700万t-CO2以上の排出削減効果が見込まれ、6%目標は達成しうると考え
られる。但し、前提となる既存対策の確実な実行が必要である」としている。
「京都議定書第1約束期間が開始される2008年度に向け、排出見通し等の更
なる精査を行いつつ、年度内に改訂目標達成計画を閣議決定し、第1約束期間
の開始とともにこれに基づく対策を一丸となって推進することが望まれる」と
報告書を結んでいます。
2月29日の新聞報道では、「政府の地球温暖化対策推進本部は6%削減の目標
達成計画の改定案を了承した。政府は国民の意見を聴いたうえで3月中に閣議
決定する。追加的な対策として産業界の自主行動計画の厳格化などを列挙。
国内排出量制度の具体化を検討するよう促す文言が盛り込まれた」と報道して
います。
排出量取引は、欧州連合(EU)では既に2005年から域内取引制度が導入され
ており、米国での州レベルでの導入計画、ニュージーランド・オーストラリアで
の導入計画など、国内(域内)排出量取引は世界的な潮流になっています。
これまで日本では排出量取引の是非が議論されてきました。しかし産業界や経済
産業省は企業の国際的な競争力をそぐとして反対してきましたが、ここにきて
漸く日本においても国内排出量取引制度についての検討が本格化されるものと
思います。どのような制度にするか、注目していきたいと思います。
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★書籍【改訂版 環境社会検定試験公式テキスト】が発売
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2008年以降の試験に対応する改訂版公式テキストが発売されました。
アマゾンからも購入可能です。http://www.pdca.co.jp/ecoken/textbook.html
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★エコ検定対策セミナー公開コース開催予定
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昨年第3回目の試験前に、3回(約165名)のセミナーを開催し、好評を頂きました。
今年は、第4回の試験に向けて今までの対策セミナーのほかに模擬試験を中心と
した直前対策セミナー(半日)を実施します。
申込受付は3月半ば以降を予定しています。詳細はまたHPでご案内しますので
少々お待ちください。
・対策セミナー (1日コース)開催日:5月17日(土)・6月18日(水)
・直前対策セミナー(半日コース)開催日:7月5日(土)
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★通信教育、Eラーニング、書籍「eco検定ポイント集中レッスン」改訂中
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2008年度試験にむけて、エコ検定のeラーニング、通信教育、および
弊社執筆の参考書「eco検定ポイント集中レッスン」を現在改訂中です。
詳細は、HPでご案内しますが4月以降リリース予定ですので、少々お待ちください。
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株式会社 パデセア 代表取締役 黒柳要次
東京都中央区新川1-22-12ニッテイビル4F
TEL 03-5541-6281 FAX 03-5541-1166
http://www.pdca.co.jp/ email:info@pdca.co.jp
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