◇パデセアメールマガジンVol.247◇流しに牛乳を流さない方が良いワケ~活性汚泥法~
2026/06/05 (Fri) 12:00
◇パデセアメールマガジンVol.247◇
流しに牛乳を流さない方が良いワケ~活性汚泥法~
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新刊「ISO 14001:2026 改訂点と実践のポイント」発売中!
https://pdca.co.jp/news/20260226/
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第40回eco検定 6/5お申し込み開始!
お申込期間は6/16(火)18:00まで!
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環境法令検定対策オンラインセミナー(環境法令実務セミナー)
2026年7月18日実施 只今受付中!
https://ecohourei.jp/seminar-submit/
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特集:流しに牛乳を流さない方が良いワケ~活性汚泥法~
「こらっ、流しに飲み残しを捨てちゃダメじゃないか。コップ
1杯の牛乳でも、お風呂9杯もの水で薄めなきゃ魚が住めるように
ならないんだよ!」
子供の頃、こんな風に叱られた人は多いでしょう。かつては
下水がそのまま河川に流されている地域が多く、深刻な水質汚濁を
引き起こしました。「流しに牛乳を流すと川が汚れる」というのは、
当時の状況では正しい認識です。
しかし現代では、多くの地域で下水処理場が整備され、下水に
流した水が直接川に流入する地域は減少しています。ならば今、
下水道に牛乳を流しても、川は汚れないのではないでしょうか?
◆微生物で水を浄化する「活性汚泥法」
下水道から繋がる下水処理場では、活性汚泥法という方法で水を
浄化します。これは簡単に言えば「微生物に汚れを食べてもらう」
方法です。
まず大きなゴミを取り除き、砂や重い汚れを沈めた後、曝気槽
(ばっきそう)という大きな水槽に下水を送り込みます。ここに
ポンプで空気を大量に送り込むと、酸素を好む微生物が活発に
働き、水中の有機物を食べて増殖します。
水中の有機物(汚れ)は、微生物がエネルギーを取り出す過程で
CO2と水に分解され、一部は微生物の体を作るのに使われます。
油や便など雑多な汚れが混ざり合っていた下水は、水と微生物の
2つだけに変化していきます。微生物は体からぬめりのある液体を
分泌し、フロックと呼ばれるかたまりにまとまっていきます。
下水は次に沈殿槽に送られ、水より重いフロックは水底に沈み
ます。こうして「水」だけとなった上澄み部分は消毒の後河川へ
放流され、フロックの一部は次の下水を処理するため曝気槽へ
戻されます。
驚くべきことに、下水道に牛乳を流しても川は汚れません。では
下水処理場のある地域では、牛乳を下水に流してもなんの問題も
ないのでしょうか?
◆牛乳を流すと、気候変動が進む
活性汚泥法は水質汚濁を低減する代わりに、エネルギー消費が
多いという欠点があります。特にエネルギーを使う部分を見て
みましょう。
1:曝気槽のポンプ
曝気槽に空気を吹き入れるポンプは、下水処理場で最も
エネルギーを使用する工程です。
2:汚泥の脱水
微生物が汚れを食べると、当然ながら微生物自身が増えます。
微生物の一部は曝気槽に戻されますが、増えすぎた微生物は
「汚泥(おでい)」 として廃棄物となります。汚泥は重量の
殆どが水で、処分のために遠心分離機などで脱水を行います。
これもエネルギーを使います。
3:汚泥の焼却
多くの地域では脱水後の汚泥は焼却処分されています。しかし
脱水過程を経ても汚泥の重量の8割程度は水分であり、単体では
ほとんど燃えません。このため、石油や天然ガスを使用して
燃やすことを余儀なくされています。
牛乳のような有機物の多い液体を下水道に流すと、それを食べる
微生物がより多く必要となります。それを活かすためのポンプ、
発生した微生物=汚泥を脱水する工程、汚泥を焼却処分する工程
で、より多くのエネルギーを消費する事になります。
つまり、牛乳を下水に流しても川は汚れませんが、気候変動を
促進する事になるのです。
◆汚泥を“資源”に変える取り組み
環境負荷を減らすため、汚泥を「燃やす」のではなく「活かす」
取り組みが広がっています。
① 堆肥化(コンポスト化)
汚泥を発酵させ、農地で使える堆肥にする方法です。有機物が多い
汚泥は肥料として有用で、土壌改良にも役立ちます。
② セメント原料化
汚泥を乾燥させ、セメントの原料として利用する方法。セメント
製造は高温で焼成するため、汚泥の有機物は燃料として利用され、
灰分は原料に取り込まれます。日本で特に普及が進んでいる方法です。
③ バイオガス化(メタン発酵)
汚泥を嫌気性発酵させ、メタンガスを取り出す方法。 発電や熱利用
が可能で、CO₂削減にもつながります。
水処理の進歩とともに、私たちの生活が直接水質を汚染する
リスクは減少しました。しかし汚れた水は、別の形で環境に負荷を
与えます。
「流しに牛乳を流しちゃいけないよ」懐かしき父母の教えは、
今も真実なのです。
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メルマガの配信解除方法は以下をご覧ください。
http://pdca.co.jp/info/magazine/
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※当メールは送信専用です。お問い合わせのある場合はお手数
ですが、以下のメールアドレスまでご連絡お願い致します。
info@pdca.co.jp
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株式会社 パデセア 環境法令検定事務局長
黒柳和志
東京都千代田区岩本町2-7-13 内田ビル4階
TEL:03-5829-5963
http://www.pdca.co.jp
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特集:流しに牛乳を流さない方が良いワケ~活性汚泥法~
「こらっ、流しに飲み残しを捨てちゃダメじゃないか。コップ
1杯の牛乳でも、お風呂9杯もの水で薄めなきゃ魚が住めるように
ならないんだよ!」
子供の頃、こんな風に叱られた人は多いでしょう。かつては
下水がそのまま河川に流されている地域が多く、深刻な水質汚濁を
引き起こしました。「流しに牛乳を流すと川が汚れる」というのは、
当時の状況では正しい認識です。
しかし現代では、多くの地域で下水処理場が整備され、下水に
流した水が直接川に流入する地域は減少しています。ならば今、
下水道に牛乳を流しても、川は汚れないのではないでしょうか?
◆微生物で水を浄化する「活性汚泥法」
下水道から繋がる下水処理場では、活性汚泥法という方法で水を
浄化します。これは簡単に言えば「微生物に汚れを食べてもらう」
方法です。
まず大きなゴミを取り除き、砂や重い汚れを沈めた後、曝気槽
(ばっきそう)という大きな水槽に下水を送り込みます。ここに
ポンプで空気を大量に送り込むと、酸素を好む微生物が活発に
働き、水中の有機物を食べて増殖します。
水中の有機物(汚れ)は、微生物がエネルギーを取り出す過程で
CO2と水に分解され、一部は微生物の体を作るのに使われます。
油や便など雑多な汚れが混ざり合っていた下水は、水と微生物の
2つだけに変化していきます。微生物は体からぬめりのある液体を
分泌し、フロックと呼ばれるかたまりにまとまっていきます。
下水は次に沈殿槽に送られ、水より重いフロックは水底に沈み
ます。こうして「水」だけとなった上澄み部分は消毒の後河川へ
放流され、フロックの一部は次の下水を処理するため曝気槽へ
戻されます。
驚くべきことに、下水道に牛乳を流しても川は汚れません。では
下水処理場のある地域では、牛乳を下水に流してもなんの問題も
ないのでしょうか?
◆牛乳を流すと、気候変動が進む
活性汚泥法は水質汚濁を低減する代わりに、エネルギー消費が
多いという欠点があります。特にエネルギーを使う部分を見て
みましょう。
1:曝気槽のポンプ
曝気槽に空気を吹き入れるポンプは、下水処理場で最も
エネルギーを使用する工程です。
2:汚泥の脱水
微生物が汚れを食べると、当然ながら微生物自身が増えます。
微生物の一部は曝気槽に戻されますが、増えすぎた微生物は
「汚泥(おでい)」 として廃棄物となります。汚泥は重量の
殆どが水で、処分のために遠心分離機などで脱水を行います。
これもエネルギーを使います。
3:汚泥の焼却
多くの地域では脱水後の汚泥は焼却処分されています。しかし
脱水過程を経ても汚泥の重量の8割程度は水分であり、単体では
ほとんど燃えません。このため、石油や天然ガスを使用して
燃やすことを余儀なくされています。
牛乳のような有機物の多い液体を下水道に流すと、それを食べる
微生物がより多く必要となります。それを活かすためのポンプ、
発生した微生物=汚泥を脱水する工程、汚泥を焼却処分する工程
で、より多くのエネルギーを消費する事になります。
つまり、牛乳を下水に流しても川は汚れませんが、気候変動を
促進する事になるのです。
◆汚泥を“資源”に変える取り組み
環境負荷を減らすため、汚泥を「燃やす」のではなく「活かす」
取り組みが広がっています。
① 堆肥化(コンポスト化)
汚泥を発酵させ、農地で使える堆肥にする方法です。有機物が多い
汚泥は肥料として有用で、土壌改良にも役立ちます。
② セメント原料化
汚泥を乾燥させ、セメントの原料として利用する方法。セメント
製造は高温で焼成するため、汚泥の有機物は燃料として利用され、
灰分は原料に取り込まれます。日本で特に普及が進んでいる方法です。
③ バイオガス化(メタン発酵)
汚泥を嫌気性発酵させ、メタンガスを取り出す方法。 発電や熱利用
が可能で、CO₂削減にもつながります。
水処理の進歩とともに、私たちの生活が直接水質を汚染する
リスクは減少しました。しかし汚れた水は、別の形で環境に負荷を
与えます。
「流しに牛乳を流しちゃいけないよ」懐かしき父母の教えは、
今も真実なのです。
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